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坂本 いずみ 院長の独自取材記事

さかもと内科腎クリニック

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2021/10/12

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繁華街である栄に、多くの診療所や調剤薬局が一堂に会したビルがある。エスエル医療グループというこの医療モールに2020年1月に開業した腎臓内科が「さかもと内科腎クリニック」だ。坂本いずみ院長は、腎臓病の治療はもちろん、老年内科の診療にも注力。「腎臓病を患う方や、複数の疾患を抱える高齢者の主治医として、他の病気の治療や予防にも目配りして全人的な治療をしたい」と意義と展望を語る。腎臓病患者の実態を踏まえながら、総合的な医療をめざす坂本院長に、その想いを聞いた。

(取材日2020年8月27日)

腎臓内科の専門性を生かして開業

開業までの経緯について教えてください。

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以前は総合病院で腎臓病と透析治療を担当していました。腎疾患の診療には、膠原病や老年内科の知識も必要なので、これらの分野の勉強もしました。急性期のチーム診療では、患者さんを助けるという一つの目的のため、医師やナース、医療スタッフと診療にあたります。パズルのピースがあうように治療がうまくいったときには強いやりがいを感じていました。そんな折、エスエル医療グループで唯一の腎臓内科クリニックである「鈴木内科」の閉院にあたり、先輩の鈴木善充先生から強いお誘いを受け、使命を感じて2020年1月に継承開業をしました。クリニックの役割は慢性疾患を安定させて合併症を防ぎ、生活習慣病の発症を予防すること、また重大疾患を早期に発見して急性期病院に引き継ぐことだと思っています。ギアを入れかえ、今後は開業医として地域医療のお役に立ちたいと思います。

こちらは、たくさんのクリニックが入った医療ビルなのですね。

35のクリニックと薬局が入っています。CTを備えたレントゲン室や専門的な検体検査を行う検査設備もあります。それぞれ独立した専門クリニックが総合病院に劣らないほどそろっており、ベテラン医師に継続的に診てもらえるところが魅力ではないでしょうか。エスエルグループの医師は、患者さんのため互いに連携していこうという気持ちが強く、必要に応じて検査結果の共有やお薬手帳の活用もしています。顔の見える関係ということもあり、医師同士、スタッフ同士もとても仲が良いんですよ。開業して半年以上たちますが、腎臓の専門家として他のクリニックの先生方にも必要としていただけているようで、そのことにも喜びを感じています。

患者さんはどのような方が多いですか?

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いろいろな方が来られます。検尿異常や慢性腎炎は学生さんやビジネスパーソンが多いですね。オフィス街で交通機関のアクセスも良いので、安定した高血圧や糖尿病の患者さんは仕事の合間に受診されることもあります。慢性腎不全は加齢による進行もあるので、中高年の方が多く、つえや車いすでの通院もあります。ご近所の方もあれば、遠くは県外から来られる方もいらっしゃいます。クリニック診療を始めてうれしかったのは、通院患者さんの多くが生活を楽しんでおられることです。病気のご苦労話ばかりでなく、趣味のこと、ご自身の生き方、これからやりたいこと、どう生きてどう最期を迎えたいかなどさまざまなことをにこにこと話してくださるんですよね。このようなコミュニケーションをとりながら、一人ひとりの治療方針を患者さんと一緒に考えることが大切だと思っています。

腎臓病を中心に、複数の疾患を総合的にサポート

腎臓病とはどのような病気ですか?

