検診・治療前の素朴な疑問を聞きました！

Q予防歯科の重要性についてお考えをお聞かせください。

A

予防の目標は、機能する歯を1本でも多く残し、生涯自分の歯で食事ができるようにすることです。物をきちんと噛むことができれば、全身の健康へも良い影響を与えるという相乗効果も期待できます。虫歯も歯周病も口内の常在菌による感染症であり、誰もがかかる病気です。そのため当院の予防のコンセプトは、一つは、症状が悪化しないよう口内の菌をコントロールしていこうということ。もう一つはそもそも歯周病にならないような健康な口内をつくろうということです。本来、虫歯も歯周病も体の内側から予防できればと思っています。歯科医院で予防を受けることは、口内の健康状態をプロの目で定期的に確認し、セルフケアに生かす機会だといえます。

Q子どもも予防歯科に通ったほうがいいですか？

A

当院は生後6ヵ月のお子さんからフッ素塗布を行っています。お子さんのことを考えるなら、まずは親御さんに予防に取り組んでいただきたいですね。家庭で飲食をともにしている大人の虫歯菌がお子さんにうつることは科学的にもはっきりしています。大人が口内の環境を良好な状態にしておけば、菌がうつるリスクも下がりますので、親御さん自身の健康のためにも、ご家族みんなで予防に取り組んでいただきたいです。当院には予防専用の個室が3室あり、うち1室は親子で入れる広さです。海の中をイメージした明るく広いキッズスペースもあり、お子さん専用の小さな扉から診察室へ入ることもできます。親子で楽しく通っていただければうれしいですね。

Qこちらで行っている予防歯科はどんな特徴がありますか？

A

歯のクリーニングはもちろん大切にしていますが、毎回歯周病検査を行って口内の現状を確認し、良い状態を保つよう努め、セルフケアのモチベーション向上につなぐ、というメンテナンスの意義を大事にしています。歯科医院でのメンテナンスとご自身でのセルフケア、予防にはこの両輪が欠かせません。予防プログラムは患者さんそれぞれの体質や生活習慣、口内の常在菌の状態に合わせて組み立てます。患者さん自身が予防の知識を身につけ、虫歯や歯周病になりにくい生活習慣を確立することを重視していますので、食生活や歯磨きの仕方のアドバイスもしています。岡山大学大学院の学んだ、予防を重視した歯磨き方法をお伝えすることもありますね。

検診・治療START！ステップで紹介します

1初診

口内の悩みや気になること、生活習慣などについて問診表に記入する。その後、歯周病検査、口腔内写真の撮影、エックス線検査、歯石取りなどに進む。問診表の内容とこれらの資料を総合的に歯科医師が分析し、次回のカウンセリングにつなげる。この時点で痛みがある場合は、応急処置を受けることができる。

2カウンセリング

初診の1週間後以降に検査結果の説明を受ける。虫歯と歯周病のかかりやすさなども示され、それらに対しどう予防していくのが適しているかを聞く。なぜ予防やメンテナンスが重要なのかも教えてくれるので、自分の健康に関わることとしてきちんと知ろう。カウンセリングの時間は30～40分程度。

3歯周病の治療

歯周病がある場合は治療を受ける。専門的な技術と知識を学んだ歯科衛生士により、ホームケアでは難しい歯周ポケットの中や、手の届かない奥歯の隙間まで専用の器具を用いて丁寧にクリーニング。虫歯がある場合、歯周病を治療していることが虫歯治療にとっても重要なため、虫歯の治療をする場合も歯周病治療と同時進行になる。

4歯磨き指導

患者自身の普段の磨き方を踏まえ、それぞれに適したアドバイスを受ける。歯周病になりにくい丈夫な歯茎に導くため、必要に応じて同院独自の歯磨き法を提案することも。歯と歯茎の間に歯ブラシの毛先を差し込む磨き方で、歯茎への刺激も兼ねているという。歯茎を傷つけないためには正しい歯磨き方法を学ぶことが大切。歯茎の改善には、定期的な通院の継続が重要だ。

5予防プログラムに基づきメンテナンスを続ける

患者に合わせて通院間隔が設定される。口内環境が安定していれば、メンテナンスは3～4ヵ月に1度。状態により1ヵ月に1度必要なケースもある。毎回、歯周病検査、クリーニング、歯磨き指導、ポリッシングに加え、歯科衛生士による歯磨きが10分間あることも特徴。専門家に磨いてもらうことで、適切な磨き方を身をもって感じ取ることができ、セルフケアに生かすことが望める。