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岩見 久司 院長の独自取材記事

いわみ眼科

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2024/03/07

岩見久司院長 いわみ眼科 main

阪神本線芦屋駅から徒歩1分。芦屋川すぐ横のビルの4階にある「いわみ眼科」は、岩見久司院長が2018年6月に開業したクリニックだ。加齢黄斑変性症など難治性疾患を筆頭に、緑内障、白内障、ドライアイ、一般眼科診療に対応している。ドイツで専門とする加齢黄斑変性の発生メカニズムや予防策の研究に従事し、この分野において高い専門性を持つ岩見院長。診察まで時間がかかる大学病院の外来診療を目の当たりにし、患者負担を少しでも軽減させたいと同院をオープン。開業から5年がたった今は地域の医療充実に尽力していきたいと夢を膨らませている。高い専門性と患者に寄り添った姿勢で日々診察に取り組む岩見院長に、眼科診療への強い想いや力を入れている治療についてたっぷり聞いた。

(取材日2019年1月18日/情報更新日2023年11月2日)

誰もがかかりつけ医を持って、将来も安心できる環境を

医師をめざされた理由やこれまでのご経歴を教えてください。

岩見久司院長 いわみ眼科1

もともと、専門的な知識や能力を生かせる仕事に就きたいと思っていました。医学部に進み、顕微鏡を使った手術に関心を持ち、眼科の道を選びました。眼球は透明な臓器で、とてもきれいなんですよ。その美しさに惹かれたところもあります。専門は、加齢黄斑変性です。留学先のドイツ・リューベック大学で、まだ詳しい発生メカニズムが解明できていない加齢黄斑変性の予防策の研究に従事しました。その後、大阪市立大学附属病院、兵庫医科大学病院で、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症をはじめ、ぶどう膜炎や白内障、緑内障など幅広く治療を手がけてきました。現在、診療の傍ら、兵庫医科大学で教育・指導も担当しています。

大学病院などで長く経験を積まれている先生が、開業されたきっかけは何ですか?

加齢黄斑変性の患者さんは増えているのに、勤務していた大学病院の外来診療は週2日しかなく、診察まで5時間待ちという状態でした。高齢の患者さんには負担が大きく、中には治療を中断する人もいるほど。そんな患者さんの負担を少しでも軽減したいと思うようになったことがきっかけです。特に神戸市や西宮市に大きな病院はあるものの、芦屋市には少なく医療圏に穴が空いている状態で。それでこの街に開業を決めたんです。現在、当診療所では週5日診療ができますので、救える患者さんの数が増えてやりがいを感じています。加齢黄斑変性など専門性の高い治療ができる診療所を町中につくって、気軽に受診してもらいたい。これが私の開業当初の想いです。

開業から5年がたちました。お気持ちの変化はありますか?

岩見久司院長 いわみ眼科2

開業当初は「どこまでできるかわからないが頑張ろう」という気持ちでしたが、今は「クリニックでもここまでできる」と自信を持てるほどになっています。検査機器などの設備面、スタッフ力、治療できる患者さんの数も高いレベルに発展しました。これからは人生100年時代を見据えた診療を行っていかなくてはいけません。平均寿命80歳前後だった頃と比べてさらに20年間、目を健康な状態で持たせることが私たちに課せられた使命です。誰もが眼科のかかりつけ医を持って、定期的に通院できるようにして、「アイフレイル」といった「未病の状態」を見つけ出し、早期に介入していくことが求められています。そういった眼科診療のニュースタンダードをわれわれがつくって、賛同してくださるほかのクリニックと一緒に、この地域の目で困る人の割合をもっと減らしていくことが、今の目標ですね。

専門性の高さと患者に寄り添う診察が特徴

精度の高い検査機器が充実していますね。

岩見久司院長 いわみ眼科3

眼科にとって検査機器が果たす役割は大きいです。眼球のサイズは2センチ。網膜の厚さは0.2ミリ。そこにたまる水は10ミクロン。こんなミクロな世界ですから、正確な検査ができるように先進の検査機器を導入しています。網膜の断層写真を撮る光干渉断層計や視野検査器など高レベルのものがそろっています。「ここに来たら目に関することはすべて調べてもらえる」と頼っていただけたらうれしいですね。特に中高年に多い加齢黄斑変性や緑内障は、治療といっても進行抑制をめざすだけで元どおりになるわけではありませんから、やはり早期発見が重要です。病気かどうか疑わしい時も、きちんと検査して「これなら大丈夫」と言い切れる診療をめざしていきたいと思っています。

診察時に気をつけていることは何ですか?

