高齢者に多く発症する下肢静脈瘤
日帰り治療で早期に対処を
足の静脈瘤クリニック横浜院
(横浜市西区/横浜駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
足がむくみやすいという高齢者や女性も多いと思われるが、夕方になると足がひどくだるい、重苦しいなどと感じる場合もあるだろう。実はそれらの症状は下肢静脈瘤が原因であるかもしれない。「足の静脈瘤クリニック横浜院」の新藤貴雄院長は、「下肢静脈瘤は良性疾患であるため軽視されがちですが、そのまま放っておくと皮膚疾患を引き起こすことも考えられます」と話す。老年期にそうならないよう、まずは下肢静脈瘤について正しい知識を知っておきたい。治療法として最近では低侵襲性の日帰りで行える治療も登場しているという。新藤院長に下肢静脈瘤の症状や治療法などについて話を聞いた。
(取材日2019年10月15日)
目次
体への負担が軽減される短時間で行う治療法
- Q下肢静脈瘤とはどんな疾患なのですか。
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A
▲優しいスタッフが迎えてくれる
足の静脈には血液の逆流を防ぐための弁がついています。下肢静脈瘤は、この弁が壊れて、本来心臓に戻るべき血液が逆流し、静脈にたまってしまう疾患です。初期では、足がだるい、重苦しい、むくむ、疲れやすい、よく足がつるなどの症状がみられます。その後、進行すると血管がぼこぼこと膨れ上がってこぶのようになったり、浮き出てきたりします。さらに悪化すると皮膚のかゆみ、色素沈着、皮膚潰瘍、皮膚が赤く腫れあがるといった皮膚のトラブルも出てきます。下肢静脈瘤自体は良性の病気ですので、直接命に関わることはありません。ですが、下肢静脈瘤は自然に治ることもなく、放置しておくと少しずつ進行していきます。
- Q治療方法について教えてください。
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A
▲下肢静脈瘤の日帰り手術に対応
症状によって治療方法は異なります。初期でまだ軽症の場合は、生活習慣の改善や弾性ストッキングの着用によって症状の進行を抑えていきます。静脈がこぶのようにぼこぼこと膨らんだ伏在型静脈瘤の場合、血管内カテーテル治療を行います。これは逆流を起こしている静脈内を高周波の熱で焼灼して血管を閉じる治療法で、高周波治療とも呼ばれます。また、静脈が蜘蛛の巣状や網目状になっている場合は、硬化療法を行います。これは静脈に硬化剤という薬を注入し、その後弾性ストッキングなどで圧迫し、静脈瘤そのものを退化、消失させることを目的としています。血管内カテーテル治療、硬化療法、いずれも保険適用で、日帰りで実施されています。
- Qどんな人が治療を受けるべきですか。
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A
▲早めの受診を勧めている
足がひどく重い、だるくてつらい、足がよくつるという場合や、血管が膨らんだり、異常な形に透けて見えたりといった外見が気になる場合は受診して検査を受けたほうが良いでしょう。下肢静脈瘤は、特に60歳以上に女性に多く発症すると言われています。遺伝的要素もあると考えられていますので、親族に発症した人がいる場合は注意してください。美容師や調理師のようにあまり歩かずに立ち仕事をしている人、妊娠、出産経験のある人も発症しやすいと言われています。男性の場合は肥満が発症リスクとなります。下肢静脈瘤は、加齢とともに徐々に進行していきますので、異常に気づいたら早期に受診してください。
- Q治療の時間はどのくらいかかりますか。
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A
▲患者の症状に合わせ、幅広い治療法を用意
高周波治療の場合、治療時間は片側15~30分程度です。両足でもおおよそ60分以内で終わります。硬化療法の場合、治療時間は静脈に注射するだけで済みますので、約5分~10分程度です。ただ症状の出ている範囲や患者さんの要望によって若干時間がかかる場合もありますが、できる限り最短の時間で行っています。
- Q日頃から気をつけるポイントについて教えてください。
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A
▲少しの悩みでも気軽に相談しよう
立ち仕事をしている人や足がむくみやすい人は、日ごろから圧の強いストッキングを着用して逆流予防をすると良いでしょう。ただ、個人によって適切な圧がありますので、できれば静脈瘤専門のクリニックで、弾性ストッキングを出してもらったほうがベターです。足の筋肉を動かすことは血行促進にもなりますので、足首を回すなどしてふくらはぎの筋肉を動かしてください。ふくらはぎは第2の心臓と言われています。また、肥満にも気をつけてください。下肢静脈瘤は見た目でわかりやすい部分もありますので、下肢の皮膚や血管の変化もよく観察して、どこか異常を発見したら早めに下肢静脈瘤専門のクリニックを受診してください。