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鎮目 学 理事長の独自取材記事

鎮目記念クリニック

(渋谷区/新宿駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR新宿駅南口から徒歩6分、都営地下鉄の新宿駅6番出口からは徒歩3分の場所にある「鎮目(しずめ)記念クリニック」。地元の人々がよく利用する一般内科に加え、内分泌内科では甲状腺疾患を中心に扱い、代謝・糖尿病内科ではいわゆる成人病の診療にあたる。遠方から評判を聞きつけ、通院する患者も少なくない。また、一般小児科は扱っていないものの、他院ではなかなか受診できない小児循環器科と成長障害(低身長)の診療を行っている。名誉院長を務める鎮目和夫先生が大学を退職する際に開院したクリニックで、今回は、三男の鎮目学先生がインタビューに答えてくださった。糖尿病や甲状腺・内分泌疾患を専門とする学先生。糖尿病との向き合い方や、判別しにくい甲状腺の病気の症状などについて伺った。患者と本気で向き合う学先生の瞳には力がみなぎっていた。
(取材日2012年9月13日)

若年化が進む糖尿病。初期段階では自覚症状がない恐怖

先生はこちらではどのようなお仕事をされているのでしょうか?

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内分泌・代謝担当の医師として勤務しています。当院を開業した鎮目和夫名誉院長は私の父で、将来的には常勤医として継ぐことになると思いますが、現在は、埼玉県の新座志木中央総合病院に常勤していて、ここでは週4日外来診療を行っています。医科大学を卒業した後も、研修先である東京医大に勤務しながら当院を手伝っていましたので、ペースは変わりないですね。当院では、もともと父が甲状腺の疾患や小児の成長障害などに関わる診療をしていたんですが、私は糖尿病を専門としています。ほかにも3人のドクターがいるんですが、全員、内分泌の専門医ですね。糖尿病と甲状腺関連の診療が中心ですが、一般的な内科疾患もすべて診ています。

どのような患者さんが多く来院されるのですか?

甲状腺疾患と糖尿病の方が圧倒的に多いですね。また、当院の特徴の一つとも言えるんですが、成長障害(低身長)の診療も行っていますので、小児の患者さんもいらっしゃいます。私の専門でもある糖尿病については、初期の段階では自覚症状がないために別の医療機関から紹介を受けていらっしゃる方が多いです。喉が渇く、トイレが近いという訴えで来院される方もいますが、多くは、眼科からの紹介や健康診断で糖尿病が疑わしいと指摘され受診されています。甲状腺疾患については、2011年の福島第一原発事故の影響もあって、最近、この病気について紹介しているテレビ番組や書籍が増えてきました。そのため、動悸がしたり、汗をかきやすくなったり、体重が減ってきたりといった自覚症状のある人がいらっしゃるケースも多くなっています。体の代謝が亢進する甲状腺機能亢進症の場合は、動悸・発汗障害・手の震え・体重減少などが自覚症状ですが、反対にホルモンが足りなくなる甲状腺機能低下症の場合には、代謝が悪くなるためにむくんできたり、皮膚の乾燥が強くなったりします。間違いやすいのは、抑うつ症状です。一見、やる気がなくなり、精神症状のように感じるために精神科や心療内科などを受診されることがあるんですが、採血をしてホルモンの状況を調べれば甲状腺疾患だということがすぐにわかります。いずれにしても、糖尿病と比べて自覚症状がありますので、本やインターネットなどで情報を得て来院される患者さんが多いと思います。

糖尿病の患者さんは増えているのですか?

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糖尿病は以前からありましたが、近年は激増傾向にあります。私の感覚では、糖尿病の診療は、世の中でニーズが高いと考えています。しかしどんどん増えている一方で、糖尿病に劇的に効く薬というものはなかなかないのが現状です。しかも、若年化が進んでいます。糖尿病の怖いところは、先ほども申し上げましたが、当初、自覚症状がないという点です。失明の一番の原因は糖尿病ですし、透析治療が必要となる腎不全も糖尿病が原因のトップになっています。さらに、足の壊疽(えそ)や心筋梗塞・脳梗塞なども糖尿病の方に圧倒的に多い病気です。若い方は糖尿病自体を知ってはいても、そこまで怖い病気だという認識がないのかもしれません。とくに20歳代の方は自分がかかるかもしれないなどとは思ってもいないのでしょうが、実際に私が勤めている埼玉の病院には、週に2人くらいは20〜30歳代の糖尿病の患者さんが来院しています。

糖尿病は努力で良くできる。悪い習慣を変えることが第一歩

糖尿病を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?

