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神保 詩乃 院長の独自取材記事

はす花こどもファミリークリニック

(板橋区/本蓮沼駅)

最終更新日:2023/03/06

神保詩乃院長 はす花こどもファミリークリニック main

「お母さんたちにはまず、『自分を責めないで』と伝えたいんです」とにこやかに語るのは、「はす花こどもファミリークリニック」の神保詩乃院長。その言葉の根底にあるのは「病気のお子さんはもちろんのこと、ご家族の気持ちにも寄り添ってサポートしていきたい」という真摯な想いだ。子どもの健康だけでなく、そのパパやママ、祖父母の健康も支えるべく内科診療も手がけており、家族まるごと元気になれるファミリークリニックをめざしている。自身も子育て真っただ中、気さくで朗らかな神保院長に、かかりつけ医としての思いや、自身と夫の神保圭佑先生の専門性を生かした循環器と消化器に関わる診療面の強みなど、じっくり話を聞いた。

(取材日2023年2月7日)

子どもに加え、家族も支えるファミリークリニック

こちら2020年の開業だそうですね。

神保詩乃院長 はす花こどもファミリークリニック1

当院は小児科を中心に、赤ちゃんから高齢の患者さんまで家族で気軽に通えるファミリークリニックとして開院し、早いもので今年で4年目を迎えます。小児科と循環器科を専門とする私のほか、小児消化器とアレルギー疾患が専門の夫、そして消化器科を専門とする私の父が、それぞれ週に1回当院での診療を担当しています。ここはもともと父が開業し、25年間診療してきた「知念内科胃腸科」があった場所ですから、父の代から親子2世代、3世代と家族で通ってくださる患者さんも多くいらっしゃるんですよ。

家族でかかれるのは、子育て世帯にとってうれしいポイントですね。

近年感染症の拡大が長く続き、多くの方が家庭内感染の大変さを痛感されたと思います。やはり家族って健康面においても運命共同体。1人がかかると、もう1人、また1人、と家の中で一気に感染が広がってしまうケースは日常茶飯事で、だからこそ当院が家族丸ごと診て差し上げられるということに、喜んでくださる患者さんが本当に多いんです。クリニックとして小児科だけでなく、内科診療も手がけるというのも一つのチャレンジではありましたが、「患者さんの期待に応えたい」という思いで踏みきりました。ご家族にだって持病があるかもしれませんし、健康診断で異常を指摘されることだってあり得ます。特にお母さんはつい家族優先でご自分の体のちょっとした不調は後回しにしがち。その点、日頃頻繁に子どもを連れてきている当院になら相談しやすいと、頼ってくれるママ世代の患者さんが年々増えてきましたね。

患者さんと接する際にどのようなことを大切にしていますか?

神保詩乃院長 はす花こどもファミリークリニック2

内科も小児科も、診察では聴診器を当てる前の最初の印象をとても大切にしています。顔色、声色、皮膚の色や感触などで、重症度をあらかじめ予測するということですね。診察の結果、薬の処方が不要だと判断した場合は、様子を見るだけでいいとお伝えすることもあります。必要に応じて今後の経過予測を踏まえた再診のタイミングの目安をお伝えするとともに、帰宅後の家庭でのケアに関するアドバイスも忘れないように心がけていますね。また、患者さんがなんでも相談できるよう、診察の最後には何かご質問や要望がないか、必ず聞くようにしています。

総合診療と専門性の両立で、きめ細かなアプローチを

院内に検査設備が充実していて驚きました。

神保詩乃院長 はす花こどもファミリークリニック3

感染症の流行期には血液検査や感染症の迅速検査が必要になるため、当院には5分程度で結果の出る検査機器を導入しており、検査結果とともに今後の治療方針まで迅速にお伝えすることができます。必要があれば、胸部や腹部のエックス線検査や、大学病院で使用しているのと同水準の超音波診断装置も使用し、心エコーのほか、症状をまだ言葉で説明できない低年齢のお子さんの急性虫垂炎、腎臓疾患などの診断に役立てています。循環器科の関連でほかにも、ホルター心電図、起立負荷心電図、運動負荷心電図のいずれにも対応して精密な診断を心がけています。また、近視や遠視、斜視など乳幼児期から使える屈折異常を数秒で判別できる検査機器も導入しており、質にこだわった医療を提供できる診療環境を整えました。