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例えばタンパク尿や血尿でわかる慢性糸球体腎炎は比較的若い人に多い病気で、むくみやだるさなどで始まるネフローゼ症候群は幅広い年代で起こります。また、糖尿病や高血圧から腎機能が低下することも少なくありません。慢性腎臓病は長い時間をかけて進行し、やがて透析が必要となる負担の大きな病気です。初期には自覚症状がほとんどなく、判明した時にはかなり進行している場合もあります。悪くなった腎組織は元の良い状態に戻ることはありませんので、とにかく早期発見が重要です。血尿の原因を調べる中で膀胱がんや腎臓がんが見つかることもあります。尿が茶色いと感じたり、むくみがでたり、血尿・たんぱく尿が指摘された場合には、ぜひ相談してください。

腎臓病の治療はどんなものですか。

薬の服用と食事の管理が中心です。食事療法では塩分やたんぱく質を制限していきます。塩分を控えるのはなかなか難しいですよね。味つけのコツや外食の選び方など、専門の栄養士から具体的な提案をさせていただきます。腎臓病が進行すると、使用できる薬が制限され、投与量の調整も必要になるため、歯科受診や外科治療が難しいこともあります。当院では他のクリニックや病院と連携し、適切な治療を受けられるよう調整もしています。その他、市販の痛み止めの服用を控えること、水分を適切にとること、血圧の管理、適度な運動や禁煙なども大切です。すべてを完璧に改善するのは難しいですが、生涯にわたって付き合っていく病気なので、無理なく着実に生活を変えていくお手伝いができればうれしいです。

老年内科にも注力されているようですが、これはどんな診療科ですか?

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加齢により、筋力や内臓の働きは衰え、視力聴力も低下するといった、いわゆる「老年症候群」が出てきます。さらに複数の病気を抱えたり、認知機能が低下して介護が必要になる方も。こういった状況に寄り添う専門の医療が老年内科で、高齢者の総合診療を担う科目ともいえます。考慮すべき点として、例えば薬の問題があります。複数の病院で処方された薬の飲み合わせが悪かったり、行く先々の病院で睡眠薬を希望して飲みすぎてしまったり、腎機能が低下した小柄な高齢者では通常量の薬でも多すぎることもあります。そのような場合には、主治医として全体をまとめるアドバイスをすることもあります。これまでの経験やキャリアを生かして、すてきに年齢を重ねていくことができるようお手伝いをしたいですね。

患者の知る権利を尊重したい

先生が医師をめざしたのはなぜですか。

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子どもの頃から生き物が好きだったことと、「人の役に立つ仕事をしたい」という思いが、医師になった理由の一つです。多くの生き物に触れて、またその死をリアルに感じた少女時代の経験が命の大切さを教えてくれたように思います。失われてしまった命は取り返しがつかないことを身をもって体験するのは、子どもにとって、とても貴重なことですよね。今でも生き物は大好きで、4人家族と4匹の猫、そしてたくさんの花と暮らしています。

先生の医師としてのモットーを教えてください。

「わかりづらく難しい検査結果や、患者さんにとって良くない情報であっても、きちんと理解してもらえるように、すべて丁寧に説明する」ということです。研修医の時、ある先輩医師はどんな患者さんにも検査結果をすべて丁寧に説明していました。混み合った外来でここまで時間をかけなくても結果が治療につながればいいのではと私は思いました。しかし先輩は「お金を払って自分の体をさらして、検査を受けた患者さんはすべてを知る権利があるのよ」と。当たり前のことですが本当に感服し、それ以来、私もその方針を守っています。

患者さんとの深いコミュニケーションを大切にしているんですね。

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医師としての進路を内科に決めた時、先輩から「内科医師には優しさが必要だけど優しいだけでは駄目。その優しさは科学的な知識に裏づけられたものでなくてはいけない。一緒に勉強しましょう」というメッセージをいただきました。医師は患者さんにとって良くない話でも伝える必要がありますが、受け手の覚悟ができているかを見極めて慎重にお話しするようにしています。患者さんへの伝達の基盤になっているのが科学的な診療です。必ず根拠を持って治療をし、患者さんにも理解してもらうために、丁寧にお話ししていきたいですね。腎臓病は長く付き合っていく病気ですから、ご自身の病気について知ることはとても大切です。疑問があれば気軽にご相談いただけるよう、まずは「話しかけやすい先生」でいたいと思っています。前任の先生を信頼していた患者さんの気持ちに応え、また新たな患者さんの期待に応えるためにも、今後も真摯に医療に向き合っていきたいです。

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