大腸ポリープ切除で悪性だった場合に備え
先進の内視鏡検査を
亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック
(江東区/亀戸駅)
最終更新日:2025/03/21


- 保険診療
大腸がんや炎症性腸疾患などの早期発見に有用な大腸内視鏡検査。その重要性を理解しつつも検査をためらう人は少なくない。「亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック」の丸岡大介院長は、「便潜血検査が陽性の方が大腸内視鏡検査を受けると、約30~60%の方に大腸ポリープが、約3%の方には大腸がんが見つかるといわれています」と警鐘を鳴らす。丸岡院長はコールドポリペクトミーと呼ばれる大腸ポリープ切除術の研究、普及に注力してきた大腸内視鏡検査・治療のエキスパートだ。大腸ポリープががん化していても、早期に見つかれば内視鏡で切除できる可能性が高まることから、豊富な知見を生かし、先進的な大腸内視鏡検査に尽力している。そんな院長に、内視鏡検査を受けるクリニック選びのポイントや、同院での内視鏡検査の流れなどについて話を聞いた。
(取材日2020年5月25日/情報更新日2025年3月7日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q検査を受けるクリニックは何を基準に選ぶと良いと思われますか?
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A
クリニック選びの判断基準はなかなか難しいですが、例えば、内視鏡の挿入方法が挙げられます。腸を畳み込みながら挿入する「軸保持短縮法」のように、苦痛の軽減を意識した方法かどうかはポイントの一つです。また、粘膜を観察する際に腸内を気体で膨らませるのですが、一般的なクリニックは空気を使うことが多く、それだとおなかの張りが強くなります。炭酸ガスを用いれば、腸壁から素早く吸収され不快感も少ないでしょう。さらに、内視鏡や光源の性能も重要です。拡大内視鏡と狭帯域光観察などの画像強調観察技術を併用している医療施設であれば、より精密な診断が可能です。加えて、大腸ポリープをその場で切除できる体制かもポイントです。
- Q大腸ポリープが悪性だった場合の治療方法について知りたいです。
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A
大腸ポリープは、時間の経過を経てがん化することがわかっています。ですから、まずは内視鏡検査を受け、悪性になる前に大腸ポリープを見つけたり、切除して悪性かどうか調べたりすることが重要です。健診で指摘を受けた方や、不調がある方はすぐに大腸内視鏡検査ができるクリニックを受診しましょう。放置しているうちに、進行してしまうケースは少なくありません。検査によって早期に大腸ポリープを見つけられれば、もしがん化していたとしても、内視鏡による切除治療で済む可能性が高まります。根治をめざすこともできるでしょう。一方で、そのままがん化が進んでいくと、外科的な手術や抗がん剤による治療が必要になってきます。
- Qこちらのクリニックを受診するメリットを教えてください。
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A
内視鏡を挿入する際は、先ほどふれた軸保持短縮法を用いています。送気せず少量の水で視野を確保しながら挿入し、腸の部位によって持ち方や力加減を変えたりするほか、粘膜の観察時には炭酸ガスを使うなど、苦痛を極力抑えるようにしています。また、全症例に対して原則、拡大内視鏡と狭帯域光観察機能を併用し、精密に観察するのに加え、切除対象のポリープが見つかればそのまま日帰りでの切除も可能です。検査時は血中酸素飽和度や心拍数をモニターし、安全性にも配慮しています。患者さんの検査後アンケートをもとに、より良い体制づくりも欠かしません。大腸と胃の内視鏡検査を同日に受けることもできますので、ぜひご相談ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と検査に関する説明
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検査前、事前に受診して問診を受ける。問診では特に便通の状況が重視される。これは同院が、患者の年齢や性別のほか排便状況に応じてその人に適した下剤を使い分けているため。そのほか全身疾患の有無や服用中の薬なども確認。内視鏡時の所見によってはポリープ切除が必要になることもあるため、内視鏡検査についてだけでなくポリープ切除についても詳しい説明を受ける。
- 2腸内をきれいにする
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検査前日は消化の良いものを摂取。希望があれば、検査用の食事の紹介も。夕食は20時までに取り、就寝前に下剤を服用。当日は腸管洗浄液を指定時間から服用して腸内をきれいにする。受診時に渡される説明用紙に「何時何分にこれを飲む」と時系列でわかりやすい服用指示の記載がある。自宅か、心臓・腎臓疾患のある人や高齢者はクリニックで服用。待合室やトイレは男女別で、個室も用意。リラックスできるよう配慮されている。
- 3大腸内視鏡検査を受ける
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検査着に着替えてストレッチャーに横になり、検査室へ移動。鎮静剤を希望する場合は静脈注射がなされ、リラックスした状態で検査を受ける。スコープが腸の奥まで到達するまで早くて2分、かかって10分程度。その後、拡大内視鏡と画像強調観察システムを用いて10分ほどの時間をかけながら、腸の粘膜をつぶさに観察。同院では張りや不快感に配慮し、炭酸ガスで腸を膨らませ詳しくチェックしている。
- 4必要に応じてポリープを切除
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ポリープが見つかったら、拡大観察も併用して病変の形態から組織型などを診断し、切除対象となるか判断。同院では、主にコールドポリペクトミーによる切除を実施しており、病変周囲の正常粘膜を必要十分に切除範囲に入れることによって、安全性と有効性の両立を図っている。腸の粘膜には痛覚がないので、ポリープ切除時の痛みはない。病変によっては内視鏡的粘膜切除術も使い分ける。
- 5リカバリー室で休憩後、検査結果の説明を受ける
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検査後はストレッチャーに横たわったままリカバリールームへ。約30分から1時間休憩。看護師から食事の取り方などの注意や説明を受ける。その後、医師から検査結果について説明。どんな状態で今後どのような注意が必要かなどといった詳細な説明とカラー写真のついた所見用紙を渡してくれるので理解しやすい。ポリープを切除した場合は、2~3週間後の再来で病理検査の結果の説明を受ける。