田中 宏憲 院長の独自取材記事
たなか歯科クリニック
(大阪市北区/中津駅)
最終更新日:2024/04/02

大阪メトロ御堂筋線・中津駅4番出口から歩いてすぐのオフィスビル1階にある「たなか歯科クリニック」。心のこもった診療をコンセプトに掲げ、一般歯科、予防歯科から審美歯科やインプラント治療、マウスピース型装置を用いた矯正まで、幅広い診療メニューを全室個室で対応する。院長を務める田中宏憲先生は、大学での研究・教育などに長く携わってきた経験豊富な歯科医師。開業後は地域への貢献を強く意識し、2021年に現在の場所にたどり着いた。そんな田中院長が理想とする歯科医療や現在注力する治療、患者に対する心がけなど、大切にしているポイントをじっくり聞いた。
(取材日2022年7月6日)
地域の人々から愛されるクリニックをめざして
こちらで開業する前は、違う場所で歯科医院を運営されていたそうですね。

私は愛知学院大学歯学部の出身で、卒業後は同大学の大学院で研究や臨床を行いながら国内外で講師などを務めていました。2010年に東大阪市で自身のクリニックを設立し、それこそ0歳から100歳まで、幅広い患者さんの治療に10年以上にわたって尽力してきました。その間に私自身の診療技術もどんどん進化しましたし、そろそろ歯科医師としての集大成に入る時期と考え、大阪の中心街である梅田に近い場所で新たに開業することになったわけです。ここはオフィス街ですが、高層マンションなどの居住エリアもありますから、小さなお子さんからご年配の方まで、皆さんに愛されるクリニックをめざしながら地域に貢献できればと考えています。
院内の特徴やこだわりを教えてください。
新型コロナウイルスが流行するさなかに開業したこともあり、感染症対策や院内の衛生環境には徹底的にこだわっています。患者さんが安心して通えるような環境を整えることは、医療施設の大切な責務です。従来より高レベルなクラスB滅菌器や口腔外バキュームも導入しています。また、当院は基本的に完全予約制。待合室もカフェのように壁向きに座っていただくことで患者さん同士の接触を減らし、診療チェアもパーティションで区切って全室を個室化しています。怖いのは新型コロナウイルスだけではなく、B型・C型肝炎やHIVなど、さまざまな感染症から患者さんやスタッフを守らねばなりません。これからも常に衛生環境を見直し、どのような事態にも慌てず対応できるような体制を維持していきたいですね。
クリニックで大切にしているコンセプトは何でしょうか?

当院は「HEARTY DENTAL CLINIC」というフレーズを基本方針に掲げています。流れ作業のような治療ではなく、時間をたっぷり取ってお話を聞かせていただき、その患者さんにとって最良の治療をご提案できるよう努めています。とはいえ、高価な治療、高度な治療が最良の治療というわけではありません。最良の治療とは、その方の状況や価値観にマッチした治療のこと。例えばたった1本の歯の色が気になって笑えない人もいれば、まったく気にならないという人もいて、人それぞれに望むゴールのかたちは違うんですね。そこへたどり着けるよう、歯科医師として持てる技術を全力で注ぎ、患者さんの心に寄り添う「心ある医療」を今後も提供していきたいと思います。
先進の機器を用いた、精密で低侵襲な治療を提供
治療に際して心がけていることは何ですか?

歯を可能な限り失わないように治療していくこと。そのためには歯を削りすぎたり、神経や歯を簡単に抜いたりしないことが何より重要です。要は患者さんのニーズをよく理解した上で、できるだけ侵襲の少ない治療を提供することですね。例えばマイクロスコープと歯科用レーザーを併用すれば歯の神経や歯周病、虫歯などの患部をピンポイントで治療することが可能で、周辺組織への影響は最小で済みます。また、ダイレクトボンディングという手法を用いれば、従来の補綴のように歯を大きく削ったり、インプラントのように顎の骨に穴を開けたりする必要はありません。患者さんの中には最初から治療法を決めて来られる方がおられますが、もっとリスクの少ない良い治療法がある場合はそれをお伝えし、あらためて選んでいただくようにしています。
マウスピース型装置を用いた矯正も積極的に行っているそうですね。
歯を失わないためには、清掃しやすい歯並びや一点に負担が集中しない噛み合わせが重要です。また、審美的な面から口元の美しさを求められる方も大勢おられます。そこでお勧めしているのがマウスピース型装置を用いた矯正で、従来のワイヤー矯正と比較して装置が目立ちにくく、自分で取り外しができるので毎日の食事や歯磨きも通常どおりに行えます。現在は優れたデジタル技術のおかげで矯正終了までのロードマップが実に明確で、進行の具合も実感しやすくなっています。どの年代の方にもお勧めできる、期待できるメリットの大きい矯正法ではないかと思います。
万一、歯を失った場合はどのような治療法がありますか?

