早期発見・早期治療につながる
想いやりのある大腸内視鏡検査
せたがや内科・消化器クリニック
(世田谷区/桜新町駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
大腸がんは早期の発見が肝心。しかし、早期発見に役立つ内視鏡検査は一般的に苦痛を伴うイメージがあり、受診をためらっている人は多いのではないだろうか。しかし、2019年12月に開院した「せたがや内科・消化器クリニック」では、検査希望者はどんどん増え続けているという。富沢賢治院長は、大腸がんの手術、診療で知られる虎の門病院で研鑽を積んだ後、同院を開院。患者の負担に配慮した内視鏡検査を行い、地域での早期発見・早期治療に努めている。今回は、富沢院長が実践する「想いやりの大腸内視鏡検査」について話を聞いた。
(取材日2020年3月3日)
目次
身体的な苦痛・精神的な不安・時間の拘束の解消をめざし、内視鏡検査をもっと身近に
- Q内視鏡検査ではどのようなことを大切にしていますか?
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A
胃と大腸のがんは、早期に治療すれば改善を見込める病気です。そこで早期に発見するために有用なのが、内視鏡検査です。しかし、「内視鏡検査はつらい」というイメージがあり、検査をせずにいる方も多いのではないかと思います。そこで当院では、患者さんが楽に受けられるように、苦痛の少ない検査をめざしています。具体的には鎮静剤・鎮痛剤を使用して、患者さんが眠っている間に検査を行います。また、土日も検査を行っていますし、胃と大腸の検査を同日に行うことも可能です。検査を受けたいと思ったタイミングで予約がとれるようにスタッフと体制を組んでいますので、時間の確保もしやすいと思います。
- Q大腸内視鏡検査を受けるべき目安はありますか?
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A
40歳になったら検査を受けるのが理想です。ただし、20代でも大腸がんになる人はいますので、若い頃から意識したほうが良いでしょう。特に血便があったら検査を受けることをお勧めします。便秘や下痢など排便の悩みがある方や、家族が大腸がんや大腸ポリープになったという方も、一度検査を受けることをお勧めします。また、日本で大腸がんが増えているのは食生活の欧米化も関係しているといわれていますので、偏った食事をしている人も気をつけたほうがいいですね。内視鏡検査ではがん以外の病気、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸の憩室症なども発見することができます。おなかが弱く心配がある人も、検査を受けてみると良いでしょう。
- Q食事制限や下剤の服用など、どんな準備が必要ですか?
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A
予約後に来院していただき、まずは問診と検査のご説明をします。検査は看護師複数人の体制で対応し、安全かつ早いタイミングで実施できるように努めています。大腸の検査は最短で翌日、胃の検査は最短で当日から可能です。検査前の食事制限は、大腸の場合、通常は検査の3日前から海藻・こんにゃく・きのこ類など繊維質の多い食品を避けます。希望する方には検査食も用意しています。前日20時までに夕食を終え、翌日、検査終了まで水とお茶以外の食事は禁止です。前日は22時に服用、当日は検査4時間前から前処置用の下剤内服を開始します。当日の下剤の内服はご自宅でも当院でもどちらでも可能です。
- Q検査中・検査後がつらそうなイメージがあります。
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A
当院では、できるだけ苦痛の少ない検査をめざしています。内視鏡の挿入時に刺激がないように努めていますし、鎮静剤・鎮痛剤も、さまざまな種類がある中、負担が少なく、効きと目覚めが早いものを選ぶようにしています。検査後におなかが張りにくいような二酸化炭素送気という工夫もしています。目が覚めると検査が終わっているので、検査を受けた方が喜んでくださり、ご家族に勧めてくださることもありますね。胃と大腸の検査を同日に行った場合でも、検査後の安静時間も含めて計1時間半程度で帰宅できるので、気軽に受診してもらえたらと思います。
- Qもし異変が見つかった場合はどうなりますか?
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A
検査時にポリープが見つかったらその場で日帰りで切除できますので、良性のポリープであれば入院などの心配はありません。万が一、がんが見つかり、大腸の手術が必要になれば、数日内にすぐに連携先の虎の門病院を受診してもらいます。虎の門病院大腸外科は、年間数多くの大腸がん手術および診療を行っており、さまざまな症例があります。患者さん一人ひとりの症状を踏まえ、考え得るリスクなど考慮した上で、CT検査など専門的な検査を行い、他に転移がないかどうかを調べます。必要な場合には、可及的速やかな腹腔鏡手術やロボット手術が可能です。退院後は当院で術後のケアを受けることができますので、地域の方の通院も楽だと思います。