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吉村 和子 院長の独自取材記事

医療法人 吉村こどもクリニック

(北九州市門司区/門司駅)

最終更新日:2022/09/02

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JR門司駅から徒歩約13分の場所にある「吉村こどもクリニック」。やわらかい色味や円形の窓など、ほっとできる雰囲気をまとった同院を吉村和子院長が開業したのは2017年のこと。現在は感染症対策に追われながらも、真摯に患者とその保護者に向き合っている。「受診を控えたい気持ちもわかりますが、お子さんの表情や雰囲気を実際に見ないと正しい診断はできません。お子さんのためにも健診や診察は大切にしてください」と切実な色をにじませる院長に、同院が取り組んでいる感染症対策、診察で大切にしていることの他、院長の専門分野である成長障害についてなど、さまざまな話を聞いた。

(取材日2022年2月16日)

不安を抱えた保護者が、ほっと安心できる一言を大事に

広くてかわいらしい雰囲気のクリニックですね。

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ここはもともと、父が有床診療所を持つ整形外科のクリニックをやっていた場所なんです。父の引退に伴ってそれを一度閉院し、改めて私が小児科のクリニックとして開業したのが2017年のことでした。開業して2年ほどで新型コロナウイルス感染症の流行が広まってしまったため、今はキッズルームは使えないようにしています。お熱がある方などを中心に、受付後は駐車場の車の中で待機していただき、順番になれば携帯電話に連絡して診察室に入ってもらっています。お会計は感染症が明らかな方は車内で対応させていただいておりますので、安心される方も多いようです。ワクチン接種、健診は今までどおり院内で行っています。特にワクチン接種は、お子さんの体調が良好であることが前提ですから。

ホームページには「ウェブ問診」を用意されていますが、患者さんの反応はいかがですか?

まだ設置して間もないのですが、多くの方が利用してくださっていて驚いています。心配なことなどを記入できる自由欄があるのですが、そこにもびっしり記入されていて。クリニック側としては先に患者さんの情報を得られることで実際の診察もスムーズになりますし、お母さんをはじめとした保護者の方は、伝え漏れの心配などがなくなるのではないでしょうか。こちらに来てから記入する手間もなくなりますしね。小児科の患者さんはお子さん。自分でうまく言葉にできる年齢ではないことも多いですし、保護者の方からの情報はとても大切な要素なのです。もちろん診察時にはお子さんの表情、雰囲気、話せる子であればそこでのやりとりに加え、保護者の方の反応などもつぶさに見ていますよ。

お子さんだけではなく、保護者の方の様子もしっかりと見ていくのですね。

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こちらの説明を保護者の方がしっかり理解できているか、まだ聞きたいこと、不安なことが残っていないかなども、表情や雰囲気から察する部分です。特に初産のお母さんは慣れないことばかりですから、不安も大きいでしょう。でもその不安を払拭できるような言葉を、一言だけでも診察時にかけれるようにと、いつも心に留めています。どうしても診察では時間に追われることもありますので、そういう時はスタッフがしっかりお子さんと保護者の方をフォローしてくれるのでとてもありがたいですね。実際に子育て経験のあるスタッフも多いので、親御さんも安心して任せられるのではないかと思います。

低身長など、成長障害に関わる相談にも対応

先生は日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格もお持ちですね。

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一人の方を総合的に診られる点に魅力を感じて小児科を選んだのですが、低身長など内分泌に関わる分野にふれたのは、福岡大学病院で研修医として働いていた時に出会った先輩である先生のおかげです。私と同じ女性で、小児科の医師としての情熱にあふれる方で、ご自身の勉強もさることながら私を内分泌の勉強会に熱心に誘ってくださったり、そこで発表もさせてくださいました。1型の糖尿病患者さんを診る機会も持たせていただき、先輩方の手を借りながら懸命に診察をしていったことも、とても印象深いことでしたね。きっかけとなった先生も福岡市東区でお父さまのクリニックを院長として継承し、それこそ低身長のご相談から療育の相談など幅広くご活躍されていますが、今もとても仲良くしてくださっていますよ。

