高齢女性に多い下肢静脈瘤
体に負担の少ない日帰り治療も可能に
ちば静脈瘤クリニック
(千葉市中央区/千葉駅)
最終更新日:2021/10/12
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主に高齢の女性に多く発症する下肢静脈瘤。足の血管がぼこぼこと盛り上がっている老齢の女性を見かけたこともあるだろう。「ちば下肢静脈瘤クリニック」の姫田十二院長は、「下肢静脈瘤は、命に関わる重大に病気ではないとされ、医師から気にしなくて大丈夫などと言われて、そのままにしておいたら、いつの間にか血管がひどく膨れ上がったという例も多くみられます。そうならないためにも下肢静脈瘤の正しい知識や治療方法についてぜひ知っておいていただきたいですね」と話す。治療法として、最近では低侵襲性の日帰り治療も登場しているとのことだ。姫田院長に症状や治療法などについて教えてもらった。
(取材日2018年12月12日)
目次
短時間の治療で見た目の改善をめざす
- Q下肢静脈瘤とはどんな症状なのですか?
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A
血管には心臓から血液を送り出す動脈、末端から心臓に血液を戻す静脈があります。足の静脈は、重力に逆らって上向きに血液が流れていますので、静脈の内側には、逆流を防ぐための弁がついています。下肢静脈瘤はこの弁が壊れることによって起こります。弁が壊れると足に血液がたまり、やがて静脈がこぶのようにぼこぼこと膨らんだり、蜘蛛の巣状に広がって見えるようになります。それが下肢静脈瘤です。このような外見症状のほかにも、足がつる、足がだるい、重い、疲れやすい、かゆいなどといった症状も出てきます。症状や進行具合には個人差がありますが、下肢静脈瘤が自然に治ることはありません。
- Q治療方法について教えてください。
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A
治療法は大きく分けて、保存的治療、硬化療法、血管内治療があります。軽症の場合、保存的療法として生活習慣の改善や弾性ストッキングの着用によって症状の改善や進行抑制を図ります。蜘蛛の巣状や網目状に静脈が広がっている場合、静脈に薬を直接注射し、その後、弾性ストッキングなどで圧迫し、静脈そのものを退化、消失させる目的の硬化療法を行います。また、太い血管がぼこぼこと膨らんでいる場合は、血管内治療を行います。これは静脈の中に高周波を当ててその熱によって静脈をふさぐ方法で、高周波治療とも呼ばれます。硬化療法、高周波治療いずれも保険適用で、日帰りで実施されています。
- Qどんな人が治療を受けるべきですか?
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A
発症は主に60歳以上の高齢女性に多く、遺伝的要素が強いと考えられていますので、家族に発症した人がいる場合は注意が必要です。妊娠、出産経験のある人、あまり距離を歩かず立ち仕事をしている人も発症しやすいといわれています。血管が膨らんだり、異常な形に透けて見えたりなど外見が気になる場合や、足の重み、だるさをひどく感じる場合は受診して検査を受けたほうが良いでしょう。下肢静脈瘤は基本的に良性の疾患ですが、加齢とともに徐々に進行していきますので、異常に気づいたらなるべく早期に受診するようにしましょう。
- Q治療の時間や費用はどのくらいかかりますか。
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A
硬化療法にかかる時間は、静脈に注射をするだけで済みますので、通常約5~10分ほどです。また、高周波治療の場合は、治療時間は片側20~30分ほど。両足でも40~50分ほどで終わります。
- Q日頃から気をつけるポイントについて教えてください。
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A
足がむくみやすい人や立ち仕事の多い人は、日頃から圧の強いストッキングを着用して血行を促進すると良いでしょう。血行促進には筋肉を動かすことが効果的ですので、足首を回すなどしてふくらはぎの筋肉をよく動かしてください。ふくらはぎは第2の心臓といわれています。下肢の皮膚や血管の変化もよく観察するようにしてください。どこか血管が膨らんでいたり、蜘蛛の巣状に広がっているのを発見したら、早め下肢静脈瘤専門のクリニックを受診するようにしましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは弾性ストッキング(保存療法の場合)/5500円(税込)~