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塩地 英希 院長の独自取材記事

米子内科糖尿病clinic

(米子市/後藤駅)

最終更新日:2021/10/12

塩地英希院長 米子内科糖尿病clinic main

すっきりと整えられた待合室には優しい色合いのベンチや丸椅子が設置され、やわらかな雰囲気が漂う「米子内科糖尿病clinic」。院長の塩地英希先生が2018年4月に開業し、糖尿病治療を中心に内科やアレルギー科、老年内科の診療を行うクリニックだ。塩地院長は「人と関わる仕事がしたい」という強い思いを胸に、6年間の社会人経験を経て医師をめざした。そして研修医時代、糖尿病の治療は患者の生活に直結する病気であると感じ、糖尿病を専門に選んだという。一人ひとりにじっくりと向き合い、個々に合わせた診療を徹底する院長のもとには、多くの患者が訪れる。地域のかかりつけ医としての役割も担い、総合的なケアを提供する塩地院長に、診療の心がけや専門である糖尿病治療についてじっくりと聞いた。

(取材日2021年2月10日)

糖尿病の治療は患者の人生に大きく関わる重要な役割

先生は一度社会人をご経験なさった後、医師をめざされたと伺いました。

塩地英希院長 米子内科糖尿病clinic1

はい。上智大学外国語学部ドイツ語学科を卒業し、一般企業に6年間勤めました。会社員として働いているうちに、人ともっと直接関われる仕事がしたいと思うようになったのです。さらに考えを重ねていくうちに、生活を送る上で最終的に一番大切なことである、健康に携わる仕事がしたいと思うようになりました。健康は人生を送る上で、切っても切り離せないものだからです。人とその健康に関わる重要な仕事は、この世の中にたくさんあります。その中で医師という職業は、患者さんの人生に直結すると考え、医師を志そうと思いました。そして思い切って会社を退職し、2001年、鳥取大学医学部医学科に入学したのです。

糖尿病の治療に注力しようと思ったきっかけは何だったのでしょう。

研修医時代、患者さんを診療していくうちに、糖尿病はほかの病気と性質が大きく異なることに気がついたんです。糖尿病はどこかが痛くなったり、手術が必要になったり、急激に変化が起こる病気ではありません。生活習慣病であり、食事や運動、仕事、家庭環境、年齢など、その人の生活に直結するものなのです。私が興味を持っている「人と関わる仕事」という意味で、患者さんの人生に大きく関わる病気であることが、糖尿病を専門としようと思った理由ですね。

クリニックを開業された理由をお聞かせください。

塩地英希院長 米子内科糖尿病clinic2

糖尿病の治療は、定期通院が必要になります。患者さんにはそれぞれ個々のライフスタイルがありますから、それに合わせて、できるだけ臨機応変に対応したいという思いから開業を決意しました。当院は糖尿病・代謝内科のほかにも内科、アレルギー科、老年内科の診療も行っています。患者さんは地域の方に加え、県をまたいで来られる方もいますし、年齢もお若い方から高齢の方まで幅広いです。糖尿病専門として質の高い治療の提供をめざし、患者さんの通いやすさも重視しつつ、地域のかかりつけ医としてさまざまな相談に応じています。また病診連携、診診連携も行い、鳥取大学医学部附属病院や山陰労災病院、米子医療センター、博愛病院などと密に連携を取りながら診察を行っています。

患者の話にじっくりと耳を傾け、個々に合わせた診療を

診療において心がけていることはありますか?

塩地英希院長 米子内科糖尿病clinic3

できるだけ患者さんとよくお話しすることです。きちんとお話をして、患者さんの生活をしっかりと把握することは、糖尿病の領域において非常に大事なことなのです。そのためには、話しやすい雰囲気をつくることも重要だと考えています。私自身もそうですが、患者さんにとって「お医者さんに怒られる」ことは、避けたいですよね。ですので、話す時の口調も意識し、じっくりとお話しできる環境を整えたいと常に考えています。例えば毎月通っている患者さんには、どんな生活の変化があったのかを伺います。お孫さんが生まれた、息子さんがご結婚されたといった変化から雪が降って大変だった、肩の痛みがあったなど、前回から変わったことをしっかりと聞き出すことが、個々に合った糖尿病の治療に直結していきます。そうすることで、患者さんご自身も数値の変化にも納得できるのではないでしょうか。

先生は日本糖尿病学会糖尿病専門医ですが、専門家としての強みはどんなところにあるとお考えですか?