患者さんから話を聞くことです。患者さんからの訴えがないと必要な情報量が激減し、良い治療が行えませんから、医師と患者さんのコミュニケーションはとても重要です。中には、眼科とは関係ない不調やお悩みを聞くこともあり得ます。特に私が注力する網膜の病気は動脈硬化などの血管疾患に関係することもあって、ほかの病気のサインに気づくこともあるからです。「これは、きちんと検査が必要」と思った時には、内科など他の診療科を紹介します。自分の診療範囲に限らず、さまざまな面から患者さんの健康を支え、健康寿命と生物学的寿命を一致させることが私の人生でめざすところですね。

医療従事者教育には院内・院外問わず取り組んでおられます。

岩見久司院長 いわみ眼科4

もっとたくさんの患者さんを診ていくには、スタッフ教育や育成は欠かせません。さまざまなところで講演や勉強会を行っています。例えば、世間で眼鏡をしている人のおよそ3分の1の人が適切な眼鏡をしていないといわれているのも、視能訓練士など眼科検査のプロが少ないことが影響しているのかもしれません。老眼鏡などが気軽に買えるのはいいことですが、自分に合ってない眼鏡ではかえって生活の質を下げることにもつながりかねません。一説には、適切な老眼鏡をしていないことにより、仕事に困難を感じたり、眠りの質が下がったり、自覚的な幸福度も下がるといわれています。当院には視能訓練士が4人います。老眼が強くなる40代後半、50代、60代あるいは子どもの眼鏡をつくる場合はぜひ眼科での検査をお勧めしたいですね。

予防から治療、その後のサポートまで相談できる医院

2023年4月からは予約制を導入されました。

岩見久司院長 いわみ眼科5

これまでどうしても待ち時間が長いことが課題でした。2023年4月から予約制を導入し、ようやく解消に向かっています。現在は私を含めて常勤ドクターが2人、非常勤が5人で診療をしています。私は目の奥の病気が専門ですが、もう1人の女性の先生はドライアイやアレルギーなど目の表面の診療が得意。患者さんのお悩みに応じて、お互いの得意分野を生かしながら診療にあたっています。非常勤の先生というと不安に思う人もいるのですが、お越しの先生の中には大規模病院で部長を務められているベテラン先生もいます。どの先生も当院の哲学に乗っ取って診療していますし、万が一大きな病気が見つかった場合には、必ず私につないでもらうようにしていますので安心してほしいと思います。

今後の展望について教えてください。

これからも皆さんの健康を管理できる高機能の眼科クリニックとして進化し続けたいと思っています。少なくとも芦屋市内の患者さんで、無治療あるいは低治療の状態で、困っている方をゼロにしたい。他の病院やクリニックで治療が困難な時、私のところに駆け込んできてもらえたらうれしいですね。そして、ゆくゆくは地域全体の検診率を上げていきたいと考えています。例えば白内障は80歳以上での有病率はほぼ100%ですが、まだまだ受診率は低いです。また、小児の近視の増加も心配です。当院ではオルソケラトロジーという特殊なコンタクトレンズによる近視治療にも注力しており、数多くの児童を診ています。病気になってからではなく、未然に対処することで重症化を防げます。検診率を上げることは、当院だけでは難しいですが他クリニックや市とも連携をとり、協力してやっていけたらと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

岩見久司院長 いわみ眼科6

目の病気は生死には関わりませんが、生活の質を左右します。「乾燥していないか?」「目の病気になる可能性はどれくらい?」など検査を受けていただければ、今の目の状態について適切な情報をお伝えできます。まずは目の健康を意識して来院してほしいですね。また、目に関わることならどのような相談にも乗っています。最近では、デジタル依存症の親子カウンセリングのほか、目がほとんど見えなくなった人のロービジョンケアにも取り組んでいます。予防から治療・手術、その後のサポートまで、目に関することなら何でも相談できるところとして、これからも地域の方々のお役に立っていければ幸いです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

オルソケラトロジー:検査費用/1万円、片眼レンズ費用/4万4000円、両眼レンズ費用/8万8000円、1ヵ月目の診察代/1万円、2ヵ月目以降の診察代/5000円

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