全国のドクター9,025人の想いを取材
クリニック・病院 161,457件の情報を掲載(2020年2月29日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 茨木市
  4. 茨木市駅
  5. おくだ内科クリニック
  6. 奥田 和人 院長

奥田 和人 院長の独自取材記事

おくだ内科クリニック

(茨木市/茨木市駅)

最終更新日:2019/10/30

193296 %e3%81%8a%e3%81%8f%e3%81%a0%e5%86%85%e7%a7%91%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%83%83%e3%82%af

阪急京都本線の茨木市駅でから東へ徒歩約3分。阪急東中央商店街に面したビルの4階に「おくだ内科クリニック」がある。エレベーターを降りると、カフェを思わせるリラックス感のある内装の待合室が広がる。院長の奥田和人(かずと)先生は、神経内科で難症例に多く接し、患者に寄り添うことの大切さを実感。さらに、総合病院で在宅診療部長を務め、より理想に近い診療をめざしてクリニックを開業した。現在は、一般内科、認知症などを扱う老年内科の外来診療と在宅診療をクリニックの2本柱としている。奥田院長に、クリニックの特徴や高齢者医療、在宅医療にかける思いなどを語ってもらった。
(取材日2019年10月15日)

理想に近い診療の提供ををめざし開業

開業のきっかけを教えてください。

1

勤務していた病院で、自分の思う在宅診療を続けることが難しくなり、自分で動く必要があると思ったからです。在宅の患者さんが増えると、急に呼ばれて診療に向かうこともその分多くなります。患者さんのニーズに素早く応えることは、信頼関係を築く上でとても大切なこと。しかし、シフトの関係などで看護師さんが同行するのが難しいことも多く、患者さんが望んでおられる在宅診療の提供が難しい状態にあったのです。

現在の場所で開業されたのはなぜですか。

ご高齢の方が多く、僕の考える診療に適しているということで紹介いただきました。当初は、在宅診療に特化して開業しようと考えていたのですが、駅近の物件だったので、外来診療も行うクリニックにしました。また、認知症の外来や老年内科で患者さんを高齢者に絞るつもりだったのですが、ビル内の整形外科クリニックの先生から内科全般を診療してほしいと声をかけていただき、一般内科も診ることにしました。現在は、外来診療と在宅診療を2本柱で診療していますが、両方でたくさんの患者さんを診るのはやはり無理があるので、将来的に両者をどのような比率にしていくのか、地域のニーズに合わせて考えていくつもりです。

どんな患者さんが来られていますか。

2

高血圧や高脂血症といった生活習慣病で受診される方のほか、老年内科を掲げていることもあり、認知症かどうか不安なので調べてほしいと来られる方もおられます。在宅診療に力を入れているので、在宅診療とはどういうものなのか、親御さんを診てもらえるかといった相談で来られる方もおられます。在宅では診療内容が限られると思われがちですが、外来診療でできることは、在宅診療でもほぼ同様にできるようにしています。

「老年内科」というのはどういう診療科なのですか。

高齢者に合わせた内科診療を行う診療科です。年齢を重ねると臓器が弱ってくるので、若い人と同じ治療はできないこともあります。ですので、患者さん一人ひとりに合わせてお薬の量を加減する必要もありますし、加えて高齢者特有の疾患が現れてくることも多いのです。現在は、主に認知症の方が受診されています。認知症は注力していきたい分野で、受診が難しくなった場合には、在宅診療へシフトして、最終的には看取りも含めてお世話していきたいと考えています。高齢者の診療はご本人、ご家族と医師との信頼関係で成り立っているので、最期まで診させていただくという安心感が必要だと思います。

患者も家族も幸せになってもらいたい

患者さんと接する際に大事にされていることを教えてください。

3

患者さんが何を求めておられるか、しっかりつかむということです。こちらの思いだけで接してもコミュニケーションが成立しないし、患者さんにとっては不本意な診療をされたということにもなりかねません。具体的には、病気について丁寧に説明して、治療の選択肢を提示するようにしています。受診された方が、ご自身の病気や治療について新しい情報を得られることで、「来て良かった」と思っていただけることを大事にしています。

