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認知症は周囲の気付きが大切
皆幸せな環境づくりに注力

まこと脳神経外科クリニック

(北九州市小倉北区/城野駅)

最終更新日:2022/11/22

まこと脳神経外科クリニック 認知症は周囲の気付きが大切 皆幸せな環境づくりに注力 まこと脳神経外科クリニック 認知症は周囲の気付きが大切 皆幸せな環境づくりに注力
  • 保険診療

高齢化に伴い、今や誰もが直面する課題となっている認知症。認知症進行を抑止するものに人・社会との交流が挙げられるが、核家族化や新型コロナウイルス感染症の影響でそれが希薄になり、人知れず症状が進行している高齢者も多いという。「認知症の初期症状の代表例は物忘れですが、人によって本当にさまざまです。何か気になる点があればまずはクリニックにいらしてください」と語るのは「まこと脳神経外科クリニック」の呉島誠院長。認知症に対しては、さまざまな手段を適切に用いることで、本人だけではなく周囲の人を含めた皆が幸せになるように環境を整えていくことが大切で、それができれば必要以上に悲観的になるものではないという。認知症の具体的な初期症状や予防について、呉島院長に幅広く話を聞いた。

(取材日2021年5月15日)

認知症の小さなサインを見逃さず、症状があっても生活しやすいよう、患者とその周囲の環境を整えていく

Q年齢によって認知症の初期症状は変わるのでしょうか?
A
まこと脳神経外科クリニック 些細なことでも気になったら気軽に相談してほしいと語る呉島院長

▲些細なことでも気になったら気軽に相談してほしいと語る呉島院長

ご高齢の方の初期症状として最もわかりやすいのは短期記憶障害、いわゆる物忘れです。核家族化もさらに進み、加えて新型コロナウイルス感染症の影響でなかなかご実家に帰れない間に、年齢的な物忘れだと思っていたものが、調べてみると実は数年前から進行している認知症の症状だった……ということも散見されます。一方で40〜50代という若い方に見られる初期症状では、「以前と行動が違う」という部分がサインになります。例えば携帯電話をよく忘れる、仕事での小さなミスが増えた、うつ病のような症状が出てくる、あるいは逆に怒りっぽくなる、何度も同じことを繰り返すなど、以前は見られなかった行動が出てくると注意したいですね。

Qそれらのサインを放っておくと認知症が進行するのですか?
A
まこと脳神経外科クリニック 支える家族の大変さや思いにも寄り添うサポートを心がける

▲支える家族の大変さや思いにも寄り添うサポートを心がける

特に高齢の方であれば、尿失禁や筋力低下など介助が必要な本格的な認知症にまで進行し、場合によってはすぐに施設に入らざるを得なくなることも。例えば、高齢のご夫婦が2人で暮らしていたケースで、突然ご主人が亡くなったことがきっかけで、以前からご主人が奥さんを介護しながら生活していたことがわかり、慌てて施設に入所する、ということもあります。周りからはうまく生活できているように見えても、実情は違うということも多々あるのです。こういうケースは注意が必要で、今まで円滑に進んでいたように見えても、介護者が倒れるとすべてが崩れてしまう。そうならないためのアドバイスを早い段階から行っていくのが私たちの役目なんです。

Qやはり早い段階での受診が重要になるんですね。
A
まこと脳神経外科クリニック いつもどおりの生活の中で行える対処法を考え、患者を支えていく

▲いつもどおりの生活の中で行える対処法を考え、患者を支えていく

先ほどの例に挙げたような変化に気づいたら、早い段階で受診することがポイントです。当院が大切にしているのは、いろんな方法を取り入れながら「自宅で普段どおりの生活を送ってもらう」という点。例えば物忘れであれば、紙媒体・スマホなどの媒体を使ってメモを残せば、症状がない人と同じような生活が送れるのです。このほか症状を緩和させていくための薬や、訪問診療・通所リハビリテーションなどといったものも適宜取り入れ、生活を円滑に送れるようにしていきます。そうすればもし介護者に何かがあっても、被介護者も一緒に倒れることは避けられます。早く相談すれば対処法も幅広く考えられますから、ぜひ早めに相談してほしいですね。

Q具体的にどのような検査・治療を行うのでしょうか?
A
まこと脳神経外科クリニック 専門的なことをわかりやすく説明。緊急性のある病気にも対応する

▲専門的なことをわかりやすく説明。緊急性のある病気にも対応する

まず脳に重大な病気がないか確認します。もし脳腫瘍などが原因で症状が出ている場合はその治療を優先しなければなりません。当院ではMRIを導入しており、速やかに検査を行って、そこで病原がなく認知症であると診断されれば、先ほど例に挙げたような方法や生活指導を取り入れながら経過を見ていきます。認知症の初期症状は本当に人それぞれです。パーキンソン病のような歩行障害が出るケースのほか、レビー小体型認知症では寝言を言いながら体を動かすレム睡眠行動障害が現れる場合あります。認知症だと診断されずとも、若いうちからレム睡眠行動障害があれば将来的なリスクも視野に入れながら年に1〜2回の受診で様子を見ることを勧めます。

Q認知症の予防についてお聞かせください。
A
まこと脳神経外科クリニック 予防講習への参加も多く、リハビリルームでは運動指導なども行う

▲予防講習への参加も多く、リハビリルームでは運動指導なども行う

当院では運動や食事指導、日常生活でできるアドバイスなど、認知症の予防講習も行っています。認知症は新しいことをしなくなると進行しますから、習いごとなどの趣味を持つことも予防や治療につながると私は考えています。重要なのは社会交流です。他人との交流が、認知症の予防・進行の抑制において最も大事なことなのです。私が「こうしましょう」と言っても、ご本人が自覚せず、自発的に何も行わなければ症状は進んでしまいます。元気なうちからできるだけ興味のあることを見つけ、いろんなことにチャレンジする。その中で気になる点があるのなら一度受診していただければアドバイスも行えます。まずは行動を起こすことが重要なのです。

ドクターからのメッセージ

呉島 誠院長

認知症と聞くと悲観的になる方も多いでしょう。しかし私は必要以上にネガティブになる必要はないと考えます。適切に対処することで今までのような生活が続けられるかもしれませんから、そのためのサポートもしています。大事なのはご家族の気づき、そして介護者・被介護者どちらもが無理をしないこと。認知症の症状があっても、ご本人・ご家族が現状を受け入れ、家庭でできる工夫をし、時には介護資源を適切に取り入れながら生活が円滑に進んでいくよう環境を整えていくことを、私は一番大切にしています。ご本人とご家族が幸せでいられるようにお手伝いをするのが当院の役目。気にかかる点があればまず一歩、当院へ足を踏み出してみてください。

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