叶澤 孝一 院長の独自取材記事
叶澤メディカルクリニック
(ふじみ野市/上福岡駅)
最終更新日:2024/09/10
ふじみ野市福岡の「叶澤(かのうざわ)メディカルクリニック」は、大型ショッピングセンター内の医療モールにある。院内は木を基調にしたナチュラルな雰囲気で待合スペースも明るい雰囲気だ。叶澤孝一院長は、地元・ふじみ野市の出身。埼玉医科大学総合医療センター内科の准教授として、ふじみ野市の保健指導や市民講座、講演活動も精力的に行ってきた。「高血圧症をはじめとする生活習慣病は、予防医学的な要素が強いんです」と、治療だけでなく生活指導や情報提供にも力を入れる。そのほか、2024年の4月からは心臓内科外来、6月からは寺田知音医師を招いて皮膚科外来を開始し、診療の幅を広げた同院。「高血圧や糖尿病と、循環器疾患、また皮膚科疾患には、関連性があるんです」と話す叶澤院長に、同院の特徴や新たな体制について話を聞いた。
(取材日2024年7月10日)
病気が進行する前から生活習慣病の予防を
この地に開業したのはなぜですか?
子どもの頃からふじみ野市で育ち、大学も埼玉医科大学でしたので、地元愛があります。大学には32年間、勤務していました。大学での研究や後進の指導、講演などを介した啓発活動にもやりがいを感じていましたが、新しいことに挑戦するには時期を逃してはいけないと考え、2020年11月に開業しました。前職の埼玉医科大学総合医療センターは、私が大学を卒業してからずっとお世話になっていた場所。多くの先生方と顔見知りで風通しの良い関係ですので、必要な時にはご紹介もしやすいと思います。また、駅の反対側には父が開業した診療所があり、当院の副院長でもある私の弟が主に診療しています。私が高血圧や腎臓、内分泌・代謝の領域を、弟は消化器が専門ですので、この2院で連携を取ることで、ほぼ全身を診ることが可能です。
こちらのクリニックではどのような診療をめざしていますか?
私の専門分野である高血圧・糖尿病・腎臓病などは予防医学的な要素が強く、以前から市の保健指導のお手伝いもしていました。全国での講演や、市民講座などでお話をさせていただくと「わかりやすく、本当にためになりました」との反響が多かったので、それを当院でも実践していきたいと考えています。治療の第一歩は、まず患者さんご自身が病気についてしっかり正しい理解をすること。とはいえ、日々の診療では時間的な制限もありますから、自分一人では一人ひとりの患者さんにすべてを説明させていただくのは困難です。検査や生活指導などについてはスタッフにも手伝ってもらいながら、患者さんに健康意識を高めていただけるようにしたいと考えています。
患者層についても教えてください。
当院の患者さんの層はとても幅広いです。大型ショッピングモール内という立地もあり、30~40代と比較的若い方も多くいらっしゃいます。生活習慣病の治療には予防医学的な側面が強くあります。例えば、「血圧や血糖が高め」とか、「最近、体重が増えた」とか、健診などで「血尿、タンパク尿」や「腎機能が低め」と指摘された方々に、将来、重症化しないよう健康への意識を高めてもらい、気軽に相談してもらえたらと考えています。私には「健康や病気についての学ぶ場を提供したい」という想いがあります。これは、当院が入っているショッピングモールの“Well-being Community”というコンセプトと合致しており、新しい感覚で通ってもらえるクリニックをめざしています。
充実の体制で、より幅広く専門的な診療をめざす
2024年の4月から、心臓内科の診療を開始したと伺いました。
毎週水曜の午前中に、イムス富士見総合病院に所属する日本循環器学会循環器専門医の先生が当院にいらして、循環器疾患の診療を担当しています。私が専門とする高血圧・糖尿病・腎臓病といった病気は、心疾患の前段階であることが多いんです。血糖値や血圧が高いと心不全のリスクが高まりますし、発症すると命に関わりかねません。生活指導でコントロールできない段階まで行くと、専門的な検査や治療が必要になるケースが多いんですね。イムス富士見総合病院の先生が診療に加わったことで、重篤な病気を引き起こす症状を早期に見つけ、病院での適切な検査・治療につなげられる体制が整いました。健康診断の心電図検査で引っかかった方や、心臓の病気でお悩みのある方も、ぜひ一度ご相談ください。
