神保 詩乃 院長、神保 圭佑 先生の独自取材記事
はす花こどもファミリークリニック
(板橋区/本蓮沼駅)
最終更新日:2026/05/07
「親御さんたちにはまず、自分を責めないでと伝えたいんです」とにこやかに語るのは、「はす花こどもファミリークリニック」の神保詩乃院長。その言葉の根底にあるのは、病気の子どもはもちろんのこと、家族の気持ちにも寄り添ってサポートしていきたいという真摯な想いだ。子どもの健康だけでなく、そのパパやママ、祖父母の健康も支えるべく内科診療も手がけており、家族丸ごと元気になれるファミリークリニックをめざしている。気さくで朗らかな神保院長と夫の神保圭佑先生に、かかりつけ医としての思いや、専門性を生かした循環器と消化器に関わる診療面の強みなど、じっくり話を聞いた。
(取材日2025年10月9日)
子どもに加え、家族も支えるファミリークリニック
こちらはどのようなクリニックなのですか?

【詩乃院長】当院は小児科を中心に、赤ちゃんから高齢の患者さんまで家族で気軽に通えるファミリークリニックとして2020年に開院しました。早いもので、今年で6年目を迎えます。小児科と循環器科を専門とする私のほか、小児消化器とアレルギー疾患が専門の夫、そして消化器科を専門とする私の父が、それぞれ週に数回、当院での診療を担当しています。ここはもともと父が開業し、25年間診療してきた「知念内科胃腸科」があった場所ですから、父の代から親子2世代、3世代と家族で通ってくださる患者さんも多くいらっしゃるんですよ。
家族でかかれるのは、子育て世帯にとってうれしいポイントですね。
【詩乃院長】やはり家族って健康面においても運命共同体。1人がかかると、もう1人、また1人、と家の中で一気に感染が広がってしまうケースは日常茶飯事で、だからこそ当院が家族丸ごと診て差し上げられるということに、喜んでくださる患者さんが本当に多いんです。クリニックとして小児科だけでなく、内科診療も手がけるというのも一つのチャレンジではありましたが、「患者さんの期待に応えたい」という思いで踏みきりました。ご家族にだって持病があるかもしれませんし、健康診断で異常を指摘されることだってあり得ます。その点、日頃よく子どもを連れて来ている当院になら相談しやすいと、頼ってくれるママ世代の患者さんが年々増えてきましたね。
患者さんと接する際にどのようなことを大切にしていますか?

【詩乃院長】内科も小児科も、診察では聴診器を当てる前の最初の印象をとても大切にしています。顔色、声色、皮膚の色や感触などで、重症度をあらかじめ予測するということですね。診察の結果、薬の処方が不要だと判断した場合は、様子を見るだけでいいとお伝えすることもあります。必要に応じて今後の経過予測を踏まえた再診のタイミングの目安をお伝えするとともに、帰宅後の家庭でのケアに関するアドバイスも忘れないように心がけていますね。また、患者さんがなんでも相談できるよう、診察の最後には何かご質問や要望がないか、必ず聞くようにしています。
総合診療と専門性の両立で、きめ細かにアプローチ
院内に検査設備が充実していて驚きました。

【詩乃院長】感染症の流行期には血液検査や感染症の迅速検査が必要になるため、当院には5分程度で結果の出る検査機器を導入しており、検査結果とともに今後の治療方針まで迅速にお伝えすることができます。必要があれば、胸部や腹部のエックス線検査や、大学病院で使用しているのと同水準の超音波診断装置も使用し、心臓エコーの他、症状をまだ言葉で説明できない低年齢のお子さんの急性虫垂炎、腎臓疾患などの診断に役立てています。循環器科の関連で他にも、ホルター心電図、起立負荷心電図、運動負荷心電図のいずれにも対応して精密な診断を心がけています。また、近視や遠視、斜視など乳幼児期から使える屈折異常を数秒で判別できる検査機器も導入しており、質にこだわった医療を提供できる診療環境を整えました。
詩乃院長の専門である循環器については、循環器疾患に特化した外来を設けているそうですね。
【詩乃院長】循環器疾患は放置しておくと命に関わるリスクがあるため、仕事で忙しい方や人混みを避けたいという方にも安心して受診していただけるよう、第4土曜の午後、循環器疾患のための予約制の外来枠を設けています。大きい病院だと待ち時間も長く、心電図やエックス線写真を撮るためにあちこち移動しなければならず、患者さんは大変です。ですから、身近な町のクリニックで専門性と精度にこだわった検査と診断を提供していきたいと考えました。というのも、私の父も「開業医であっても医療の質は決して下げない」ことを信条に、当時のクリニックではまだ珍しかった内視鏡を導入し、消化器がんの早期発見に力を注いでいました。自分の専門性を生かして、患者さんとそのご家族のために少しでも早く病気を発見したいという思いは、私も同じです。
圭佑先生は、小児消化器がご専門だそうですね。