人としても勉強したい分野としても、良い出会いがあったのですね。

東京の国立成育医療研究センターの内分泌代謝科で働く機会もありましたし、良い縁に恵まれたのだと思います。当院にいらっしゃるのはほとんどがこの周辺に住んでいる方ですが、まれに、北九州市外から低身長の相談に来られる方もおられます。おそらくですが、保護者の方が通院しやすい時間に、低身長の相談に対応している医療機関が少ないのではないでしょうか。それにいきなり大学病院などに行くのは、やはり気が引けますよね。最初の相談窓口は開業医が担う大きな役割の一つですから、当院へ足を運んでくださるのはとてもうれしいですね。

健診やワクチン接種も、小児科が担う大きな役割ですね。

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最近は「ペリネイタルビジット」といって、出産された産婦人科さんからのご紹介で、生後2ヵ月になる前に当院で予防接種やクリニックの活用の仕方などを説明する機会があります。そのおかげか、予防接種や健診への理解が早い保護者の方が多い印象ですね。それらの定期的な通院と、日常的な風邪症状などで通院された時でしっかりと親子の関係を見ていくことも大事です。例えば健診を嫌がって泣いてしまい、健診がうまく進まなかった子がいれば、普段からこういう反応なのか、それとも今日はたまたま機嫌が悪いとか、病院の雰囲気を嫌がっただけなのかを、スタッフと連携しながら保護者の方に確認するようにします。その中で発達障害の可能性をどうしても拭いきれないとなれば、保健師さんや専門の病院を紹介することも考えます。

療育・虐待のセーフティーネットとしての役割も

健診や通院は、療育、虐待のセーフティーネットの役割もあるそうですね。

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可能性があるならばそれを看過せず、先手でしっかりと次の機関につなぐのが大切です。これは普段の診察も同じで、診察の最後には「こういう症状が出たらこうしてくださいね」と必ず伝えるようにしています。ときには本を使って「入院ではこういう準備が必要です」と伝えるなど、具体的に説明するよう心がけています。治るのも早いですが、悪くなるのも早いのがお子さんの特徴。特に3ヵ月未満のお子さんで熱が出たりすると敗血症の疑いもありますし、手術や入院に対応する二次救急機関にスピーディーにつなげるようにと、スタッフみんなも意識して動いていると思います。この大里(だいり)地区は比較的おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住んでいたり家が近い方が多く、入院する場合でも家族のフォローが受けられやすいようです。医師としても提案できる選択肢が多いほうが良いですし、お子さんが育つには非常にありがたい環境だと感じます。

クリニックのピンクのうさぎのロゴですが、こちらにはどんな意図が?

「吉村こどもクリニック」という名前だけでは、女性の先生なのか男性の先生なのかわかりづらいだろうと思ったんです。なので色味にピンクを取り入れて、デザイナーさんから提案されたロゴの中で周りにも好評だったうさぎを選びました。うさぎならお子さんもとっつきやすいでしょう。実際に「あのうさぎの病院に行こう」と認識しているお子さんや保護者の方も増えてきて、うれしい限りなんです。開業して2年ほどの、ちょうど地域に浸透してきた頃に新型コロナウイルスが流行し始めたのは正直痛手ではありますが、一方で、その中で何ができるか、どんな対策が取れるかを考え、それに共感してくださる保護者の方がおられるという実感も、少なからず得ているところです。

読者の方へのメッセージをお願いします。

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子どもの感染のきっかけをつくりたくないからと受診を控える方もおられますが、実際にお会いし、表情や雰囲気を見てみないことにはしっかりした診断がつけにくいのが実情です。ワクチン接種や健診、普段の風邪症状など、どうかお子さんのためにも地域のクリニックを頼ってほしいと思います。医療機関側も感染症対策など日々スタッフ一丸となって工夫を重ねていますし、お子さんを守りたい、保護者の方のフォローをしていきたいという思いは変わりません。お子さんの様子で何か気になること、子育てで不安なことがあれば、いつでも相談にいらしてくださいね。

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