先生の専門である循環器については、循環器疾患に特化した外来を設けているそうですね。

循環器疾患は放置しておくと命に関わるリスクがあるため、仕事で忙しい方や人混みを避けたいという方にも安心して受診していただけるよう、第4土曜の午後、循環器疾患のための予約制の外来枠を設けています。大きい病院だと待ち時間も長く、心電図やエックス線写真を撮るためにあちこち移動しなければならず、患者さんは大変です。ですから、身近な町のクリニックで専門性と精度にこだわった検査と診断を提供していきたいと考えました。というのも、私の父も「開業医であっても医療の質は決して下げない」ことを信条に、当時のクリニックではまだ珍しかった内視鏡を導入し、消化器がんの早期発見に力を注いでいました。自分の専門性を生かして、患者さんとそのご家族のために少しでも早く病気を発見したいという思いは、私も同じです。

ご主人の圭佑先生は小児消化器がご専門だそうですね。

神保詩乃院長 はす花こどもファミリークリニック4

夫は超音波を専門にしていて、小児消化器の画像診断を得意としています。ですから、例えば原因のわからない腹痛といった症状に対しても、さまざまな角度からのアプローチが可能で、結果的に経過観察で終わるとしても、心配する必要があるのかないのか、親御さんが納得のいく診断を得ることができると思います。子どもの腹痛というと、急性虫垂炎の心配をなさる親御さんが多いのですが、実は絶対に見逃してはいけない疾患というのが別にあって、それは中腸軸捻転と内ヘルニアの2つです。命を落とす危険もあるこれらの疾患も、超音波の検査で早期発見に努めています。小児に対する腹部超音波検査は技術と読影の双方を磨く必要があり、非常に難しいですが、子どもは大人に比べて皮下脂肪が少なく、画像診断しやすいという利点もぜひ知っておいていただきたいと思います。

「ここに来て良かった」と思われるクリニックづくりを

院内の感染症対策も徹底されていますね。

神保詩乃院長 はす花こどもファミリークリニック5

小児期はインフルエンザのほかに、水ぼうそうやおたふく風邪、麻疹、風疹など、小児だからこそかかりやすい感染症があり、季節によって流行します。ですから当院も、感染症の疑いのある方は一般の患者さんとは出入り口も診察室も別にして、動線ごと隔離できるように設計してあります。そうした小児感染症のために施した隔離室と出入り口を、新型コロナウイルス感染症の拡大でここまで頻繁に使用することになろうとは思ってもみませんでした。一方で、感染症状のない元気なお子さんは2階のキッズスペースでお待ちいただけます。また、待ち時間の短縮もまた大事な感染症対策の一つ。できるだけ院内での滞在時間が短く済むよう、ウェブ予約制を導入しています。

今後の展望を教えてください。

開業してみて意外だったのは、海外渡航用ワクチン、子宮頸がんワクチンに関する問い合わせや、不登校に関する相談が多かったことです。不登校に関しては、私の専門分野でもある起立性調節障害と関係しているからですが、ワクチンに関しては対応している医療機関が少ないからかもしれません。また、子育ての悩みを相談したい、検査や治療に関する詳細な説明を聞きたい、といって来院される患者さんもいます。当院で診療を行うようになって、病院には病院の役割があるように、開業医には開業医ならではの役割があることをあらためて実感しました。これからも気軽に相談できる家族のかかりつけ医として、一人ひとりの患者さんのお気持ちに寄り添いつつ、幅広いニーズにお応えしていきたいと思います。

最後に読者に向けて一言メッセージをお願いします。

神保詩乃院長 はす花こどもファミリークリニック6

父とは専門分野こそ異なりますが、かかりつけ医として幅広く総合的な診療をする一方で、自分の専門分野においては医療の質を下げることなく輝き続けたいという思いは私も同じです。私自身、現在も子育て奮闘中の身ですから、子育ての大変さ、働きながら子育てをする女性の気持ちは痛いほどよくわかります。時にはどこか生活の歯車が故障して、行き詰まった状態になることもあるでしょう。そうしたイライラや不安が、当院への受診をきっかけに少しでも解消され、明日はまた子育てを頑張れそうだと思っていただけたらうれしいですね。多くの方に「ここに来て良かった」「こんなクリニックがあって良かった」と思っていただけるように、今後も精いっぱい努めていきます。どうぞお気軽にご相談ください。

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