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鎮目 学 院長の独自取材記事

鎮目記念クリニック

(渋谷区/新宿駅)

最終更新日:2025/04/14

鎮目学院長 鎮目記念クリニック  main

新宿駅南口から徒歩7分の医療ビル6階にある「鎮目記念クリニック」。日本の内分泌学研究の基礎づくりに貢献した故・鎮目和夫先生が1989年に開業した同クリニックでは、現在は息子の鎮目学先生が院長を務めている。鎮目院長の専門である糖尿病や臨床経験豊富な4人の医師が担当する甲状腺疾患や内分泌疾患においては、その専門性を生かした医療を提供。また、開業当初より小児成長障害を診療していることも特徴の一つだ。「専門性を生かしつつ、かかりつけ医として地域に暮らす人々の健康を見守っていきたいです」と、笑顔で話す学院長は、穏やかで話しやすい人柄が印象的だ。クリニックの特徴や糖尿病との向き合い方、甲状腺疾患についても話を聞いた。

(取材日2024年9月18日)

糖尿病・甲状腺疾患を中心に、内科疾患に幅広く対応

こちらは35年の歴史を持つクリニックなのですね。

鎮目学院長 鎮目記念クリニック 1

父が開業したのが1989年ですので、それから35年が経ちましたね。父が大学病院で診ていた患者さんや、この場所に移る前の西新宿の小さな診療所だった頃から40年以上通ってくださっている患者さんもいます。私たち医師も責任感を持って診療していますが、それだけ長く信頼してくださっているのはうれしいことですね。父の代から小児成長障害の診療も行っていますので、年齢層は幅広いです。当院には現在、糖尿病を専門とする私の他に、4人の内分泌内科を専門とする臨床経験豊富な先生方が在籍しています。専門的な診療を行いながら、地域のかかりつけ医として一般内科疾患や生活習慣病などのご相談にも対応しています。

甲状腺疾患の患者さんは、何がきっかけで受診することが多いのですか?

甲状腺疾患は女性に多く、健診の際に医師から甲状腺の腫れを指摘されたり、インターネットなどで甲状腺疾患の情報を得て、心配になって受診される方が多いですね。例えば、体の代謝が亢進する甲状腺機能亢進症の場合は、動悸・発汗・手の震え・体重減少などの自覚症状が起こります。「動悸がするから」と循環器内科を受診したところ、甲状腺疾患だったというケースもまれなことではありません。逆にホルモンが足りなくなる甲状腺機能低下症の場合は、代謝が悪くなるため、むくみ・皮膚の乾燥・脱毛といった症状が出ます。症状が進行すると抑うつ症状が出ることもあり、心療内科を受診するケースもありますが、血液検査でホルモンの状態を調べれば甲状腺疾患であることがわかります。遺伝的要素もありますので、家族歴のある方や今挙げたような自覚症状のある方は一度相談してください。

診療環境や感染症対策についても教えてください。

鎮目学院長 鎮目記念クリニック 2

当院は予約制ですので、予約時間にご来院いただければ、あまりお待たせすることなく診察室に案内できるかと思います。近隣にお勤めの方など、仕事の休憩時間に予約される方もいらっしゃいますね。また、土日も診療を行っています。待合室は広い造りですし、予約制ですので、患者さんが密集することはほとんどありません。発熱患者さんの診療も行っていますが、診療時間や動線を一般の患者さんとは完全に分けていますので、安心して受診いただければと思います。

オーダーメイドの治療で糖尿病の進行や合併症の防止を

先生のご専門である糖尿病について、最近の傾向などを教えてください。

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近年、健康診断受診後の二次検診の受診状況が改善したこともあり、中高年層だけではなく、若年層での罹患がより増加していると感じられます。他の疾患を患っている方が糖尿病を併発するという例も増えてきていて、逆に合併症によって初めて糖尿病に気づいたというケースもあるんです。糖尿病の怖いところは、初期には自覚症状がほとんどなく、そのまま進行した場合、さまざまな疾患や合併症につながっていきます。例えば、網膜症や腎障害、腎不全、心筋梗塞、脳梗塞、足の壊疽、歯周病、皮膚疾患などさまざまです。多くの方が糖尿病という疾患自体は知っていると思いますが、全身に影響を及ぼす疾患であるということを知っている方は少ないのではないでしょうか。特に若い世代の方は「自分は大丈夫」と思わず、気になることがあれば早めに相談に来ていただきたいですね。

糖尿病治療では、どのような工夫をされていますか?