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何と言っても、まず食事に気をつけることです。飽食の時代になり、食生活が欧米化することによって、日本人の糖尿病は増加の一途をたどっています。私自身は現在糖尿病ではありませんが、今後食生活を含む生活習慣が悪化すれば発症するおそれがあります。糖尿病の場合、「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」という国際的な評価基準があり、数値で糖尿病のコントロール状況がわかります。これは、1〜2ヵ月の血糖値の平均を示すものなので、数値を良くするためには継続して血糖値を安定させなければいけません。中には血糖測定の前日に絶食をして一時的に血糖値を下げる人がいますが、そういったごまかしは効きません。また薬を使っていても、食生活が改善していない人は絶対に数値が良くなりません。だからこそ、良くなった時には自分の努力を実感できますし、継続するモチベーションにもつながっていきます。それが非常に重要なんです。長い間の習慣だから変えられないと言われる方もいますが、変えようと思えば変えることは可能です。病気が重くなって初めて後悔しても、手遅れとなって寝たきり状態になってしまうこともあります。40歳代で寝たきりになってしまう方もいるんです。現在は医療が発達したため、糖尿病そのものの急激な変化で亡くなることはあまりありませんが、そこから起こる合併症で亡くなる方は大勢います。そういったことを忍耐強く患者さんに伝えています。さらに、もっと大きな視点に立つと、糖尿病の増加は社会問題にも発展しているんです。今、糖尿病治療にかかる医療費だけでも急速に増加しており、さらに合併症治療も含めるとさらに大きな金額になります。このことが社会を圧迫することにもなるんです。

そんな糖尿病の患者さんと接する際に心がけていることなどはありますか?

糖尿病の患者さんには、一生治らない・一生好きな食事ができないというイメージが強く、治療に対するモチベーションが低下してしまう方も多いんです。もういいやと投げやりな気持ちになっている方も少なくありません。そんな患者さんに対し、いかに治療を継続していくことが大切かを理解していただく必要があります。糖尿病の治療の目的は、血糖コントロールを良好に保ち、合併症の発症、進展を予防し普通の人と同様のQOLを保ち寿命を迎えることにあるのです。しかも、私たちが治すのではなく、自分で治すという意識を持ってもらうことがとても大切なんです。そのために対話を続け、患者さんが途中で諦めてしまわないようにしなければなりません。糖尿病の場合は、生活そのものを変える必要があるため、病状に対する家族の理解と協力も不可欠です。本人にとっては、運動をしなくてはいけないとか、食事やお酒を減らさないといけないとか、いろいろな制限があり、ストレスがかかります。だから、それを上まわるメリットがあるということを知ってもらうために、さまざまな説明をしていきます。最初は乗り気ではない患者さんも、そこを理解していただくと、治療に対する姿勢が激変し血糖コントロールも劇的に改善します。そうなった時が、この仕事のなかで最もやりがいを感じる部分ですね。薬を追加するのではなく、減らすことが私たちの目標です。患者さんに対しても、「あなたががんばったおかげで薬が減りましたよ」と伝えることができれば、もっとがんばれるはずです。

患者が良くなり、元の生活に戻れることが「やる気」につながる

先生はなぜ医師をめざしたのですか?

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たぶん、小さい頃から、父には「医師になるんだよ」と言われていたと思います。私を大学の医局に連れて行ったり、自分が診察している横に座らせたりもしていました。私も、小学生時代の日記においては、すでに「医者になる」と書いていました。成長するにしたがって、なぜ自分は医師になりたいんだろうと疑問に感じた時期もありますが、実際になってみて、やはり良かったと思っています。忙しい反面、患者さんの具合が良くなるのを目にし、患者さんから「ありがとう」と言われるのは嬉しいですね。患者さんが回復し、後遺症などもなく、仕事や今までの生活に元気に戻っていく姿を見ることが私のやる気につながるんです。どちらかというと研究医であった父に対して、私は、実際に患者さんを診て、その人を治したり、接するなかでさまざまなことを学んだりという臨床の場が好きなタイプであるため外来診療の中で人と話すのは疲れることもありますが、辞めたいと思ったことはありません。なかには、初診時に口論になった方もいましたが、何度もお会いする中でお互いを理解できるようになり、10年来通ってくださっている患者さんもいてそのことをなつかしく話すこともあります。本気で付き合うからこそ口論になってしまうのかもしれませんね(笑)。

先生ご自身の健康法はありますか?

以前、私は肥満症であったこともあり、よく親からは、このままでは動脈硬化で早死にするよと言われていました。その当時は、動脈硬化などと言われてもよく理解できませんでしたが、そこから努力して痩せていったので、患者さんの気持ちがよくわかります。なかなか痩せにくい体質の方がいることや、痩せていっても停滞期があることなども知っています。私自身は、食事と運動で痩せました。20歳くらいの時にようやく標準体重くらいに落とし、さらに仕事を始めてからは多少体重が落ちたんですがそれ以後変わっていません。でも、太りやすい体質だということは自覚していますので、好きなだけ食べるということはしていませんし、そのことでストレスを感じることはほとんどありません。

では、最後に読者へのメッセージをお願いします。

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30〜40歳代の女性では甲状腺などホルモンの病気が隠れていることがあるので、ちょっとおかしいなと感じた時に甲状腺を診てもらえる病院を見つけておくのがいいと思います。一般の病院では、よほどの疑いがないと甲状腺を診ることはないかもしれませんが、さまざまな症状の原因を調べたら甲状腺の異常だったというケースもけっこうありますので、患者さんの側からも診てもらえないかと相談してみてはいかがでしょうか。当院では、ホルモン病などの専門治療も行っていますが、私の意識としてはやはり地域医療に重点を置いています。近隣に住み、足を運びやすい人たちが来る場所だと思っているんです。だからこそ、全般的な診療ができないと意味がありません。糖尿病、甲状種疾患以外は診ませんというのではなく、まずは地域医療の窓口であり続けたいと考えています。

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