まず、糖尿病の治療は、多くの薬を摂取することになります。飲み薬や、インスリンをはじめとした注射薬などもそうですね。1種類で収まることはあまりなく、2〜3種類を組み合わせることになりますが、この薬の取り扱いは、糖尿病専門医でなければなかなか難しいのではと思います。数が多いとはいえ、ただやみくもに薬をお出しするのではなく、それぞれに合わせた薬を使用する必要があります。そのため、患者さんの仕事、食事、年齢、性別などを含め、どの薬を使用するのが最適かを適切に判断しなければなりません。また、生活指導もそうですね。ただ指導と言ってしまうと、堅苦しい印象になってしまうので、生活に対する助言と言っています。患者さんから生活に関するお話を聞き問題点を探り、その上でアドバイスを差し上げることができるのは、糖尿病専門医だからこそできることだと思います。

具体的にどのようなアドバイスを行うのでしょうか。

塩地英希院長 米子内科糖尿病clinic4

「私が患者さんの立場だったら?」と、常に自分に置き換えるようにし、あまり一度に多くを変えようとはしません。できるだけ1つのポイントに絞り、改善を促すことを意識しています。例えば鳥取県は車に乗る人が多く、商業施設に行けば駐車場に止めますよね。そのとき、入り口からできるだけ遠くに止めて歩きましょうとお伝えしたり、スマートフォンを持っていれば、そこに入っている歩数計を使って、1日の中で今より2000歩多く歩くようにしましょう、と言ったりすることもあります。おやつが多ければそれを減らしたりするのもいいですね。このように一人ひとりに合わせた内容を提供し、それができれば「次はこれをやってみましょう」と、小さな目標を積み重ねていきます。そうすることで、患者さんにも達成感や充実感を持っていただけますから。

具体的な助言をし、できる範囲で生活習慣の改善を促す

糖尿病の予防はできるのでしょうか。

塩地英希院長 米子内科糖尿病clinic5

予防のためにできることは一人ひとり違うので、一概には言えません。ただ糖尿病の患者さんは、食べることが大好きという方が多くいらっしゃいます。20代の頃は代謝が高く食べても太らないという人が多いですが、年齢とともに代謝や筋肉量が落ちていきます。そこで若い頃と同じように食べてしまうと、脂肪がつき、インスリン抵抗性が高まり、糖が下がりにくくなってしまうんですね。すると糖尿病予備軍の中に入り、その生活を続けると、糖尿病になってしまう可能性が高まるのです。

生活習慣を変えるのはかなり難しいことですよね。

そうですね。例えば、体重の多い方は食事と運動を行い、痩せることが必要になりますが、痩せることはすごく大変です。10代の頃のように毎日激しい運動もできませんから、1日2、30分でいいので歩いたり、自転車に乗ったりするようにお伝えします。まずは現在の体重から1、2キロの減量を、2ヵ月ほどかけてめざします。体重が安定している朝ごはんの前に体重計に乗って、1週間で0.2キロの減量ができれば、確実に体重が減っているのです。1ヵ月に1キロほど体重が減ればインスリンの効き目も促され、脂肪肝があった場合は改善も期待できます。また昨今話題になっている、フレイルやサルコペニアは女性に多い症状で、筋力や骨が弱くなってしまうものですが、そういった症状を防ぐためのアドバイスも行います。その方の体を総合的に捉え、患者さんに合った個々のやり方で取り組んでいくことが重要です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

塩地英希院長 米子内科糖尿病clinic6

私の専門である糖尿病は、ある日突然発症するのではなく、生活習慣の中で徐々に症状が出てきます。そのため、健診や人間ドックは積極的に受け、再検査が必要となった場合は、我慢せずに早めに受けるようにしていただけたらと思います。また当院は患者さんの通いやすさを重視しており、感染症対策も行っています。具体的には消毒、換気の徹底し、発熱がある方は駐車場や隔離した部屋で診察を行うなど、慢性疾患の患者さんとの接点を減らすようにしています。院内の掲示物はすべて外し、できるだけ患者さんに座ってお待ちいただくような環境を整えていますので、安心してご来院ください。

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