まぶたが開きにくくなる眼瞼下垂
日帰り手術で自然な仕上がりに
うえむら眼科クリニック
(西宮市/甲子園口駅)
最終更新日:2025/02/10


- 保険診療
年齢を重ねると「目が開きにくい」「目の周りが疲れやすい」といった悩みが出てくる。見え方のトラブルでは白内障や緑内障などの病気を考えがちだが、まぶたが下がって視野を狭める「眼瞼下垂」が関係していることも多いという。さらに、額の筋肉や顔の向きでまぶたの開けづらさを無意識に補っていると、額のしわや頭痛、肩凝りなどを引き起こすことも。この眼瞼下垂は自然回復が見込めず、手術でまぶたの機能回復をめざすことになる。「うえむら眼科クリニック」でも日帰り手術に注力し、まぶたの手術を専門に研鑽してきた藤田恭史先生が執刀を担当している。見た目を左右する部分だけに手術を迷う人もいるが「目の機能を取り戻して、ストレスの少ない生活を楽しんでほしい」と話す藤田先生に、眼瞼下垂の原因や日帰り手術について詳しく聞いた。
(取材日2024年11月21日)
目次
保険診療で受けられる眼瞼下垂手術 。まぶたのスペシャリストが、目の機能全般に配慮した精緻な手術を追求
- Q眼瞼下垂はどうして起こるのですか?
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A
▲眼瞼下垂の原因は加齢の他、ハードコンタクトレンズの長期使用も
まぶたの皮膚がたるむ、もしくはまぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)が弱くなって視野を遮るのが眼瞼下垂です。生まれつきや、重症筋無力症や脳梗塞のような病気から起きることもありますが、ほとんどは加齢に伴う眼瞼下垂です。まぶたは、1日に1~2万回ほどまばたきをしていて、体の中でも動く回数が非常に多い部分です。ですが年齢を重ねると筋力がどうしても弱ってきますし、皮膚もたるみがちです。このため、個人差はありますが50〜60歳を過ぎれば大半の方で眼瞼下垂が見られますし、ハードコンタクトレンズを長く使用してきた方では、30~40代から見られることもあります。
- Q症状があっても病気だと気づかず、放置されることも多いとか。
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A
▲まぶたの手術の研鑽を積んできた藤田恭史先生が執刀を担当する
眼瞼下垂があると光の通り道である瞳孔にまぶたがかかるので、視界が狭くなります。また見えにくさを無意識にカバーしようとして、額の筋肉でまぶたを上げるために頭痛がしたり、おでこに横じわができたり眉が上がる人、顎を上げて前を見るせいで肩凝りに悩む人も多いですね。ただ、一般の方が額のしわや頭痛・肩凝りから眼瞼下垂を疑うことは難しいですし、視野が徐々に狭まっていくと眼瞼下垂に気づかずそのまま放置していることも。原因不明のまま肩凝りや疲労感が蓄積すると、生活全般の質が大きく低下してしまいます。当院でも、白内障や緑内障で受診された際にご本人が気づいていない眼瞼下垂が見つかり、治療をご提案することは多いです。
- Qこちらでは日帰りで眼瞼下垂の手術を行っています。
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A
▲眼瞼下垂の日帰り手術は保険診療で行うことができる
眼瞼下垂の手術は、まぶたの皮膚がたるんでいれば、まぶたの縁からまたは眉毛の下から皮膚を切除します。眼瞼挙筋が弱っていれば、まぶたの縁を切開して筋肉をつなぎ直し、まぶたが開閉しやすくなるよう図ります。実際の手術では皮膚の切除と筋肉の修復を同時に行うことが多いです。私はまぶた、涙、眼窩など目の周りを扱う眼形成手術を専門に研鑽を積んできたので、病状やご希望に応じた手術ができるよう工夫しています。まぶたには眼球を覆うワイパーのような役割もあるため、眼球や涙への影響も慎重に確認します。顕微鏡を用いた細かい操作が可能な手術で、目全体の機能に配慮しながら、左右のバランスを整え自然な仕上がりをめざしています。
- Q手術は、実際にどのような流れで進むのでしょうか。
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A
▲目の機能全般に配慮し、安全性を重視して手術が行われる
当日は手術の30分前にご来院いただきます。手術は局所麻酔で行い、術中に患者さんご自身に仕上がりを確認していただいています。まぶたの形や上がり具合、左右対称性などに配慮しつつ、なるべく出血を減らしながら短時間の手術に努め、両目で30分程度で終わります。その後、まぶたをガーゼで保護して帰宅。術後しばらくはまぶたが腫れますが、2週間ほどで落ち着く方が多いです。当日は患部を冷やすなどして安静に過ごしてもらいますが、翌日からは洗顔や洗髪、入浴はできますし、眼帯なども必要なく、ほぼ普通に生活してもらえます。
- Q眼瞼下垂手術は美容目的と思われそうで周囲の目が気になります。
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A
▲手術後は視界が広がることが期待できると語る藤田先生
眼瞼下垂では見えにくさに加え、目元や頭部の疲れ、肩凝りなどの症状が出ると、生活の快適さも損なわれがちです。これらの症状が改善できればストレス軽減にもつながると思います。ただ、加齢による眼瞼下垂はリハビリテーションや薬では改善が見込めず、手術が根本的な治療になります。ですから保険診療によって、日常生活での不快な症状を改善するための手術を検討することになるわけです。なお、眼瞼下垂を伴わない、美容のみを目的とした手術は、当院では行っておりません。