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血尿・タンパク尿に要注意
腎臓病の検査と治療

さかもと内科腎クリニック

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2021/10/12

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  • 保険診療

尿をつくる臓器である“腎臓”を、普段の生活で意識することはほとんどないだろう。小学校時代から定期的に行う検尿だが、「血尿」や「タンパク尿」の指摘があったとしても結果を重要視しない人も多いようだ。しかし、血尿やタンパク尿は、腎臓病の発見のチャンスとも言える。腎臓病の初期には自覚症状がほとんどない。むくみや倦怠感などの症状が出る時にはかなり進行した腎不全になっていることもあるそう。早期発見のためには、まず、検尿異常を軽視しないことが重要だ。「さかもと内科腎クリニック」の坂本いずみ院長に、腎臓病の検査・診断のプロセスとその後の治療や生活について、また、早期発見・治療の重要性について、詳しく解説してもらった。

(取材日2020年8月27日)

尿検査の異常を見逃さず、腎臓病の早期発見・治療をめざす

Q腎臓病につながる症状とは、どのようなものですか?
A
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▲尿検査の結果から適切な治療へとつなげることが重要

腎臓病の種類によって症状は違います。「むくみ」が出る場合にはネフローゼ症候群や進行した腎不全の可能性があります。尿の色が赤色や濃い茶色に見える「肉眼的血尿」は、尿路結石、腎臓・膀胱の悪性腫瘍、血管炎や急性腎炎やIgA腎症など糸球体腎炎が考えられます。「背部痛、下腹部痛」で尿管結石が見つかることもあります。しかし、恐ろしいことに、多くの腎臓病は「無症状」です。この場合、学校検尿や健康診断での「検尿異常」だけが手がかりなので、尿検査の結果を軽視せず、専門の医療機関に相談してほしいですね。

Q血尿やタンパク尿がでる原因は? 放っておくとどうなりますか?
A
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▲血尿、タンパク尿は炎症のサインかもしれない

腎臓には、血液を濾して余分な水と老廃物を尿として排泄する役割をする糸球体があります。この糸球体に炎症が起きると、ざるの目がほころびたときのように、大切な赤血球やタンパク成分が尿に漏れ出てしまいます。これが血尿、タンパク尿の正体です。糸球体腎炎には急性と慢性があり、急性糸球体腎炎は、肉眼的血尿やむくみなど自覚症状があります。数週間の治療で済む場合が多いです。一方で慢性糸球体腎炎は気づかないうちに進行します。壊れてしまった糸球体は、残念ながら元どおりに治ることはなく、数年から数十年後には透析治療が必要になることも。初期であれば進行を遅らせたりする治療がありますので、早期発見・治療が大切です。

Q慢性糸球体腎炎の診断と治療について教えてください。
A
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▲尿検査と血液検査、必要に応じて生体検査なども行う

健康診断で異常を指摘された場合、まずは尿の再検査をします。その後、血液検査やエコー検査、CT検査を行い、タンパク尿が多い場合は腎生検を行います。腎生検は約5日間の入院が必要ですので、本当に必要な患者さんにだけ勧めています。慢性糸球体腎炎には多くの種類があり、それぞれ治療法が異なるため正確な診断が大切です。例えば、「IgA腎症」は若い時期に発症することが多く、青年期に発症した場合、放置すれば40〜50代で透析が必要となってしまいます。早期に診断しステロイド治療などを行えば病気の勢いを止めることが望める場合もあるので早期の治療が大切です。軽症の慢性腎炎では、降圧剤や抗血小板剤の内服治療を行います。

Qこちらで行っている治療の特徴を教えてください。
A
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▲医療機関同士での情報交換が患者を守ることにつながる

腎生検やステロイド治療が必要な重い腎臓病の患者さんは、連携する総合病院の腎臓内科に検査や治療を依頼しています。入院の必要がない患者さんやステロイド治療を終えて安定した患者さんには、再発や悪化がないか慎重に経過を診ながら内服治療を行います。腎臓病は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の影響もあるので、合併する他の病気も考慮しつつ治療の方針を決め、腎臓病のステージに応じた食事指導も行います。腎不全になると、歯科や外科の治療が難しいケースもありますが、医療者間で密に連携をとり、安全に治療ができるよう努めています。腎臓病治療を中心に据えながら、患者さんの健康のためにできることを全力でやっていきたいですね。

Q腎臓病の予防のために、日常生活で気をつけることは何ですか?
A
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▲日頃の食事や生活習慣全般のアドバイスを行っている

腎臓病の治療では、生活習慣全般に気を配る必要があります。食事においてはまず塩分制限、さらにタンパク質やカリウムの管理が必要になることもあります。香辛料やうまみなどを効かせて、塩味が薄くてもおいしい料理を知っていただけると良いですね。他の病気になったときの薬にも注意が必要で、市販の痛み止めなどは使えません。熱中症も腎機能を悪化させるので、注意が必要です。腎臓病にならないようにするためには、薄味でバランスの良い食事で、薬の過剰な使用を避け、適切な水分補給を心がけることが大切です。腎臓に負担をかけ過ぎないよう暮らしていくことが、腎臓病の予防・治療につながります。

ドクターからのメッセージ

坂本 いずみ院長

腎臓病は放置すると着々と進行し、やがて腎不全になります。末期腎不全になれば透析治療が必要で、体や生活への負担は非常に大きなものとなります。しかし身近な尿検査をきっかけにして腎臓病の早期発見ができれば、透析を受けずに済んだり、その時期を遅らすことができるのです。尿検査の重要性や、腎臓に負担をかけない生活のポイントを知ってもらい、一人でも多くの人が腎臓病と縁のない生活を送れると良いと思います。

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