なるべく歯を削らない虫歯治療法
ダイレクトボンディングとは
たなか歯科クリニック
(大阪市北区/中津駅)
最終更新日:2024/04/15


- 自由診療
虫歯(う蝕)や歯周病になった時、その状態によって詰め物やかぶせ物、ブリッジ、入れ歯、インプラントなど、さまざまな治療法の選択肢がある。その中で、近年になって注目を集めているのがダイレクトボンディングという手法だ。コンポジットレジンを使い、小さな詰め物から1本の歯を築造するような大きい修復までが可能で、その適応範囲はさらに広がりを見せているという。「それ以外にも短時間で、歯のダメージを抑えた治療がめざせることもダイレクトボンディングの魅力」と語るのは、大阪・中津にある「たなか歯科クリニック」の田中宏憲院長。できるだけ歯を削らない・抜かない治療をモットーとする田中院長に、まだあまり知られていないこの治療について詳しく教えてもらった。
(取材日2022年7月6日/再取材日2024年3月21日)
目次
虫歯治療でなるべく歯を削らず、治療期間の短縮も望める。注目される「ダイレクトボンディング」について
- Q「なるべく歯を削らない」という治療があると聞きました。
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A
▲ダイレクトボンディングの症例を説明する田中院長
いわゆるMI(ミニマルインターベンション)という概念です。つまり「歯をなるべく削らず、抜かず、できるだけ残す」という考え方がベースになった治療法のことで、当院でも推奨しています。歯科治療は「機能修復」と「審美回復」をすることをめざしています。一度でも削った歯は、決して元通りになることはありませんから、治療であってもできるだけ歯にダメージを与えないことが大切です。虫歯(う蝕)や歯周病などで、大きく削ったり、抜いたりすることがないように、定期的に診察やメンテナンスを受けることが大切です。
- Q虫歯や歯周病になった時には、どんな治療法がありますか?
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A
▲歯科用CTやレーザーなどの先進設備を導入
治療法は歯の状態によって、詰め物、かぶせ物、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどがあり、用いる素材も金属やセラミックなどさまざまです。近年注目されているのが「ダイレクトボンディング」という治療法。従来のコンポジットレジンは耐久性が低いイメージを持つ方が多いですが、近年の歯科医療の進歩により、色の再現度が高く、強度があるのが特徴で、より多くの症例に対応可能です。直接お口の中で盛ったり充填したりできるので、大きく削ることなく、天然歯へのダメージ軽減が期待できます。また、セラミックやジルコニアの治療に比べて費用も少なく、当日中など短期間で治療することもできます。
- Qダイレクトボンディングは幅広い症例に対応できるのでしょうか?
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A
▲インプラント治療が難しい患者にも対応可能
その特性を生かして、さまざまな症例に対応できます。例えば、見た目にも美しい仕上がりが望めることから、虫歯の修復だけでなく、外傷などにより歯が欠けてしまった方の治療に有用です。また強度があるので、ラミネートべニアやクラウン、ブリッジなどにも適応でき、インプラントに代わる選択肢としても関心を集めています。インプラントをしたいけれど、骨の量が足りない、高齢で持病があり手術できないという方にも、このダイレクトボンディングを用いて修復することもできます。ですが、適応症例などは歯科医師に相談が必要です。
- Q具体的な治療の流れを教えてください。
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A
▲院内の衛生管理や感染症対策も徹底されている
まずは初期診断で口の中の状態を確認します。虫歯部分は最小限に削って処置し、清掃などの下準備を行います。ブリッジなど大がかりな場合は型採りを行いますが、小さな修復の場合は必要ありません。あとは口の中で直接修復を行っていきます。使用するレジンは光重合型のコンポジットレジンで、少しずつ盛っては光を当てて硬化させ、それを繰り返しながら歯を築造していきます。最後に微調整や仕上げの研磨をすれば、元の歯や隣の歯との境目がほとんどわからない程度まで審美性を追求できます。ここまでの治療回数は最短1回で、治療は1〜2時間ほど。すぐにお食事もしていただけますよ。
- Q改めてダイレクトボンディングの魅力を教えてください。
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A
▲一人ひとりの患者のニーズに合わせた治療に努める
ダイレクトボンディングの魅力は、歯を削る量が少なく低侵襲なこと、幅広い症例に対応できること、もう一つは壊れた時のリペアがしやすいことが挙げられます。セラミックの詰め物やかぶせ物では、小さな欠けも全部やり直さねばなりません。ですが、ダイレクトボンディングなら壊れた箇所にレジンを盛り直したり再充填したりすることで、簡単かつ迅速にリカバリーできます。ほかにも、金属アレルギーの心配がないこと、接着力が非常に強いので二次虫歯の予防も期待できるといった魅力もあります。
自由診療費用の目安
自由診療とはダイレクトボンディング/3万3000円~、ダイレクトブリッジ/11万円
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。