志田祐次郎院長の独自取材記事

かなまち志田歯科

(葛飾区／京成金町駅)

最終更新日：2025/06/13

「虫歯が再発した」「治療後、すぐ別の虫歯ができる」といった悩みを抱える人は多い。その原因は、今ある痛みや違和感だけにフォーカスし、根本的な問題解決を先送りする治療にある。症状が出る理由を放置すれば、延々と歯科治療を繰り返すことになりかねない。そこで、「かなまち志田歯科」の志田祐次郎院長は、虫歯になりにくい状態をつくること、再治療を防ぐことを前提として治療計画を組み立てる。歯並びや、再発の原因にもなる金属素材の詰め物やかぶせ物へ対応し、適切にプラークコントロールをすることで、再治療を限りなく低くすることをめざす。「治療後はメンテナンスだけで、私の手を必要としなくなることが最善ですからね」と笑う志田院長に、同院の治療の特徴などを詳しく聞いた。

（取材日2025年3月21日）

救急の経験を生かし、あらゆる症例に対応
先進的な学びと設備投資で、質の高い治療を追求
治療の方法を理解し、納得して選択してほしい

救急の経験を生かし、あらゆる症例に対応

開業から5年がたちますが、現在はどんな患者さんが多いですか。

開業時から変わらず、幅広い年代の方がいらしてくれています。子育て世代が流入する一方、長年この地域に住んでいるお年寄りも多い、金町の特徴をそのまま反映した患者層なのではないでしょうか。主訴はさまざまですが、働き世代の方の親知らずの抜歯は開業時から変わらず目立ちますね。夜8時まで診療しているので、会社帰りに立ち寄りやすいのかもしれません。夕方6時台からは慌ただしくなることが多いですが、「ちょっと変だな」と思ったら気軽に立ち寄っていただけるよう、ユニットをスピーディーに行き来して治療するよう努めています。また、金属アレルギーのリスクが低く、二次的な虫歯を引き起こしにくいセラミック治療は最短1日で完了することもできるシステムを導入していて、忙しい方にも好評です。歯を大切にする意識を育むきっかけになればと導入したホワイトニングも希望される方が増えてきました。

メタルフリーの治療にも力を入れているのですね。

そうですね。金属はアレルギーのリスクがあることと、歯と詰め物との接合面にできる隙間から経年劣化する可能性があること、それによって虫歯が再発する場合があることに注意が必要です。セラミックによるメタルフリーはそうした問題を解決するのに有用な方法ですが、通院回数が増えるため、やりたくてもやれない方が少なくありません。また、型採りをしてから補綴物ができあがってくるまでの間は仮歯で過ごさなければならず、感染リスクが高いのも難点でした。そこで当院では、先ほども少し触れたように、1日で完結が望めるセラミック治療「ワンデートリートメント」を導入しています。セラミックは審美的な面だけでなく、口腔状態を良好に保つためにも有用な治療ですから、時間や治療プロセスがネックで迷っている方にはぜひご検討いただきたいですね。

一般的な治療から口腔外科までお任せできると聞きましたが、それは心強いですね。

開業前は、総合病院の救急や外来で、抜歯や出血裂傷などの外科処置をはじめ、顎の骨折、口腔がんの診断・手術治療、止血、抗凝固薬を服用している有病者の治療などを幅広く担当していました。当時の経験は、どんな患者さんがいらしても慌てず騒がず、最も適切な処置を選択できる今の強みにつながっていると思います。歯だけでなく、口の中全般、もっと言えば眼窩下孔、大鎖骨上窩の症状まで、駆け込み寺だと思って気軽に頼ってください。そして、親知らずの抜歯を希望する方が多いのも、実はそれが口腔外科の領域で、当院でも対応を行っているからなんですよ。痛みがある親知らずだけでなく、埋没していて痛みがない親知らずでも、将来的に健康な歯に影響を及ぼす可能性があるようなら早めに抜歯しておくと良いでしょう。痛みや腫れに配慮しながら処置していますので、気になる方はご相談いただければと思います。

