悩み過ぎず、前向きな気持ちで取り組みたい
アトピー性皮膚炎治療
きくち皮ふ科クリニック
(吹田市/千里丘駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
激しいかゆみや発疹に悩まされる「アトピー性皮膚炎」。症状が治ったと安心していても、またぶり返すのが特徴で、長く続く不快な症状に心身ともに疲れている人も少なくない。そんな患者の気持ちに寄り添った丁寧な診療をしているのが、自らもアトピー性皮膚炎に悩まされてきたという「きくち皮ふ科クリニック」の菊池麻衣子院長だ。「アトピー性皮膚炎だからと深刻になり過ぎず、前向きに、ちょっぴり気楽に治療も楽しんでほしい」と語る菊池院長に、アトピー性皮膚炎のことや治療について詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2020年11月17日)
目次
大切なのは症状に合わせた適切な治療とスキンケア。悩み過ぎず、前向きな気持ちで取り組みたい
- Qアトピー性皮膚炎はどのような症状が出るのでしょうか?
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A
アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥とかゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら慢性的に続く皮膚疾患です。左右対称に発症する傾向があり、年齢によって発症する場所は少しずつ異なりますが、 顔や首をはじめ、四肢の関節の内側、胴に症状が見られることが多いです。肌の乾燥や部分的な湿疹から始まり、進行すると範囲が広がってきて、肌全体がザラザラした手触りになります。かいてしまうとジュクジュクしたり、皮膚がゴワゴワと硬くなったりすることに加え、そこから細菌が侵入すると感染症を引き起こしてしまうことも。継続治療が必要になるため、精神的に大きな負担がかかる皮膚疾患だといえます。
- Q症状が出た時は、どのような対処をすればいいのでしょうか?
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A
一番大切なのは、自己診断して放置しないことです。最初に症状が現れるのは乳幼児期が多く、パッと見て乳児湿疹と見分けるのは簡単ではありません。薬を塗ってすぐに治るのであれば問題ありませんが、長引いたり繰り返したり、かゆみが強い場合には注意が必要です。市販薬もいろいろありますが、できれば一度医療機関を受診し、医師の診断のもと適切な治療につなげていただきたいですね。また、継続的な通院をやめてしまったことで塗り薬がなくなると、症状は徐々に悪化します。保湿剤を毎日塗ることに加えて、症状が落ち着いていても状態に合わせた塗り薬が必要ですので、定期的に受診していただくことが大切です。
- Qアトピー性皮膚炎の原因は何なんでしょうか?
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A
アトピー性皮膚炎の原因は一つではありません。皮膚が持つバリア機能の低下や体質、皮膚への刺激、遺伝・環境的要素など、さまざまな原因が複雑に関連して発症します。睡眠不足やストレスも悪化の要因の一つといわれています。アトピー性皮膚炎はケガなどと違い、一定の時間が過ぎればスッキリと治るものではありません。そのため、原因を探したくなる気持ちが膨らむのもよくわかります。原因を特定するのは難しいとはいえ、ご自身のアトピー性皮膚炎が悪化する要因は日常生活の中でわかってくる場合も多いので、原因となる要素を回避して過ごす工夫も必要です。
- Qアトピー性皮膚炎とうまく付き合っていく方法はありますか?
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A
私が、アトピー性皮膚炎に悩まされてきた経験者として思うのは「アトピー性皮膚炎だから」と悩み過ぎないようにしてほしいということです。特に、症状がひどく出ている時には、思い悩んでしまいがちですが、深刻になり過ぎるのはNG。スキンケアや、アレルゲン除去のための家の掃除も深刻になり過ぎる必要はありません。特にお子さんがアトピー性皮膚炎の場合、お母さんが自分の症状に悩んで暗い顔をしていたり、ケアや掃除に神経質になるあまり怖い顔をしているのは、お子さんにとってつらいものです。それよりも「子どもに薬を塗ってあげられるのも今だけだな」と、治療もスキンシップの一部として楽しんでもらえたらいいなと思います。
- Qこちらのクリニックでの治療の特徴を教えてください。
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A
アトピー性皮膚炎の症状がさまざまあるように、患者さんによって悩みはそれぞれです。ですから、まずは患者さんそれぞれの症状や体質をよく知り、適切な治療とスキンケアで症状をコントロールしていくことをめざしていきます。そのためにも、患者さんの話をよく聞き、その上で治療について詳しく説明し、理解していただけるように努めています。基本的な治療法は薬物療法になりますが、必要に応じて中波紫外線療法を取り入れたり、スキンケアの指導にも力を入れています。薬に関する不安や使い方のこと、スキンケアに関する疑問があれば、なんでも気軽に聞いてください。