星山 文明 院長、糸賀 明子 先生の独自取材記事
ほしやまクリニック
(大阪市北区/西梅田駅)
最終更新日:2025/11/28
大阪メトロ御堂筋線の梅田駅から徒歩約5分。大阪梅田メディカルセンター内にあり、泌尿器科と腎臓内科の診療を行う「ほしやまクリニック」。働き盛りの世代が男女問わず相談しやすい「オフィス街の救急箱」をめざし、男性更年期障害や膀胱炎、睡眠時無呼吸症候群、女性の閉経関連尿路性器症候群などの診療に注力している。同じ建物内に複数のクリニックがあり、診療科を超えた連携が可能なことも特徴の一つだ。院長の星山文明先生は、患者一人ひとりに寄り添う姿勢を大切に、日々の診療に尽力。取材では星山院長と、泌尿器科の診療を担当する糸賀明子先生に、同クリニックの特色や患者への思いなどについてじっくり語ってもらった。
(取材日2025年08月26日)
他の診療科と連携し、働き盛り世代の悩みに寄り添う
こちらのクリニックの特徴について教えてください。

【星山院長】当クリニックは、泌尿器科全般に対応しています。まだあまり知られていない男性の更年期障害の相談が可能な他、膀胱炎や夜間頻尿、睡眠時無呼吸症候群などが中心です。ヒルトンプラザという場所柄もあり、忙しく働く方が多くいらっしゃいます。そういった方々が、些細な不調を感じたときに気軽に立ち寄れる、「オフィス街の救急箱」のような存在でありたいと考えています。特に泌尿器科の疾患は相談しづらい部分もあるでしょうから、なるべく受診のハードルを下げる取り組みをしています。また今回、糸賀先生の着任により、ご夫婦やパートナーでの受診環境も整いました。
最近、目立つ主訴はありますか。
【星山院長】男性は更年期障害、女性は膀胱炎の相談が多いです。実は私自身も、以前、更年期障害で苦しんだ時期がありました。仕事を頑張りすぎたためか、心身ともに非常につらい時期があったんです。自分が男性更年期障害になった経験から、「同じように悩んでいる人の力になりたい」と考えたため、開業しました。
男性の更年期障害は、どのような症状が見られたら相談すればいいでしょうか?

【星山院長】男性更年期障害の症状は、やる気が出ない、不眠、イライラなど多岐にわたります。また、「以前のように手際良く仕事ができない」など、周囲への影響に悩んでいる方も多いかと思います。内科や精神科での相談から、男性更年期に伴う諸症状に対応できる当クリニックに行きついたという方もおられます。男性ホルモンは20代をピークに緩やかに減少していき、そこに疲れやストレスなどの負荷がかかると、更年期の症状が現れます。男性ホルモンが低下すると、内臓肥満になって生活習慣病を患ったり、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患を引き起こしたりすることも。また、将来、介護が必要になりやすい虚弱な状態につながる可能性も考えられます。ご家族から見て「体がつらそう」「最近ふさぎがち」などの変化に気づいた場合も、ご相談いただければと思います。
男性更年期障害の啓発や女性の膀胱炎治療に注力
女性医師がいることで、女性も気兼ねなく相談できそうです。

【星山院長】泌尿器科医のうち、女性医師の割合は10%ほどだというデータがあります。皮膚科では約50%、婦人科でも35%ほどが女性医師ですので、他の診療科と比べるとまだまだ少ないですよね。当クリニックでは、常勤の糸賀先生や非常勤の女性医師が診療する時間を設けているので、とても心強いですし、女性が相談しやすい環境が整っていると思います。
【糸賀先生】ご縁があり、2025年8月よりこちらに入職しました。泌尿器科の場合、たとえ気になる症状があっても「男性医師には話しづらい」と感じ、受診をためらう女性もいるでしょう。そういった方々に、「女性医師になら相談できるかもしれない」と感じてもらえたらうれしいですね。一人でも多くの方を適切な治療へつなげられたらと思っています。
膀胱炎に関して気をつけるべきことはありますか?
【糸賀先生】膀胱炎は身近な症状ということもあり、自己判断で受診しない方もおられると思います。また、内科や婦人科を受診して、尿の検査のみ行い、膀胱炎の薬をもらうことを繰り返している方もいるかもしれません。しかし、そのようなケースの中にも、膀胱のがんや間質性膀胱炎といった珍しい膀胱炎が隠れている可能性も捨てきれません。過去に検査や治療をしたものの症状が改善しない場合、こうした病気が見つかる可能性があります。気になる症状が続く場合は、ぜひ泌尿器科を受診してほしいと思います。当クリニックでは必要に応じてエコー検査などを行い、適切な診断と治療による症状の根本的な改善をめざします。
診療で気をつけていることはありますか?

