めまい・頭痛はまず脳神経外科へ
ふらつきを感じたら危険信号
まこと脳神経外科クリニック
(北九州市小倉北区/城野駅)
最終更新日:2022/11/22
- 保険診療
ありふれた症状である頭痛・めまい。しかしいずれも脳梗塞、脳腫瘍など重大な脳の疾患が背景となっている可能性があり、放置しておくと命に関わることや後遺症が残るケースも。「よくある症状だからといって軽視せず、まずは一度検査をして、重大な症状がないことを確認することが大前提です」と語るのは、「まこと脳神経外科クリニック」の呉島誠院長だ。患者自身にも症状がどんな時に出るか日記をつけてもらい、患者と二人三脚で症状の改善を図るという。「例えばスマホの見すぎなど、原因を自覚するだけでも症状軽減につながります。生活環境を整え、薬や運動を取り入れながら症状を患者さんご自身でコントロールしていくことが大切なのです」と話す呉島院長に、頭痛・めまいの原因や具体的な治療について話を聞いた。
(取材日2021年5月15日)
目次
めまい・頭痛は一度受診・検査を。薬や運動を取り入れ、生活を整えることで症状をコントロールしていく
- Qめまいや頭痛に悩まされている場合はどうすれば良いでしょうか?
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A
ズキズキして響く、吐き気がする、寝込んでしまう、といった場合は脳神経外科の受診をお勧めします。まれに脳腫瘍などの大きな病気が原因となってそれらの症状を引き起こすこともあるため、まずは原因が何かをはっきりさせる必要があります。「めまいの症状が出る回数が増えた」と訴える方に脳の疾患が見つかるケースもあります。すぐに来院できるのがクリニックの強みなので、総合病院だと敷居が高いと感じる方に来ていただきたいですし、「何となく頭痛・めまいが気になる」という程度のお悩みでも構いません。脳に重大な症状がないかを確認することは、めまい・頭痛の治療の大前提なのです。
- Q頭痛の原因や、放置した場合のリスクなどをお聞かせください。
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A
突然激しい頭痛が出た場合はくも膜下出血の疑いがあります。こうした脳の病気が原因の場合は、命に関わることもあります。当院ではMRIを導入しているため、脳梗塞、脳動脈瘤などがないかしっかりと調べることが可能です。そこで病因がないとわかれば、片頭痛、群発頭痛や緊張型頭痛など、頭痛の種類を絞り込んでいけます。よく「市販の頭痛薬が効かない」という声を聞きますが、頭痛の種類によって薬も変わるのです。大事なのは症状に適した薬を適切なタイミングで服用すること。そうすることで、頭痛の頻度を減らし、ADL(日常生活動作)の改善をめざします。頭痛をコントロールしながら生活できるようになることが肝心です。
- Qめまいの原因、放置した場合のリスクなどをお聞かせください。
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A
めまいも、まずは脳の異常の有無を調べることから始まります。多くは耳鼻科の領域に原因がある場合が多いのですが、まれに脳腫瘍などが隠れていることも。症状としてはふわふわとした「浮動性めまい」が見られます。めまいの治療は実は難しく、西洋薬だけですぐに治ることはあまりありません。場合によっては体のむくみや舌の様子を確認し、症状に合わせて漢方薬を処方することもあります。また体を動かすことも重要です。特に高齢者のめまいは、筋力の低下が引き金になっていることもあるので、ストレッチや眼球運動の指導を行い、体を鍛えていきます。また、どういう時に症状が出るのかを把握することも、めまいと向き合っていくには重要です。
- Q生活環境からの影響が大きいと考えられるのですね。
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A
頭痛・めまい、いずれもそうです。当院では患者さんに日記をつけてもらい、「どういったタイミングで症状が出たのか」をメモしてもらっています。飲酒、喫煙、天気、女性であれば生理、食べ物、睡眠時間の不足、仕事のストレスなど、日記に記されたライフスタイルと症状が出るタイミングを見て、原因を絞り込んでいきます。患者さんが発症のタイミングを自覚するだけでも症状はぐっと減るものなのです。また信頼できる本をお貸しして、患者さん自身に勉強してもらうこともあります。頭痛にしろめまいにしろ、症状と原因を自覚し、ご自身なりに対処法を考え、さらに私からのフィードバックで調整しながら、焦らず治療していくのが大事なのです。
- Q頭痛・めまいは治せないものではないのですね。
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A
はい。治療から卒業するのが最終的な目標ですが、日々の生活がうまく送れるようになることが一番大事です。寝込んでいる時間や、頭痛の回数が減るだけでも生活はガラリと変わります。そういった明るい未来を提案することも、治療の一環なのだと考えています。なので当院では患者さんとの雑談もとても重視しています。そこに原因が隠れていることもありますし、原因がわかれば、患者さんも受け身ではなく、自分ごとだと認識してくださいますから。頭痛薬は飲むタイミングも重要なのですが、仕事中は飲みにくいといった場合は口の中で溶けるタイプを処方するなど調整もできます。患者さんの人生の時間をいかに豊かにしていくかを常に考えています。