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新型コロナウイルス感染症後も不安
うつ病、不眠症、パニック障害

鶴見メンタルクリニック

(横浜市鶴見区/鶴見駅)

最終更新日:2023/02/10

鶴見メンタルクリニック 新型コロナウイルス感染症後も不安 うつ病、不眠症、パニック障害 鶴見メンタルクリニック 新型コロナウイルス感染症後も不安 うつ病、不眠症、パニック障害
  • 保険診療

新型コロナウイルス感染症流行の中、心療内科、精神科を受診する人が増加傾向にあるという。最近、特に受診が増えているのは新型コロナウイルスに罹患後、症状が改善せず続くことで不安を抱え、うつ病やパニック障害などを発症するケースだと「鶴見メンタルクリニック」の小川雄史院長は話す。咳や倦怠感がいつまでも続く不安から、パニック障害やうつ病、不眠症を発症した場合、どのように対処したら良いのだろうか。早稲田大学理工学部研究科で工学を学び、鉄道会社の技術系総合職に従事した後、精神科医となった異色の経験を持つ小川院長。多くの「引き出し」の中から一人ひとりに適した治療法を導き出す小川院長に、うつ病、不眠症、パニック障害の概要と治療法、日々の生活に対する注意点などを聞いた。

(取材日2022年9月16日)

新型コロナウイルス感染症後、不安からくるうつ病、不眠症、パニック障害。困ったら躊躇せず受診を

Q新型コロナウイルスの流行で心身の不調の相談が増えているとか。
A
鶴見メンタルクリニック 在宅勤務やマスクの着用などの影響で増えている疾患もあるという

▲在宅勤務やマスクの着用などの影響で増えている疾患もあるという

新型コロナウイルス感染症の症状に長く悩まされ、対応する外来を受診するけれども改善せず、二次的にうつ状態に至る人が増えている印象です。ほかにも在宅勤務で過覚醒状態に陥って不眠症になる人や、聞いた話では地域の中核病院にはパニック障害の発作で救急科外来に運ばれてくる人も増えているとか。パニック障害の発作は熱気や湿度で誘発されるといわれているため、地球温暖化で気温の高い時季が長くなっていることや長時間マスクを着用していることも引き金になる可能性があります。精神科では、咳が止まらない、長く倦怠感が続くなどの症状を治療することはできませんが、精神疾患の部分はフォローできます。

Qパニック障害とはどのような病気なのですか?
A
鶴見メンタルクリニック 気になることがあれば、気軽に受診してほしいと話す院長

▲気になることがあれば、気軽に受診してほしいと話す院長

パニック障害の症状は、動悸や心拍数の増加、発汗や震え、息切れや息苦しさのほか、冷感・熱感、めまいや、現実感の喪失、自分自身を外から眺めているような離人感など多岐にわたります。診断は、周囲からの視線が極度に怖い、人前で食事ができないなど、いくつかの診断基準に当てはまるかを診ます。精神科は主観的判断の要素が大きいので、診断基準を満たさない場合もありますが、当院では本人が何に困っているかに焦点をあてて治療を行います。カフェイン類やアルコール、炭酸飲料などを控えること、部屋の換気を心がけること、規則正しい生活と十分な睡眠、ストレス解消を心がけて自律神経を安定させることなどで発作の予防が期待できます。

Qうつ病へのアプローチを教えてください。
A
鶴見メンタルクリニック 適切な運動をすることで、良い方向へ向かいやすい

▲適切な運動をすることで、良い方向へ向かいやすい

厚生労働省も健康増進のため1日8000歩以上を推奨していますが、歩くことで血圧と心拍数を上げ脳の血流が良くなれば、うつ病に限らず精神疾患の好転が期待できます。「喉が渇いた」「あと30分歩こう」など自然と意識が他へ向き、悩みから解放される時間ができると見込めるのもメリットですね。ご家族には、楽しめない自分を意識してしまうことや休職しているのにと自分を責めないよう温泉や観光地などに連れ出さないようお願いしています。患者さんには物事を違う角度から考えてみてとお伝えします。うつ病の処方はプラシーボも重要なので「この先生の薬なら」と思われるような患者さんとの信頼の構築は、精神科医としての勝負どころです。

Q不眠症に対してはどのような治療方法があるのですか?
A
鶴見メンタルクリニック 睡眠指導も行っている

▲睡眠指導も行っている

当院では、薬の処方以外に睡眠指導を行っています。睡眠の質は、ベッドで過ごす総就床時間と眠っている総睡眠時間の割合を表す睡眠効率で算出し、数値が高いほど熟睡感があります。寝床でスマホやテレビを見るなど寝る以外の作業はしないことが熟睡には大切です。また、年齢に伴い人間に必要な睡眠時間は少なくなるため、例えば45歳なら6時間半ほどの睡眠で十分になってきますので、それに合わせて、起きる時間と寝る時間をセットする必要がありますね。昼寝は30分以内、寝る前はコーヒーだけでなく緑茶のカフェインも摂取しないよう注意、体を温めると眠れなくなるので、寝る直前ならぬるめのお風呂かシャワーにするなどの指導を行います。

Q休職や休養が必要な場合、お金の不安はどうすればいいんですか?
A
鶴見メンタルクリニック 一人ひとりに合わせた解決策を提案している

▲一人ひとりに合わせた解決策を提案している

経済的な負担が軽くなる制度を紹介しています。意外と知られていないのが傷病手当金です。公的医療保険の被保険者が休職する際、条件を満たせば直近の給与の3分の2ほどの金額を約1年半受けられる制度なので、保険組合などに確認をと患者さんに伝えています。困り事の解決策を患者さんに提示することは、安心して休職してもらうために大切なことなんです。復職のタイミングでは、より良い人間関係のためのスキルの一つ「アサーション」に関する本を読むことを推奨するなど、必要に合わせて解決策を提案しています。また、子育てでメンタルに不調を来しているお母さんには「診断書を書くので保育園に預けてください」とアドバイスしてますね。

ドクターからのメッセージ

小川 雄史 院長

つらい時は自分の症状を話すのが困難なことも多いので、当院ではいくつかのアンケートに記入してもらう、患者さんやご家族に手紙を書いていただくなど、診断のための情報収集の精度を上げる工夫をしています。また、初めて飲む薬に抵抗があったり、副作用に驚いて治療を中断してしまうケースもあるため、処方は少量からスタートし、徐々に体になじませていきます。西洋薬以外にも漢方薬の処方、運動指導、食事指導、睡眠指導など自分が持っている「引き出し」をすべて用いて治療に取り組んでいます。何か困っていることがあったら、とりあえず受診してみてください。何もなければそれで良いのですから、躊躇せずに来院していただきたいですね。

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