小児矯正はタイミングの見極めが重要
小児の予防歯科と矯正歯科
あさひ大沢歯科
(尾張旭市/印場駅)
最終更新日:2024/11/05
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生まれてきた子どもの健康を支えるのは、親にとって大切な仕事の一つ。日頃の手入れが如実に現れる歯は、特に親が介入しやすい部分だ。しかも近年は、小児歯科に注力する歯科医院も多く心強い。乳児期から予防歯科を受診し、子どもにとってその歯科医院が身近で安心できる場所になっていれば、たとえ矯正が必要になったとしても通院はスムーズに運ぶだろう。小児矯正や予防歯科に注力する「あさひ大沢歯科」の大澤祐樹院長も、「乳児期から通っているお子さんは、虫歯予防だけでなく、歯科医院に慣れることができるメリットもあります。そうでないお子さんと比べると治療もスムーズですね」と話す。小児の予防歯科を受診する意味と、矯正が必要になった場合について話を聞いた。
(取材日2024年8月22日)
目次
乳歯も永久歯が正しく生えるための大事な存在。予防歯科で乳児期から虫歯を予防し、矯正の時期を見極める
- Q乳歯はいずれ生え替わりますが、小児の予防歯科は必要ですか?
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A
乳歯は後から生えてくる永久歯に影響を与えます。例えば乳歯の根の先まで虫歯が進むと、永久歯は根の先にある炎症を避けるように斜めに生えてしまいます。それなら乳歯を早く抜いてしまえばいいかというと、そうではありません。永久歯が生え始める前に抜いてしまうと、抜いた場所を埋めようとして残っている歯が動くので、永久歯が生える空間が少なくなり、歯並びが乱れてしまいかねません。また、虫歯で歯を削ると、ごくわずかですが歯のサイズが小さくなります。小さな隙間ができることで後ろの歯が隙間を埋めようと前に動くと、永久歯の生えるスペースがなくなる可能性があります。乳歯は、永久歯が適切に生えるために大事な存在なのです。
- Q予防のためには、いつ頃から通院したら良いのでしょうか?
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A
年に3~4回の高濃度フッ素塗布が虫歯予防に有用とされていますから、6ヵ月の乳児期から3~4ヵ月に1度の受診を目安にしてください。当院の予防歯科では、虫歯を予防しつつ、将来の歯並びが悪くなる要素を早期発見して対処していきます。虫歯だけでなく、舌で歯を押したり口をいつも開けていたりといった良くない癖など、悪い歯並びにはさまざまな要因があるので、包括的に診ることは大事ですね。歯のサイズや顎の大きさを見ることで、将来の歯並びについてある程度予測ができます。定期的に通院していただければ成長に合わせたサポートもできますので、無理なく通いやすい歯科医院で定期検診をすることはお勧めですね。
- Q小児矯正を始める時期と内容について教えてください。
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A
開始時期は1番早くて4歳くらいからです。その場合、歯を動かすよう図るというよりも、顎のバランスを整えるための装置を使った矯正を行います。最初は違和感や痛みがあるので、4歳児には受け入れが難しいのですが、乳児期から予防歯科に通院しているお子さんは歯科医院に対しての安心感があるため、装置の導入も比較的スムーズです。気持ちの準備のためにも、予防歯科の定期検診が大切です。矯正法は、取り外しのできる床矯正やマウスピース型装置を用いた矯正、永久歯があるならワイヤーを使ったブラケット矯正などがあります。小児期は骨の柔軟性も高く装置にも適応しやすいので、歯や顎の大きさに問題がない場合には小児矯正に有利です。
- Q期間や費用についても教えてください。
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A
期間や費用はお子さんの状況によって違います。当院での治療期間の多くは、永久歯が生えそろう12歳くらいまでを目途としています。 歯や顎の大きさによって、小児期から始める場合と大人になってから始めたほうがいい場合があるため、当院では一旦その時点で判断して、治療時期を検討します。 また、ゴールのイメージを歯科医師と事前にすり合わせることも大事ですね。 軽度の噛み合わせの治療は5万円程度。小児矯正治療の多くは30万円〜です。その後、成人矯正治療も引き続き必要な場合はプラス45万円。大人の歯にすべて生え替わった状態で成人矯正治療を開始する場合は70〜80万程度です。医療費控除も受けることができます。
- Q矯正中のお子さんや保護者の方にアドバイスをお願いします。
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A
矯正装置については、初めのうちはしゃべりづらさや痛みもありますが、1週間ぐらいで慣れていきます。もちろん、痛みを我慢する必要はなく、装置を緩めてゆっくりと進めることもできるので、予約した次の受診日でなくてもご来院いただければと思います。矯正を行うお子さんを見ていて、成長を感じることがあります。装置を自分でつけ外しをして管理することが、日常生活の規律や自立にもつながっているようなので、保護者の方も気長に成長を見守ってほしいですね。お子さんと保護者の方、歯科医師の3人で協力し合っていくことが、スムーズな矯正につながります。定期的に歯科医院に通うことは、自我の発達にもプラスになると思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正(1期+2期)/70万円~80万円、小児矯正(1期=床矯正やマウスピース型装置等を用いた矯正)/30万円~(成人矯正治療も引き続き必要な場合はプラス45万円)、軽度の噛み合わせの治療/5万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。