宇野澤 聡 院長の独自取材記事
うのさわクリニック
(流山市/運河駅)
最終更新日:2025/01/09

運河駅西口から徒歩1分というアクセスの良い立地の「うのさわクリニック」。2020年に宇野澤聡院長が開業し、内科・循環器内科・血管外科・小児科という幅広い診療科を扱う。心疾患に詳しい宇野澤院長が力を入れているのが「下肢静脈瘤」の日帰り手術だ。足のだるさや痛み、むくみの他、進行すると皮膚の硬化も引き起こす下肢静脈瘤は、現在では患者の負担が少ない手術が可能になった。宇野澤院長も「生命活動に大きく関わる疾患ではありませんが、QOL(生活の質)の向上のために手術を希望される方が増えています」と充実した笑みを見せる。この他同院では、訪問診療など患者のニーズに合わせた医療も展開。「地域の相談窓口でありたい」と語る宇野澤院長に、同院の特徴や診療スタイルについて話を聞いた。
(取材日2024年11月14日)
広く診療を行い、下肢静脈瘤の日帰り手術にも対応
こちらのクリニックの診療内容を教えてください。

地域のかかりつけ医として風邪、インフルエンザ、アレルギー、健康診断などを広く診療を行いながら、私の専門性を生かして心臓や血管の症状にも対応しています。会社の健康診断で心雑音が見つかったからと来院される方などがいらっしゃいますね。下肢静脈瘤のご相談もとても多いです。私は心臓外科・循環器などを含めた心臓の領域を専門的に学び、大学院では人工心臓の研究にも携わってきました。勤務医時代に「この先長く医師として患者さんを診ていくならば、どうするべきか」と考えて着目したのが、自分の専門分野である心臓・血管とも関連があり、手術経験もある下肢静脈瘤です。大きな病院ではなく町のクリニックで対応できれば、患者さんの負担も減るのではないかと思い、開業後の柱の一つに据えました。技術も進歩し、日帰りで手術ができるようになったからこそできることでもありますね。
下肢静脈瘤では、女性の患者さんが多いのですか?
40代~50代の女性、中でも経産婦の方は多いですが、男性にも見られます。女性だと特に見た目を気にされて、インターネットで検索して当院に足を運ぶ方が多いようです。立ち仕事の方がなりやすい病気で、症状としては足の静脈が浮き出る・むくみ・痛み・だるさ・疲れやすいなどが挙げられます。基本的には見た目で判断ができますが、しっかりと診断をつけるためには超音波検査が必須です。男性の場合は女性ほど気にされていないのか、自覚症状が軽い方もいらっしゃいます。そうなると進行して足の皮膚が硬くなることもあるので、足のだるさや疲れやすいなどが気になったら、一度診察を受けてみてください。超音波検査なので患者さんの体への負担はほとんどありませんし、下肢静脈瘤ではなく立ち仕事ゆえの疲れが原因だったとわかることもあるんですよ。
下肢静脈瘤の手術は日帰りだそうですね。

ひと昔前は静脈を引き抜くストリッピングという方法しかなく、入院が必要でした。しかし今では局所麻酔と鎮静剤を使った日帰り手術が可能です。眠っている間に手術が終わりますし、手術後の通院も2回ほどで済みますので、患者さんの負担もかなり減りましたね。多ければ一日に5~6人の方の手術が可能です。また手術の方法にもレーザー治療やグルー治療があり、その方の症状に合った方法をご提案します。この下肢静脈瘤の手術もそうですが、手術というのは、症状の変化がスピーディーにわかる治療方法。私が外科を選んだ理由の一つでもあるので、これからも力を入れていきたいと思っています。
見落としのない検査・診察で、しっかり診断をつけたい
院内で受けられる検査にはどんなものがありますか?

