不眠や疲労感、抑うつ、性欲の低下
男性更年期障害を改善に導く
マイシティクリニック
(新宿区/新宿駅)
最終更新日:2024/08/21
- 保険診療
働き盛りの中高年男性を襲う、不眠や疲労感、抑うつ、性欲の低下。「男性更年期障害」は、女性だけでなく、男性にも起こる更年期障害として近年注目を集めている。身体面のみならず精神面にも症状が出やすく、患者は原因不明のうつ傾向に戸惑い、大きな不安を抱えるという。男性機能に脅威をもたらし、出社する気力まで失われる男性更年期障害には、どんな治療法があるのか。どういった症状が重なったら、男性更年期障害を疑うべきなのか。長らく男性更年期障害の診療にあたってきた「マイシティクリニック」の平澤精一院長に、診断方法や主な治療法、症状の改善に向けた取り組みについて聞いた。
(取材日2016年2月23日)
目次
専用の問診票とホルモン検査から病気を特定し、治療の方向性を定める
- Q「男性更年期障害」とは、どのような病気ですか?
-
A
加齢によって男性ホルモンが低下すると、体内のホルモンバランスが崩れます。やがて、めまいやほてり、発汗、体力低下といった身体症状に加え、意欲低下や性欲減少、うつ傾向などの精神症状も見られるようになってきます。女性の更年期障害に似た症状が現れることから「男性更年期障害」と名付けられましたが、ホルモン低下を伴わない患者さんも少なくありません。ホルモン低下を伴う男性更年期障害は「LOH症候群」と定義されていますが、どちらにしても元気がなくなり、無力感に陥ったり、悲しい気分に覆われてしまうようになります。
- Qどういったタイプの人が、かかりやすいのですか?
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A
年代層としては、働き盛りの中高年。その中でも、真面目な人や几帳面な人、責任感の強い人がなりやすいと言えるでしょう。実は男性更年期障害には、日々のストレスも大きく関わっています。社会的な立場や自身の性格から、精神的なストレスにさらされやすい人は要注意でしょうね。また、エネルギッシュな人やパワフルな人など、いわゆる男性らしい、男性ホルモンの分泌が多かったと考えられる人の場合は、分泌量の減少により症状が出やすくなります。若い頃から続けていたスポーツをやめた人、加齢とともに肥満傾向が出てきた人も、男性更年期障害になりやすいようです。
- Qどんな症状が出てきますか?
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A
身体面に現れる主な症状は、めまいや動悸、発汗、ほてりなど。全身の倦怠感や疲労感、関節痛に悩まされることもありますし、体力や持続力の低下、記憶力や集中力の低下を感じる人も多いようですね。身長の低下や、体重の増加が見られることもあります。精神面に現れる症状としては、抑うつ状態や苛立ち、集中力の低下、無気力など。当院の患者さんには、不安感や緊張感の増大、睡眠障害、食欲の変化、神経過敏を訴える方も大勢いらっしゃいます。また、性欲の減少や勃起障害といった性機能関連に症状が出てくることも、男性更年期障害の大きな特徴です。
- Q原因として何が考えられますか?
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A
男性ホルモンの低下が原因となる場合が多いのは事実ですが、これまでの診療経験を振り返ると、心身にかかるストレスから発症する人も少なくありません。男性ホルモンの分泌量のピークは、20代から30代にかけて。40代に入ると、加齢に従って次第に減少していきます。もちろん、男性ホルモンの分泌量にも、減少の仕方にも個人差がありますし、ストレス要因も人それぞれ。それでも、真面目で勤勉な人ほど男性更年期障害になりやすいため、心身に現れるさまざまな症状に診断をつけ、治療の方向性をきちんと決定づけることが大切だと考えています。
- Q実際の診療は、どんなことから始まりますか?
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A
当院では、国際的にも認められている男性更年期障害用の問診票と、ホルモン検査から診療を開始しています。ホルモン低下を伴うものはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症)と診断し、それ以外のケースを男性更年期障害として治療にあたっています。患者さんの多くは原因不明のうつ傾向に思い悩んでいますから、症状の原因と治療の方向性を示すだけでも安心するようです。治療は保険適用内のホルモン補充療法を中心に、必要に応じて塗り薬や勃起不全薬なども処方しています。精神科や心療内科とも連携していますから、男性更年期障害ではなく他の精神疾患だった場合は、症状に応じて最適な医療機関を迅速に紹介しています。