皮膚を切らない術式にも対応
豊富な経験を生かす眼瞼下垂手術
たけうちアイクリニック
(練馬区/富士見台駅)
最終更新日:2022/12/16


- 保険診療
まぶたを上げる筋肉「眼瞼挙筋」が伸びて働きが悪くなり、上まぶたが垂れ下がってくるのが「眼瞼下垂」。まれに先天性のものもあるが、多くの場合は加齢が原因で、他にコンタクトレンズの常用、外傷なども原因になるとされる。外見の問題も気になるが、重要なのは視野が狭くなって物が見えにくくなること、加えて目の疲れ、肩こり、頭痛、慢性疲労などを引き起こすこともあるということ。「たけうちアイクリニック」の院長である竹内裕貴医師は、法人理事長であり本院にあたる「ひばり中村眼科」院長を務めながら同院でも診療する中村真太郎医師とともに眼瞼下垂の手術に取り組んでいる。一般的な術式の他、皮膚を切らず傷の残りにくい術式まで豊富な経験を生かして治療にあたっている二人の医師に詳しい話を聞いた。
(取材日2020年9月26日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q眼瞼下垂とはどのような症状ですか? 治療は必要でしょうか。
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A
【中村理事長】まぶたには、まぶたを持ち上げて開く筋肉と閉じる筋肉があります。眼瞼下垂とは、このうちのまぶたを持ち上げる筋肉「眼瞼挙筋」が弱ったためにまぶたが十分開けられない状態のことを言います。原因の多くは加齢ですが、長年にわたるコンタクトレンズの使用や外傷なども原因となることがあります。眼瞼下垂はまぶたが下がってものが見えにくくなるだけでなく、疲れの原因にもなるとも考えられています。ものが見えづらい、疲れやすいといった自覚症状がある場合は、治療を考えたほうがよいでしょう。
- Q原因や、治療法について教えてください。
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A
【中村理事長】治療法は手術のみとなります。まつ毛のすぐ上の皮膚を切開して眼瞼挙筋を短縮固定する術式が一般的です。皮膚を切るので、二重の形が少し変わることになります。眼瞼上の変化を抑えるため、当院ではまぶたの裏側を切開する術式も取り入れています。顔の印象を大きく変えたくない方にも勧められる手術法です。まぶたが下がるという症状は眼瞼下垂だけでなく、自律神経系の疾患や重症筋無力症など他の病気が原因であることも考えられます。脳動脈瘤に関連して発症する場合もあり、この場合は早急に脳神経外科で治療を受ける必要があります。眼瞼下垂が急速に進んだ場合は急いで検査を受けたほうがよいでしょう。
- Q術後に患部の腫れなどは起こりますか?
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A
【中村理事長】はい、手術の翌日には必ず腫れを伴います。期間は術式によって異なりますが、まぶたの裏を切開した場合は数日間、皮膚を切開する方法ですと10日から2週間程度は腫れていると思います。患部を冷やすと早く腫れが引きやすいので、自宅では氷などで冷やすことをお勧めしています。また、手術を行った夜は多少痛みを伴うことがあるかもしれませんが、その後はほぼ残りません。当院では手術の翌日に傷の確認をするほか、両目に左右差が出た場合は後日に微調整のための追加手術を行っています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1医師による問診と診察
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まぶたが下がった原因について正確な診断をするために、「いつ頃から症状がでてきたか」「1日の中で変動があるか」といった細かい問診は必須だという。中には加齢によってまぶた表面の皮膚が下がっている場合や、まぶたと皮膚の両方の処置が必要な場合もあるため、患者と相談しながら細かい診察を行う。
- 2検査を受ける
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現状でどの程度見えにくいのかを把握するため、視力検査や眼底検査なども行う。まぶたの筋肉機能や二重の形などをもとに手術方針を検討する。皮膚のみ切除すればよいのか、眼瞼挙筋の短縮も必要なのか、状態をよくみて最適な方法を検討する。表面に傷を残したくない人向けにまぶたの裏を切開する方法もあり、本人の希望に合わせて相談して決定する。
- 3手術当日
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体調に関する問診や血圧測定などの事前検査を行った後、局所麻酔をかけて同日に両目とも手術をする。まぶたの裏側を切開する術式は片目10分程度、まつ毛の上を切開する術式なら片目20分程度、皮膚とまぶたの両方の手術だと片目で30分ほどかかる。安静時間はさほど必要ではないため、術後は両目を開けたままか片目に眼帯をした状態で帰宅することになる。
- 4術後の経過観察
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手術の翌日には必ず来院して診察を受ける。傷口を温めると治癒が遅れやすいため、自宅では激しい運動や湯船に漬かるのは避け、入浴はシャワー浴を心がける。また、まつ毛の上部を切開する術式では2種類の点眼薬を使用する。その後、4~5日後に再度来院して患部や傷の経過観察を行う。
- 5抜糸をする
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まつ毛の上を切開する術式では、1週間後に抜糸をする。皮膚を切開した場合の抜糸は2週間後、まぶた裏の切開術では抜糸は不要となる。ミリ単位の手術のため、両目に左右差が出た場合は修正のための再手術を行うこともある。