認知症の患者さんの場合は、ご家族にも配慮が必要ですね。

認知症の患者さんご本人だけでなく、ご家族にも幸せになってもらいたいのです。理想は、ご本人の苦痛を軽減し、ご家族にも満足して帰っていただくこと。このため、ご家族には認知症になったご本人はどんなことを苦痛に感じるのかということをご理解いただきながら、子どもさんや赤ちゃんという思いで接してくださいとお願いしています。認知症を発症する前の「親」という視点で見ると、「なぜこんな状態になったのか」といら立ってしまうこともあるでしょう。そうなると、ご本人には怒られたことだけが記憶として残ってしまうということにもなりかねません。小さな子どものようにとらえてあげれば、言い争いも少なくなるでしょうし、ご本人とご家族の幸せにもつながっていくと思います。

認知症の診療について教えてください。

4

親御さんの言動が以前と違うなど、気になることがあれば、まずは相談にいらしてください。ご本人の同行が難しい場合は、ご家族のみでもかまいません。ご家族と打ち合わせして、どうやって受診につなげるかを考えましょう。認知症の場合は、症状の度合いによって受診頻度が異なり、徘徊など問題がある場合はある程度頻回に診させていただき、問題に合わせてお薬などを調整します。落ち着いておられる方については月に1回から半年に1回まで、診療頻度はさまざまです。

診療以外の活動にも取り組んでおられますね。

家の中で思い悩んでいる認知症の患者さんやご家族には、悩みを共有できる機会、安らぎを感じられる場所が必要と以前から考えていました。なかなか実現できずにいたのですが、開業するならクリニック内にそのような場を設けようと考えて、待合室を喫茶店風の造りにしました。今後、“認知症カフェ”のように使っていただけるようにと考えています。また、病院に勤務していた頃は、ケアマネジャーや近隣の住民の方を招いて、認知症のセミナーを開催していました。セミナーをきっかけに、在宅診療のことを知っていただき、患者さんが増えたという経緯もあります。今はクリニックでの診療と在宅診療に忙殺されていますが、将来的に認知症の勉強会なども開催して、みんなで学べる場をつくれればと考えています。

長く深く患者と関わりたいとの思いから内科の道へ

医師をめざしたきっかけを教えてください。

5

妹が脳性まひということがきっかけです。家族や周囲には医師がいなかったので、両親も僕に医師をめざしてほしいと考えていたと思います。なかなか友達ができない妹を見て、当初は障害者を専門的に診る医師や小児科の医師を考えていました。もっとも、若い頃は外科医師としてオペで腕を奮うというのに憧れたこともあります。結果的に内科を選んだのは、医師として長く深く患者さんと関われると思ったからです。

内科の中でも神経内科を専攻されました。

母校の医局の中で、幅広いことが学べる環境が整っていたからです。専門領域だけでなくさまざまなことが経験でき、全身を診る内科医師としていい経験を積めました。専門性を追求するというよりも広く学んで、例えば僕の両親のように、どこに相談すればいいのかわからないといった悩みに対応していきたいという思いがありました。一方、専門領域では、脳梗塞の後遺症やパーキンソン病などの難病の患者さんをたくさん診させていただきました。治療の難しい疾患も多く、診療は悩みを聞く時間になることもありましたが、粘り強く患者さんの話を聞くという今の診療スタイルはこの時に培われたと思います。

先生のリフレッシュ法は何ですか。

6

忙しくてリフレッシュのための時間がないのですが、トイプードルを飼っているので、世話をしたり、散歩をしたりという時間がリフレッシュになっています。患者さんに飛びついたりしないようにトレーニングをして、アレルギーなどの問題がなければ、将来的には認知症カフェのセラピードッグとしてご高齢の方に癒やしを与えられる存在になればと思っています。

読者にアドバイスをお願いします。

認知症は早い段階で周囲が気づいて、受診させてあげることが大切です。電話で話しているときは、会話がかみ合わないので気づきやすいのですが、同居の家族では気づきにくいのが現状です。それは、相手に「イエス」という答えをさせる話し方をしがちだからです。例えば、「○○さんが来たね」と聞くと相手はたとえ理解していなくても「そう」と答えたり、うなずいたりすることがあります。しかし、「誰が来た?」と尋ね方を変えると、認知症に気づくきっかけになることもあります。もし会話に不安な点があるなら速やかに医療機関に相談してください。

Access