繰り返し起こる下痢や便秘
その「お腹が痛い」原因とは
浦和消化器内視鏡クリニック
(さいたま市浦和区/浦和駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
便秘と下痢が交互に起こる、便秘や下痢、腹痛を繰り返すという人は多い。便秘や下痢は、誰しもが経験するであろうありふれた症状であるため軽く考えがちだが、その症状の原因が、過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎、大腸がんや胃がん、胃潰瘍などの病気のこともあるという。便秘や下痢、腹痛もよくある症状だからと軽視せず、「おなかの病気」の専門家、消化器科を受診してほしいと語るのが「浦和消化器内視鏡クリニック」勝山泰志院長だ。胃や腸に重大な病気が隠れていたり、あるいは腎臓や、肝臓・膵臓・胆嚢に原因があったり、女性の場合は婦人科系の病気の場合もあり、専門家による診断が必要なのだそうだ。そこで便秘や下痢、腹痛を繰り返す場合には、どんな原因が考えられ、どんな検査や治療が必要なのかを取材した。
(取材日2021年5月20日)
目次
潰瘍性大腸炎や過敏性腸症候群、大腸がんであることも。便秘や下痢、腹痛を繰り返す場合は消化器科へ
- Q便秘や下痢、腹痛を繰り返す原因は何ですか?
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A
便秘と下痢を繰り返す場合、どちらの症状が強いかで方向性が異なります。2、3日便が出ず、やっと硬い便が出たと思ったらその後下痢になるという場合は、便秘を解消するための治療を行うと便秘に続く下痢の改善も期待できることがあります。精神的ストレスや自律神経失調症などの原因で、腸が刺激に対して過敏な状態になり、便秘や下痢、腹痛などの便通異常を起こす過敏性腸症候群もあります。腸の炎症・潰瘍などが認められないにもかかわらず、便通の異常を感じる病気です。ちょっとした緊張や不安で便意をもよおし、激しい下痢を繰り返したり、腹痛や腹部の不快感とともに下痢と便秘を数日ごとに繰り返したりするのが特徴です。
- Q便秘や下痢の原因が病気のこともあるのですね。
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A
そうです。下痢を繰り返す場合、過敏性腸症候群の他、若い世代では潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患も考えられます。早期大腸がんは症状がないことが多いのですが、便秘と下痢を繰り返し血便や貧血、腹痛などを伴う場合もあります。また食後の腹痛は、急性胃炎、機能性ディスペプシア、膵炎などの病気が疑われます。機能性ディスペプシアは腹痛や胃もたれ、早期膨満感などの症状がありながら、明らかな原因が認められない病気で、ストレスや食べ過ぎ飲み過ぎ、不規則な食生活や喫煙が影響していると考えられています。また油っこいものやアルコールの摂取後に起こる腹痛は、慢性膵炎の可能性もあります。
- Q腹痛を繰り返す場合の検査や治療を教えてください。
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A
腹痛でも、消化器以外の病気が原因のことも少なくないので、まず腹部エコー検査などで幅広く診察を行います。腹部エコー検査では、おなかに直接プローブという装置を当てて画面上に臓器を映し出していきます。主に肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓・腹部大動脈・前立腺・子宮・卵巣・消化管などに異常がないかどうかを観察します。脂肪肝・肝硬変・肝がん・胆石・胆嚢がん・胆嚢ポリープ・胆嚢腺筋腫症・膵がんなどの発見にも役立ちます。また、食道、胃、腸など消化管に問題がある場合は内視鏡検査へと進みます。当院では、熟練した検査士が腹部エコー検査を行い、より精密な検査や治療が必要と診断された場合には連携病院にご紹介します。
- Qこちらでの内視鏡検査についても教えてください。
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A
消化器の病気を発見するのに内視鏡検査は重要な検査ですから、新型の画像強調機能を搭載した機器で、微細な変化も見逃さないような精度の高い検査を心がけます。できるだけ快適に検査を受けていただくことを重視し、痛みやつらさを感じないように、静脈麻酔を使ってうとうととした状態で検査を終えることにもこだわります。経鼻内視鏡も用意していますが、静脈麻酔を使って検査するほうがかえって楽だと思います。大腸の内視鏡検査では、挿入の際に空気の代わりに水を使用し、挿入時の苦痛の軽減を図る方法であるWEC(Water exchange colonoscopy)を導入しました。
- Q便秘や下痢を予防することはできるのでしょうか。
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A
検診などで異常がないのに、便秘や下痢を繰り返すという場合は、精神的なストレスや、暴飲暴食や飲酒、不規則な生活などによることが多いため、食生活の改善や生活習慣の改善を行った上で、ストレスの原因を見極め緩和していくことが必要となります。また、ピロリ菌が胃の中にすみ続けると慢性的な炎症が続き、胃の粘膜を防御する力が弱り、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどを発症しやすいといわれます。胃の内視鏡検査を受けた上で、ピロリ菌検査を受け、除菌することも大切でしょう。最近、急に便秘や下痢、腹痛を繰り返すようになったという場合は、速やかに消化器科を受診して内視鏡検査を受け、胃や大腸に病気がないかを確認してください。