【糸賀先生】「膀胱は心の鏡」だと先輩医師から教わりました。というのも、おしっこのトラブルというと体の病気だとイメージされる方が多いですが、実はストレスなどの精神的な要因が大きく影響しているケースが少なくありません。ですので皆さんに同じようにお薬をお出しするのではなく、まずはその方が職場でストレスを感じていないかなど、精神面も含めて、じっくりお話を聞いています。心の不調が症状に関係しているとわかれば、それだけでも患者さんは少しほっとするのではないでしょうか。検査や治療だけでは解決できない面があるので、患者さんとの対話に大きな意味があると考えています。
デリケートな泌尿器科の症状も相談しやすい体制へ
エイジングケアのご相談も多いそうですね。

【糸賀先生】はい。日本は超高齢社会が進んでいるので、高齢になっても元気に生活を送れるよう、健康寿命を延ばすことが大切です。当クリニックでは、これまで男性のエイジングケアに注力してきましたが、今後はご夫婦やパートナーと一緒にご相談いただけるよう、女性のライフステージの変化に伴うフェムゾーンの診療にも力を入れます。残念ながら、エイジングケアは保険外の診療も多いですが、健康意識の高い患者さんも多く、ご自身の健康のためのケアの需要が高まっていると感じています。活力注射などの保険外診療も行っておりますので、ご夫婦やパートナーと一緒にお気軽にご相談ください。
「大阪梅田メディカルセンター」内のクリニックとの連携はいかがですか?
【星山院長】こちらのメディカルセンターは、主に大学の先輩・後輩がタッグを組み、医師が中心となって2019年に立ち上げました。泌尿器科である当クリニックのほか、内科、心療内科、精神科、整形外科、形成外科、皮膚科、婦人科などのクリニックと薬局があり、その連携も強みです。例えば男性の更年期障害のご相談を当クリニックで引き受けた場合は、私の兄が院長を務める、1つ上の階の整形外科で骨密度の検査を、内科で動脈硬化などの検査をスムーズに受けていただけます。男性更年期を患う方に運動のアドバイスをする際は、整形外科と連携して進めることも多く、同じ建物内で包括的に患者さんを診られるのは大きな利点です。私が別で携わっている訪問看護ステーションとの連携も可能ですので、必要に応じて各医療機関と協力し、患者さんをサポートしています。
医療機関の連携は、患者さんにとってとても心強いですね。

【星山院長】そう感じていただけたらうれしいです。私自身はこれまで、前立腺肥大症などの排尿障害もある疾患や、泌尿器科領域のがんや尿路結石症、慢性腎臓病や血液透析などを対象に、全人的に診療を行ってきました。院内でも泌尿器科領域内の検査はほぼ行えるくらい設備を整えており、もし手術が必要な場合は連携している大阪回生病院などをご紹介いたします。大阪回生病院は開業直前まで私が部長として勤務していた関係から、患者さんのご希望に応じて私が執刀することが可能ですし、術後は当クリニックで経過を診ていくこともできますので、何でもご相談ください。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
【星山院長】泌尿器科に対して、受診のハードルが高いと感じる患者さんが多いと思います。当クリニックには女性医師が在籍しており、男性更年期障害を経験した私もいますから、どうか一人で悩まずにお気軽にお越しください。体の症状だけでなく、ストレスなどの精神的な症状にも目を向け、根本的な解決を一緒に考えましょう。体調が不安だと気持ちも沈んでしまうので、患者さんが少しでも前向きな気持ちになっていただけるようコミュニケーションも意識しています。治療が進めば患者さんも自然と笑顔が増えて、心も癒やせるのではないかと考えています。今後も、スタッフとともに良い雰囲気づくりに取り組み、患者さんが気楽に楽しくお話しできるクリニックでありたいなと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは活力注射/2750円~