先進的な学びと設備投資で、質の高い治療を追求

力を入れている領域があれば教えてください。

大きく2つあります。1つは、露出した象牙質を保護するために行うIDS（Immediate Dentin Sealing）です。虫歯治療で歯を削り、象牙質が露出したままセラミックをつけると、しみや痛みの原因になります。場合によっては、露出部分から虫歯に感染して再治療になることも。IDSは、露出した象牙質を保護することで知覚過敏や再発を防ぐための方法です。ワンデートリートメントの治療においても役立つものなので、患者さんの状況を鑑みながら必要に応じて行っています。2つ目は、歯周病治療です。虫歯になりにくい状態をつくるには、症状がない初期から適切に介入していく必要があります。また、歯周病が進行した場合、外科治療や歯周組織の再生治療を行って土台を整えなければなりません。幸い、歯科医療の先進国・スウェーデンスタイルの予防歯科の専門家である先生に師事することができ、診療の合間を縫って勉強に励んでいます。

導入されている機器も非常に先進的ですね。

設備がないことを理由に治療を制限したくなかったんです。治療の質を向上させ、患者さんの苦痛を最小限に抑えるためにも、設備投資には妥協しませんでした。現在は、ワンデートリートメントでも使用しているCAD／CAMシステムの他、院内循環型の水殺菌システム、歯科用CT、骨造成の設備などがあります。新たに、超音波の振動で歯や骨を削る機器も導入しました。これにより、従来の器具よりも周囲の組織へのダメージを抑えながら治療をすることが期待できます。「キュイーン」という独特の音がしないので、音が苦手な方にも喜んでいただけると思いますよ。

スタッフさんが生き生きしているのも印象的です。

当院の歯科衛生士はとても勉強熱心で、自分たちで積極的にアイデアを出してくれるんですよ。例えば、待合室にある歯ブラシや歯磨き粉、フロスなども、「患者さんにとって使いやすく、良い物を」と彼女たちが探してきた物です。歯の間にもブラシが入りやすい構造で、長持ちしやすいつくりになっているそうです。自分たちの仕事に誇りと責任を持って、より良い情報を患者さんに提供しようと思って動いてくれるのは、とてもうれしいことですね。クリーニングや、ケア用品などにかけては彼女たちのほうがプロですから、安心してお任せしています。

治療の方法を理解し、納得して選択してほしい

患者さんと接する上で心がけていることはありますか？

患者さんの中には、過去の歯科治療について患者さん自身があまりわかっていないことがあります。でも、何をされたのかわからないまま、お金を払うのは嫌じゃないですか。ですから、僕は患者さんには今何をしているのかをよく見て、正しく理解してもらいたいと思っているんです。すべてのユニットに口腔内カメラを設置して、画像をお見せしながら治療をしているのはそのためです。最終的に治療方法を決めるのはあくまで患者さん自身ですから、僕からは判断の材料となる選択肢と情報をすべてお渡しして、納得できる方法を選んでほしいと思っています。具体的な通院回数を含めて、治療期間の目安をお伝えすることも心がけていることの一つですね。

子どもの患者さんには、どんなふうに接していますか？

怖がりの方も多いので、まずは仲良くなることを心がけています。僕はわりとすぐに子どもの目線に立てるので（笑）、いつもにぎやかですよ。子どもたちも僕を友達だと思っているのか、「おう！」なんて気軽に声をかけてきます。治療の前には、「虫歯は放っておけないから、少し歯を削る治療をするよ。削るのはここ。麻酔もするよ」というように、本人に説明します。子どもも一人の人間ですから、このあたりは大人に接するときと同じように接するよう意識しています。麻酔を怖がる子もいますが、例えば5歳の子なら「痛みを感じにくくなるように魔法をかけるね。5歳だから5の魔法だよ！」と数を数えてもらい、緊張を和らげるなどの工夫をしています。

メッセージをお願いします。

僕は歯のプロですから、自然に、きれいに治せて当たり前だと思っています。「人と人」である以上、相性はあると思いますが、「すべての患者さんに、絶対に後悔させない治療をする」という一念でこれまで診療してきました。保険診療か自費診療かに関わらず、満足していただけるよう力を尽くしますので、眼窩下孔、大鎖骨上窩の範囲のことなら何でもご相談ください。開業から5年がたち、「かなまち志田歯科がいいよ」と周りに勧めてくださる患者さんも増えてきて、うれしい限りです。これからも自分の大切な人に自信を持って勧められる歯科医院をめざし、変わらず努力してまいります。