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血尿・タンパク尿に要注意
腎臓病の検査と治療

さかもと内科腎クリニック

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2025/01/31

さかもと内科腎クリニック 血尿・タンパク尿に要注意 腎臓病の検査と治療 さかもと内科腎クリニック 血尿・タンパク尿に要注意 腎臓病の検査と治療
  • 保険診療

尿をつくる臓器である“腎臓”を、普段の生活で意識することはほとんどないだろう。小学校時代から定期的に行う検尿だが、「血尿」や「タンパク尿」の指摘があったとしても結果を重要視しない人も多いようだ。しかし、血尿やタンパク尿は、腎臓病の発見のチャンスとも言える。腎臓病の初期には自覚症状がほとんどない。むくみや倦怠感などの症状が出る時にはかなり進行した腎不全になっていることもあるそう。早期発見のためには、まず、検尿異常を軽視しないことが重要だ。「さかもと内科腎クリニック」の坂本いずみ院長に、腎臓病の検査・診断のプロセスとその後の治療や生活について、また、早期発見・治療の重要性について詳しく解説してもらった。

(取材日2020年8月27日/情報更新日2025年1月27日)

尿検査の異常を見逃さず、腎臓病の早期発見・治療をめざす

Q腎臓病につながる症状とは、どのようなものですか?
A
さかもと内科腎クリニック 尿検査の結果から適切な治療へとつなげることが重要

▲尿検査の結果から適切な治療へとつなげることが重要

腎臓病の種類によって症状は違います。「むくみ」が出る場合にはネフローゼ症候群や進行した腎不全の可能性があります。「尿の泡立ち」はタンパク尿のサインかもしれません。尿の色が赤色や濃い茶色に見える「肉眼的血尿」では、泌尿器科が専門としている尿路結石、腎臓・膀胱の悪性腫瘍などの病気であることが多いのですが、腎臓内科の病気としては血管炎や急性腎炎やIgA腎症などの糸球体腎炎も考えられます。しかし本当に怖いのは、多くの腎臓病において初期では「無症状」だということです。学校での検尿や健康診断での「検尿異常」だけが手がかりなので、尿検査の結果を軽視せず専門の医療機関に相談してほしいですね。

Q血尿やタンパク尿が出る原因は? 放っておくとどうなりますか?
A
さかもと内科腎クリニック 血尿、タンパク尿は炎症のサインかもしれない

▲血尿、タンパク尿は炎症のサインかもしれない

腎臓には、血液を濾して余分な水と老廃物を尿として排泄する役割をする糸球体があります。この糸球体に炎症が起きると、ざるの目がほころびたときのように、大切な赤血球やタンパク成分が尿に漏れ出てしまいます。これが血尿、タンパク尿の正体です。糸球体腎炎には急性と慢性があり、急性糸球体腎炎は、肉眼的血尿やむくみなど自覚症状があり、数週間の治療で済む場合が多いです。一方で慢性糸球体腎炎は気づかないうちに進行します。壊れてしまった糸球体は、残念ながら元に戻ることはなく、数年から数十年後には透析治療が必要になることもあるのです。

Q慢性糸球体腎炎の診断と治療について教えてください。
A
さかもと内科腎クリニック 尿検査と血液検査、必要に応じて生体検査なども行う

▲尿検査と血液検査、必要に応じて生体検査なども行う

健康診断で異常があった場合、まず詳しい尿検査を行います。血液検査や腎エコー検査かCT検査を行い、タンパク尿が多ければ腎生検の検討が必要です。腎生検には約5日間の入院が伴いますので、本当に必要な患者さんにお勧めしています。また、慢性糸球体腎炎は種類が多く、治療法が異なるため正確な診断が大切です。例えば、「IgA腎症」は若い時期の発症が多く、青年期での発症を放置すれば40〜50代で透析が必要となるでしょう。初期であれば、免疫抑制剤などで完全寛解や進行をかなり遅らせることが期待できます。タンパク尿が少ない軽症の慢性糸球体腎炎では、まず降圧剤や抗血小板剤やSGLT2阻害薬などの内服治療を行います。

Qこちらで行っている治療の特徴を教えてください。
A
さかもと内科腎クリニック 医療機関同士での情報交換が患者を守ることにつながる

▲医療機関同士での情報交換が患者を守ることにつながる

腎生検やステロイド治療が必要な重い腎臓病の患者さんは、連携する総合病院の腎臓内科に検査や治療を依頼します。入院の必要がない方やステロイド治療を終えて安定した方には、再発や悪化がないか慎重に経過を診ながら内服治療を行います。腎臓病は糖尿病や高血圧などの生活習慣病の影響もあるので、合併する他の病気も考慮しつつ治療方針を決め、ステージに応じた食事指導も行います。さらに腎保護作用が期待できるSGLT2阻害薬や降圧剤などによる新たな治療法もありますので、患者さんに合わせてご提案しています。腎臓病は進行すると感染症などの治療薬が制限されることもありますが、医療者間で密に連携し安全な治療に努めています。

Q腎臓病の予防のために日常生活で気をつけるべきことは何ですか?
A
さかもと内科腎クリニック 日頃の食事や生活習慣全般のアドバイスを行っている

▲日頃の食事や生活習慣全般のアドバイスを行っている

腎臓病の治療では生活習慣全般に気を配る必要があります。食事においてはまず塩分制限、さらにタンパク質やカリウムの管理が必要になることもあります。香辛料やうまみなどを効かせて、塩味が薄くてもおいしい料理を知っていただけると良いですね。他の病気になったときには、市販の痛み止めなどにも注意が必要です。熱中症や急性下痢症などによる脱水も腎機能を急激に悪化させるので、日頃の予防や起きてしまったときの対策なども知っておいてほしいですね。薄味でバランスの良い食事で、薬の過剰な使用を避け、適切な水分補給を心がけるなど、腎臓に負担をかけないよう暮らしていくことが腎臓病の予防・治療につながります。

ドクターからのメッセージ

坂本 いずみ院長

腎臓病は放置すると着々と進行し、やがて腎不全になります。末期腎不全になれば透析治療が必要で、体や生活への負担は非常に大きなものとなります。しかし身近な尿検査をきっかけにして腎臓病の早期発見ができれば、透析を受けずに済んだり、その時期を遅らせたりすることができるのです。尿検査の重要性や、腎臓に負担をかけない生活のポイントを知ってもらい、一人でも多くの人が腎臓病と縁のない生活を送れると良いと思います。

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