機能・審美性の両面から採択されることが多いのはインプラント治療で、当院でも多くの症例があります。ただしインプラントには適応条件があり、顎の骨の状態や持病などの関係から治療が受けられない方、手術の不安や費用面から敬遠される方もおられます。そういう場合に選択肢の一つとして挙げられるのが入れ歯治療ですね。私は昔からさまざまな入れ歯治療を試してきましたが、現在たどり着いたのがノンクラスプデンチャーという金具を使わないタイプです。中でも弾力のある樹脂を使用したものは薄型でフィット感が良く、耐久性があって見た目も自然です。噛み心地の良さにも期待が持てますし、自費診療となりますがコストにも配慮していますので、入れ歯に悩んでおられる方はぜひ一度ご相談ください。
口腔の健康を保ち、おいしく食べられる人生を
こちらでは歯周組織再生療法にも注力されているそうですね。

歯を失う原因の大半は歯周病によるもので、放置していると歯を支えている骨が溶け、歯がグラグラになってやがては抜けてしまいます。また、最近では心筋梗塞や脳梗塞悪化の原因となることや、歯周病と糖尿病の深い関係性についてもわかってきました。そこで注目されているのが、破壊されてしまった組織の再生を促す歯周組織再生療法です。近年になって保険適用対象の薬が登場し、より一般的となりました。入れ歯やインプラントなど、歯を補うための方法はいろいろありますが、いずれもしっかりとした土台があってこそ。まずは歯周病をしっかりと克服し、口腔内の健康を末永く保っていただければと思います。
注力されているダイレクトボンディングについても教えてください。
ダイレクトボンディングはレジンと呼ばれる樹脂材料を歯に強力に接着して欠損部分を補う修復治療です。通常のコンポジットレジンは保険診療の詰め物にも使われますが、ダイレクトボンディングではセラミック粒子を組み合わせたハイブリッドレジンを用い、その特性を生かすことで治療の際に歯の形や色、正中離開への配慮はもちろん、1本の歯を丸ごと形成していくダイレクトクラウン、また欠損に応用していくダイレクトブリッジと呼ばれる治療も可能です。ブリッジや部分入れ歯、インプラントに代わる選択肢として注目されています。また、口の中に直接盛ったり充填したりする技術のため、天然歯にほとんどダメージを与えません。例えば、ブリッジのように健康な歯を削ったり、インプラントのように顎の骨に穴を開けたりすることもありません。メタルフリーの治療なので、金属アレルギーのある方も安心できる治療法です。
最後に、地域の皆さんや読者に向けたメッセージをお願いします。

「ごはんをおいしく食べたい」というのは、人間の根源にある強い欲求ではないかと思います。健康であればこそ、おいしい食事も楽しめます。おいしく食べ、楽しく話をし、笑顔でいられる時間が多ければ多いほど、人の人生は豊かになっていくのではないでしょうか。すべては健康あってのこと。その入り口となる口の中の健康を一番助けられるのは歯科医師だと思っています。生涯にわたって自分の歯で食べられる、その幸せの手助けができることは私にとっても幸せなことです。これからも患者さんの気持ちを第一に考え、温かく心のこもった診療を提供していきたいと考えていますので、困ったことがあればいつでも遠慮なくご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/67万円~、歯周組織再生療法/10万円~、インプラント治療/38万5000円~、セラミッククラウン/12万円~、ジルコニアクラウン/11万円~、ノンクラスプデンチャー/11万円~、ダイレクトボンディングによる補綴治療/5万5000円~、ダイレクトブリッジ/11万円~、ダイレクトクラウン/11万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。