さらに、6月からは皮膚科診療にも対応されているのですね。
はい。毎週月曜の午前中に、日本皮膚科学会皮膚科専門医の寺田知音先生が診療を担当しています。例えば喘息で使用されていた一部の薬がじんましんの治療にも使われているなど、実は内科と皮膚科の症状には密接な関係があるんですよ。当院で専門的に診ている糖尿病に当てはめても、足の炎症や壊疽(えそ)、白癬など、皮膚に現れる症状は多いです。これらも皮膚科の医師が診ることで、適切な投薬や治療を行えます。そのほか、アトピー性皮膚炎や帯状疱疹といった皮膚科症状全般に対応しています。
循環器や皮膚の症状を、それぞれを専門とする先生が診るメリットを教えてください。
患者さんの症状に合わせて、より専門的で適切な診療ができるという点が一番のメリットです。もちろん私のような内科の医師は、循環器や皮膚に関する知識も持ち合わせています。ですが「より専門的に」と考えると、それぞれを専門とする先生に診ていただくのが望ましいでしょう。当院の入っている医療モール自体が各院の専門性を持ち寄った場所ですし、いわば小さな総合病院です。当院はその中で内科を担う立場として、より専門性の高い診療を行える体制が必要だと考えました。また皮膚科診療を始めるにあたり、院内の一部をリニューアル。発熱のある方は、通常の入り口とは別の場所から個室にお入りいただけるようになりました。
スタッフとチーム一丸となって患者をサポート
検査環境も整っているとお聞きしました。
血液検査はおおむね20分以内に結果が出る機器を導入しています。高血圧症などの循環器疾患で薬を内服している人や、糖尿病や腎臓病ではその場で病気の状態や治療の経過、薬の副作用などを判断できることは重要な要素です。当クリニックでは、可能な限り結果をその場でお伝えして診断や治療に迅速に反映するため、多くの検査機器を導入しています。これにより、循環器疾患、炎症性疾患、糖尿病、腎臓病、肝臓病、脂質異常症、高尿酸血症、呼吸器疾患など幅広くその場で診断することができます。高血圧症や腎臓病の患者さんは、血中のカリウムやナトリウムなど電解質のバランスが崩れ、命に関わることもありますから、迅速に対応しなくてはいけません。正確かつ迅速な診断と治療に努めています。
診療において大切にしていることを教えてください。
患者さんとのコミュニケーションです。大学病院で病棟を担当していた頃は、入院患者さんとより長い時間接することができました。患者さんとの関係性が築かれる中で、「患者さんに喜んでもらいたい」「患者さんに満足していただきたい」という気持ちが強くなりました。一方、外来での診療は多くの患者さんを診なければいけないので、患者さんと会話できる時間は決して多くは取れません。ですが、患者さんに喜んでもらえ、満足していただきたいという気持ちに変わりはないので、限られた時間の中で患者さんとのコミュニケーションを大事にしたいと考えています。私一人でできることは限られていますので、スタッフとチーム一丸となって患者さんをサポートしていきたいですね。
今後の展望をお願いいたします。
病気の治療だけでなく、病気や健康について本質的なことが学べて、皆が笑顔になれるクリニックをめざしていけたらと考えています。生活習慣病に限らず、多くの病気は早い段階から予防の意識が大切です。当院では、がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、認知症などについて予防的観点からの診療も行っています。まずは健康や病気のことで気にかかることや、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。健康で長生きできる時代ですからご自身の健康や病気に関心を持ち、予防できることは心がけていきましょう。私どもは、そのお手伝いをさせていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはプラセンタ(1アンプル)/1320円