【圭佑先生】はい。中でも、超音波による小児消化器の画像診断を得意としています。子どもの腹痛は、急性虫垂炎などの感染症によるものがほとんどです。しかし、ここ10年から20年ほどの間に、炎症性の腸疾患など免疫の病気が増えているのも事実です。また、中腸軸捻転と内ヘルニアなど命を落とす可能性がある病気の可能性もあるため、超音波の検査で早期発見に努めています。先ほど院長から説明があったように、当院は検査機器が充実しているので、医師の技術と合わせて的確な診断が望めます。もしも外科的処置が必要となった場合には、連携する病院へ速やかに紹介できる体制を整えていますので、ご安心ください。お子さんの顔色が悪く嘔吐していたり、血便が続いたりする様子があれば、迷わずご相談くださいね。
「ここに来て良かった」と思われるクリニックづくりを
大人の健康相談にも力を入れていると伺いました。

【詩乃院長】通常の外来診療の他、当院では板橋区の区民健診を実施しています。お子さんが健康でいるためには、そのご家族も健康でいなくてはなりません。しかし、お母さんお父さんはつい家族優先で、ご自分の体のちょっとした不調は後回しにしがち。健診を受けたいと思っても、なかなか子どもが預けられないという方もいるでしょう。当院の場合、お子さんと一緒に来院していただけます。各種検査中は、お子さんをスタッフが抱っこするなど対応しますし、通い慣れたクリニックであればお子さんも安心でしょう。もしも数値の異常があったり、生活習慣病が見つかったりした場合にも、そのまま当院でフォローアップが可能ですので、ぜひ気軽に受診していただきたいです。
今後の展望を教えてください。
【詩乃院長】開業してみて意外だったのは、海外渡航用ワクチン、子宮頸がんワクチンに関する問い合わせや、不登校に関する相談が多かったことです。不登校に関しては、私の専門分野でもある起立性調節障害と関係しているからですが、ワクチンに関しては対応している医療機関が少ないからかもしれません。患者さんのニーズに応えていったところ、結果的に幅広いワクチンに対応できる環境が整いました。そして、子育てや発達に関するご相談も多いことから、今後は5歳児健診にも力を入れる方針です。3歳児健診で見つからなかった発達の遅れを就学前に見つけることで、小学校に入学してから困るお子さんや保護者の方を少しでも減らせたらと考えています。引き続き、時代の変化や患者さんのニーズに応じて、前進できるホームドクターでありたいですね。
最後に読者に向けて一言メッセージをお願いします。

【詩乃院長】父とは専門分野こそ異なりますが、かかりつけ医として幅広く総合的な診療をする一方で、自分の専門分野においては医療の質を下げることなく輝き続けたいという思いは私も同じです。私自身、現在も子育て奮闘中の身ですから、子育ての大変さ、働きながら子育てをする女性の気持ちは痛いほどよくわかります。イライラや不安が、当院への受診をきっかけに少しでも解消され、明日はまた子育てを頑張れそうだと思っていただけたらうれしいですね。多くの方に「ここに来て良かった」と思っていただけるように、精いっぱい努めていきます。
【圭佑先生】「子どもは何歳まで受診しても大丈夫ですか?」と気にされる患者さんが多いのですが、当院は小児科でありながらファミリークリニックでもあります。そのため、年齢制限なく通っていただけるのが特徴です。お子さんが中学生や高校生になっても、不安なことがあればなんでもご相談ください。

