徹底した感染対策で
安心・安全の診療環境を整えたい
広田歯科クリニック
(茨木市/茨木市駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、医療機関での感染対策が改めて注目されている。特に多くの器具を使用し、口腔内に直接触れる歯科医療に対しては、感染リスクを感じる患者も多いだろう。そういった不安感に対して「広田歯科クリニック」の廣田陽平院長は、「今のような時期に開業したのですから、導入する感染対策機器にこだわり、徹底的な感染予防に取り組んでいます」と力を込める。またハード面に加え、治療用グローブは必ず患者の目の前で新しいものを装着するなど、一つ一つの行動にこまやかな配慮を心がけているとのこと。「患者さんが気持ちよく、安心できる環境」を追求する同クリニックの院内感染対策について、詳しく話を聞いた。
(取材日2020年12月28日)
目次
「誰にでも気軽に立ち寄ってもらう」ために、徹底した感染対策・衛生管理に取り組む
- Q歯科クリニックでの衛生管理の重要性について、教えてください。
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A
お口の中は、全身で最も細菌が多く存在する部分だといわれています。歯科診療では口の中に直接触れて処置やケアを行うわけですから、治療に使う大小さまざまな器具や治療機器、また歯科医師や歯科衛生士自身も、徹底した衛生管理が欠かせません。歯を削ったり磨いたりするとその削りかすや細かな水しぶきが飛び散りやすいので、空間に対する感染対策も重要です。また、老若男女さまざまな患者さんが来院され、診察室はもちろんですが待合室やトイレなども共有するので、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く状況では、院内全体で丁寧な感染対策が求められています。
- Q感染対策や衛生管理で、先生が特に大事にされていることは?
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A
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、多くのクリニックで感染対策や衛生管理に力を入れるようになりました。ただ、衛生管理のレベルは、各クリニックにより、かなりのばらつきがあるのが事実です。今でも器具の滅菌過程などが患者さんの目にふれることはありません。だからこそ力を入れて取り組んでいくことに意味があると思います。新規開業というタイミングを生かし、厳しい面もあるのですがコストは度外視して、患者さんやスタッフが安心して治療に臨める環境づくりに重点を置いています。
- Q治療器具はどのようにして滅菌・消毒しているのですか。
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A
治療で使った器具は、専用の器具除染用洗浄器で洗います。歯科では先端が尖ったり洗いにくい形状の器具が多く、人の手で完全に洗うのは限界がありますし、もしスタッフが洗浄中に器具でけがをすれば、新たな感染にもつながりますからね。全自動で洗浄と熱水消毒を終えたら、治療で使う基本的なセットを患者さん1人分ずつパッキングして、高圧蒸気滅菌器で滅菌します。ヨーロッパの規格でクラスBとされている滅菌器を導入していて、この機器ではパッキングしたまま滅菌ができます。治療を始める際に患者さんの目の前でパッキングを開け、清潔であることを感じてもらえるようにしています。もちろん、治療中に器具を置くトレーも使い捨てです。
- Q診療ユニットなどの共用部分はどのように対策していますか。
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A
治療中は必要に応じて口腔外バキュームを使い、歯を削る際に飛び散る水や削りかすを吸い取って拡散を防ぎます。もちろん院内には空気清浄機を複数配置していますし、24時間換気システムも導入しています。それから診療ユニットやその周辺は患者さんごとにアルコール消毒するほか、次の患者さんはできるだけ離れた位置のユニットにご案内して、同じユニットを連続して使わないようにしています。また、今の時期はなるべく隣同士のユニットで治療をしないように気をつけています。診察室内はできるだけ物を減らしてスッキリとさせていることも、衛生管理の1つです。タオルもかけっぱなしにせず、使い捨てのペーパータオルです。
- Q衛生管理を重視する歯科クリニックを見極める方法はありますか。
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A
数年前に始まった「歯科外来診療環境体制加算」という施設基準があり、必要な装置の1つに、治療中に飛散する粉塵を吸引する口腔外バキュームが挙げられているので、この口腔外バキュームを導入しているかが、1つの目安になるかもしれません。もちろん当クリニックも導入しています。そうでなくても、口をすすぐ紙コップの下に水しぶきはついてないか、入り口のスリッパはいつもそろっているか。そういったところにまで日頃から気を配っているクリニックは、衛生管理への意識が高いと思います。かかりつけの歯科クリニックがある方も、時には他のクリニックを受診してみると、衛生管理の違いに気づくかもしれませんね。