低侵襲緑内障手術と同時実施も可能に
進歩する日帰り白内障手術
たけうちアイクリニック
(練馬区/富士見台駅)
最終更新日:2023/11/09


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眼球の仕組みはカメラに似ていて、レンズの役割を担っているのが水晶体と角膜、フィルムにあたるのが網膜と呼ばれる部位だ。この水晶体が濁って光が通りにくくなり、網膜に光がうまく到達しないために、物が見えにくくなるのが白内障で、見えづらさによって生活に支障を感じ始めた際などには手術が必要となる。「たけうちアイクリニック」の竹内裕貴院長と、中村真太郎副院長は、難しい症例にも対応した白内障の日帰り手術を数多く手がけてきた。先進的な保険適用の多焦点眼内レンズのほか、最近では、白内障と緑内障の同時手術にも道が開け、選択肢の幅がさらに広がってきている。日頃から協力し合ってより良い治療の提供に努めている2人に話を聞いた。
(取材日2020年9月26日/再取材日2023年5月23日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q白内障にはどんな症状があるのでしょうか。
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A
【竹内院長】物が見えにくくなって受診される患者さんが多いですね。最も顕著なのは「霧がかかったような感じで視界がかすんで見える」「まぶしくて物が見づらい」といった症状です。発症すると自然に改善されることはなく、治療としては進行を遅らせることが目的の点眼薬か手術になります。
- Q白内障と緑内障を同時に手術することも可能だそうですね?
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A
【中村副院長】ほとんどの白内障手術は、超音波を使用して水晶体を細かく砕いて吸い取る「超音波乳化吸引術」を施した後、患者さんに合わせて計算・準備した眼内レンズを挿入するという手順になります。白内障のほかに緑内障もある方には、白内障の手術と同時に、眼圧を下げるためのチタン製の極小の器具「眼内ステント」を目の中の線維柱帯という所に埋め込んで行う眼内ドレーン手術も保険で行えるようになりました。目に金属を入れることに抵抗を感じるかもしれませんが、1mm程度の小さなもので、人体に害が少なく交換の必要もないので、緑内障も心配という方には選択肢の一つとなります。
- Qこちらのクリニックでは、ほかにどんな手術を行っていますか?
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A
【中村副院長】線維柱帯に眼内ステントを埋め込む代わりに、線維柱帯を切開して眼圧を下げることを図る手術(線維柱帯切開術)というのもあり、これも白内障手術と同時に行うことができます。眼内ドレーン手術は白内障と同時の場合のみ保険適用となりますが、線維柱帯切開術は緑内障単独の手術でも保険適用のため、患者さんの条件に応じてご提案します。
【竹内院長】ごくまれですが、白内障が極端に進行した場合は硬くなった水晶体を砕くことができないため、砕かずに取り出す手術が必要になることもあり、これも副院長とともに多くの手術経験を積んでいます。また、最近広まっている多焦点眼内レンズを用いた白内障手術にも対応しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1精密検査で詳しい状態を確認
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視力検査、眼圧検査を行った上で、医師が顕微鏡を使用して診察。白内障以外に異常がないかどうかを確認するために眼底検査も行う。白内障手術を希望した場合は日程を相談し、その後手術に向けて角膜の状態を調べる検査、眼内レンズの度数計算のための検査を行う。服用薬や健康状態についての問診も行われる。また、同院では眼内レンズの種類について伝え、説明文書を持ち帰ってもらい自宅でよく考えてもらうようにしているそう。
- 2検査結果と手術の説明
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後日再来し、検査結果が伝えられた後、手術内容の詳しい説明に入る。眼内レンズを多焦点にするか単焦点にするか、単焦点の場合は遠方・中間・手元のどこに焦点が合うようにしたいかについて、本人・医師で相談した上で決める。その希望に合わせて眼内レンズの度数を計算し、本人用の眼内レンズを発注。術後点眼薬の使い方などについての説明もここで行われる。
- 3日帰りでの手術を実施
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当日は体調に関する問診、血圧測定などの後、瞳孔を大きくするための薬を何回か点眼し手術を開始。手術は局所麻酔で実施する。術中は音楽を流し、患者の緊張をほぐしながら行われる。白内障の手術は基本的に片目ずつ行う。手術時間は10分程度で、眼内ステントや流出路再建術と同時に行っても5~10分程度の追加で済むという。術後は、眼帯をつけて帰宅する。
- 4通院
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手術の翌日と翌々日には必ず来院して診察を受ける。その後の通院ペースは1週間、2週間と徐々に間隔を空けていく。手術の翌日から3種類の点眼薬を使用し、徐々に数を減らしながら3ヵ月程度は点眼を続けることになる。また術後は傷が安定するまでに数日かかるため、その間は目をぶつけたり押したりしないよう日常生活において注意を払わなければならない。心配な人には保護用眼鏡の使用を勧めている。
自由診療費用の目安
自由診療とは選定療養の多焦点眼内レンズを使用した場合、保険診療費用に25万程度上乗せになります。保険適用の場合は別途お問い合わせください。(症状や診断結果によって異なります。)