その見えづらさ、原因はドライアイかも
ドライアイは眼科で治療を
衣笠あさかわ眼科
(横須賀市/衣笠駅)
最終更新日:2026/05/01
- 保険診療
目の乾きやゴロゴロ感を引き起こす原因の一つ、ドライアイ。涙の量や質が低下することで眼表面の状態が不安定になり、目の疲れや不快感を引き起こす疾患だ。加齢による変化に加え、スマートフォンやパソコンの使用、空調・環境などの影響により、近年は幅広い年代で症状が見られるようになっている。「目の乾燥感がなくても、見えにくいと感じる原因がドライアイにあるケースも少なくありません」と教えてくれたのは、「衣笠あさかわ眼科」の浅川晋宏理事長。よくある不調として軽視されがちだが、生活の質に大きく関わる疾患のため、眼科を受診し適切な治療を受けることが重要だという。点眼だけに限らず、原因やタイプに応じた多様な治療の選択肢が登場しているというドライアイ治療の現状について、詳しく解説してもらった。
(取材日2026年1月8日)
目次
選択肢が広がるドライアイ治療、適切な治療選択が生活の質向上の鍵に
- Qドライアイとは、どのような病気ですか?
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A
▲目の乾きだけでなく、見えにくいと感じることもあるという
ドライアイとは、目の表面を覆う涙の量が不足したり、涙の膜が不安定になることで蒸発しやすくなったりして、目の表面が乾燥して諸症状がでてしまいます。乾くというと単純に水分不足を想像されがちですが、実際には涙量不足だけでなく涙の成分バランスが崩れることでも、目を保護する働きが十分に果たせなくなってしまいます。症状としては目のゴロゴロ感・異物感・乾燥・充血・疲れ目などのほかに、意外に多いのが見えにくい・視界がぼやけるといった見え方の質の低下。実際には視力は矯正できても、ドライアイによる眼表面の乱れが原因で見え方が悪くなることはよくあります。軽い不調と捉えられがちですが生活の質に大きく関わる疾患です。
- Qドライアイの原因は何ですか?
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A
▲全身の病気が関係していることもあり、原因はさまざま
ドライアイの原因は一つではなく、年齢や生活環境、体の状態などが複雑に関係しています。加齢によって涙の分泌量や質が低下することはよく知られていますが、近年はパソコンやスマートフォンの使用による瞬きの減少、エアコンによる乾燥など、環境因子も大きな要因です。また、まぶたの縁にあるマイボーム腺という、涙の蒸発を防ぐ油分を分泌する器官の機能低下も、涙が蒸発しやすくなる原因になります。さらに、糖尿病や自己免疫疾患など、全身の病気が背景にあるケースもあります。どの年代でも起こり得るのがドライアイで、原因と適切な治療法は個々で異なります。
- Qドライアイで眼科を受診すべき基準はありますか?
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A
▲生活の質に大きく関わるため、早期の受診を推奨する
ドライアイの診断基準は、瞬きをせず目を開けて涙液層が乱れるまでの時間が5秒以内と短いことに加え、何らかの不快な症状があることです。症状があること自体が診断の大切な基準になります。目が乾く、ゴロゴロする、視界がぼやけて見えづらい、目薬が手放せないなど、日常生活に何らかの不快感がある場合は、眼科を受診すべきタイミングといえるでしょう。市販の目薬で一時的に楽になっても、根本的な原因が改善されていないケースも少なくありません。また、白内障手術を受けたのに、術後の見え方に改善が見られない場合にも、ドライアイが影響していることがあります。自己判断で放置せず、早めに眼科で評価を受けることが勧められます。
- Qドライアイと思われる場合、どのような検査をするのですか?
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A
▲涙の量や質などを調べることができる機器を使用
ドライアイの検査では、眼症状の質問票や涙の量や質、目の表面の状態を総合的に評価します。染色液を用いて角膜や結膜の傷の有無を確認したり、涙の広がり方や安定性を観察したりします。また、細隙灯検査でまぶたの状態を診て、炎症やマイボーム腺の詰まりなどがないかどうかも確認します。ドライアイは原因によって8つのタイプに分類され、どこに原因があるドライアイなのかを見極めることが治療の第一歩。原因に応じた適切な治療につなげることが重要です。近年は、ドライアイ診断に必要なまぶたや涙を層別に評価・数値化できる検査機器も登場しており、治療方針を立てる上での指標として活用されています。
- Qドライアイの治療法について教えてください。
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A
▲一人ひとりの症状に合った治療を進めていく
点眼治療が基本となり、不足している水分を補うため、涙の質を改善するためなど、症状に応じた目薬や涙点プラグを用いる方法もあります。従来は何種類かの目薬を試して、合うものを見つける治療が主流でした。涙のどの成分が不足しているかを調べ、それに合う目薬を処方することも可能です。一方で、点眼だけでは十分ではない場合もあります。点眼回数が多いと負担となり、用法どおりに目薬を差すのが難しくなります。そうしたケースに対し、まぶたの機能改善にアプローチする方法も研究されてきました。治療の負担を減らし、目薬だけに頼らず改善をめざせる時代になってきているのです。