先ほど挙げた超音波検査では、頸動脈・心臓・腹部臓器も診ることができます。他には心電図検査、エックス線検査、呼吸機能検査の機器も備えています。院内血液検査にも対応しており、必要な方には感染症の程度、貧血の有無、腎機能、肝機能など、いずれも当日に結果をお伝えすることが可能な体制です。検査を行うスタッフたちは経験豊富で、患者さんに対する気配りもできて本当に心強いです。当院には「下肢静脈瘤ではないか」と、足のむくみなどを相談される方も多いのですが、だるさやむくみ、痛みなどの足の症状は下肢静脈瘤だけが原因ではありません。よくよくひもといていくと他の重大な疾患が原因になっているケースもあるため、診断をしっかりつけることが非常に大切です。診療全般において適切な検査と見落としのない診察を心がけています。
設備や体制の充実に力を入れているのですね。
当院には年齢も症状もさまざまな患者さんがいらっしゃいますからね。第1・第3・第5週の土曜は小児科の先生がいらしていますし、また私が手術に入ったときに診察に穴が空かないよう、非常勤の循環器の先生にも来ていただいています。基本は予約制となっており、窓口での他、電話やホームページからも予約が可能です。受付周りのリフォームや自動精算機の導入など、スムーズな診療と患者さんの利便性向上にも目を向けています。また、発熱の外来に関しては完全電話予約制。一般外来とは診察室を分けて、どのような患者さんでも受診できる体制を整えています。
診療の際に心がけていることをお聞かせください。

患者さんの要望にはできるだけ応えたいと思っています。そのために患者さんの話にしっかりと耳を傾け、もしその内容が間違っていたとしても、最初から否定するようなことはしません。まずは患者さんの思いを受け止めることが第一です。その上で患者さんの認識が間違っているのならばわかりやすく説明し、医学的に許される範囲を遵守しつつ、患者さんの意思をできるだけ尊重し対応したいと思っています。ですので、患者さんにも何を求めているのかを遠慮なく話してほしいのです。私には話しにくいことでしたら、看護師やスタッフにでも構いません。すべてをかなえられるとは限りませんが、要望をお聞かせいただければそれに沿った提案ができるかと思います。
患者のニーズに応える医療を提供していきたい
通院が難しい方には訪問診療も行っていると伺いました。

はい。当院は2020年に開業したのですが、当時80歳や90歳だった患者さんにとって4年という年月は大きく、中には通院が困難になったり、ターミナルケアを必要とされたりする方もいらっしゃいました。そのような状況を受け、現在当院では地域のケアマネジャーさんや訪問看護ステーションなどと連携し、訪問診療に力を入れています。当院に通院されていた方だけでなく、地域で訪問診療を必要とする方々が対象です。院内で使うような大規模な医療機器を持ち込むことは難しいのですが、定期的に訪問してコミュニケーションを取り、患者さんが少しでも快適な毎日を過ごせるようサポートしていけたらと思っています。
その他、力を入れている治療はありますか?
人工血液透析に関わるシャント手術ですね。しかしこれは病院との信頼関係がないと難しいもの。患者さんが「このクリニックでお願いしたい」と希望を出しても、病院が了承しないといけないのです。連携先は年々増えており、緊急でのご依頼にも対応し、できるだけ早めに対応できるように心がけています。また、心疾患で手術をされた方の退院後の通院先として病院から依頼されるケースも多いです。循環器内科を幅広く診ることができるのも当院の特徴の一つなので、患者さんの通院などにかかる負担を減らせるようなクリニックをめざしたいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

下肢静脈瘤などの手術や、生活習慣病の治療、訪問診療は当院の軸になりますが、患者さんのニーズをくみ取って対応していきたいと考えています。不安なことがあれば、来院はもちろん、お電話で尋ねていただいても構いません。当院でできることには力を尽くしますし、より専門的な診断・治療が必要な場合は、信頼できる先生方におつなぎします。そのような患者さんの相談窓口も地域のかかりつけ医の役目。風邪やちょっとした気になることでも構いません。困っていること、気になることがあれば、気軽に当院にご相談ください。