食事や運動習慣の改善が柱となりますが、患者さんの症状や生活スタイルによってその比重を変えたりと、個々に合わせたオーダーメイドの提案を心がけています。最近は薬の種類も多く、従来と異なるメカニズムで血糖値の低下をめざす薬も開発され、選択肢が増えています。投薬治療の際も、血糖コントロールの状態や他の疾患の有無など総合的に判断し、その方に合った処方を行っています。内服薬が進化した分、インスリン治療に移行するケースも減りました。糖尿病治療の目的は、血糖コントロールを良好に保ち、合併症を予防して、糖尿病ではない方と同様の生活の質を保つこと。その点をよく理解して、ご自身で治療するという意識を持ってもらうことが重要です。そのためにもコミュニケーションを大切にし、患者さんが治療を途中で諦めてしまわないよう、心理面からもサポートしています。

先生ご自身も、食事と運動の見直しで体質改善に取り組んだ経験がおありだと伺いました。

鎮目学院長 鎮目記念クリニック 4

実は私、思春期までは肥満体形だったんです。兄から「おまえは太っているな」と言われたことがきっかけで奮起して、食事と運動を見直し、20歳くらいの時にようやく標準体重に落とすことができました。その後、仕事を始めてから多少体重は落ちましたが、それ以降はあまり変わっていません。今思うと、当時私が体重を減らすために行っていた行動はまったく推奨できない間違った方法でしたが、体重を落とすことの大変さは実感しています。ですから、患者さんにも無理な制限を強要することはありません。また、私は兄からの一言がきっかけとなりやる気が出ましたが、患者さんに話を聞くと「糖尿病の状態が悪いと歯の治療が行えない」と言われたことがきっかけとなり、食生活を見直したことで血糖コントロールが劇的に改善したなど、ふとしたことでやる気のスイッチが入ることもあるようです。

どんな些細なことも相談できるのが地域のかかりつけ医

診療の際、どのようなことを心がけていますか?

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専門分野だけを診るのではなく、体全身のさまざまな症状を総合的に診るようにしています。例えば「膝が痛い」「手がしびれる」という主訴をよく聞いた上で、必要であれば適切な医療機関につなぎますし、そのための連携にも力を入れています。どこの医療機関に行けばいいかわからない時や、どの診療科を受診すればいいかわからない時に、気軽に相談できるクリニックが私の理想です。どんなことでも相談でき、話を聞いてもらえる場所として、地域の方々に信頼してもらえる存在でありたいですね。

ところで、先生はなぜ医師をめざしたのですか?

私の両親は子どもに医師になってほしいという思いがあったのだと思いますが、私の二人の兄は別の職業をめざしていたため、三男の私に対する思いは強かったのかもしれません。父は私が幼少期の頃に私を大学の医局に連れて行ったり、今では無理なことですが自分が診療している横に座らせたりもしていました。「なぜ医師になりたいのだろう」と自問する時期もありましたが、今は医師になって本当に良かったと思っています。忙しい反面、患者さんからの「ありがとう」という言葉が励みになります。長いお付き合いの患者さんも多く、勤務医時代に埼玉の病院で診ていた方がわざわざ新宿まで通ってくださることも。ご高齢になり通院が難しくなった方もいらっしゃいますが、その時に改めて感謝の言葉をいただいたこともとてもうれしかったですね。患者さんを長く診ているからこその信頼関係とその大切さを改めて感じています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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糖尿病と甲状腺疾患については、今後も専門的かつ患者さんにしっかり病気を理解していただいた上での医療を提供していきたいと思います。特に30~40代の女性は、不調の裏に甲状腺などのホルモンの病気が隠れていることがありますので、「おかしいな」と感じた時は相談に来てください。働く世代で糖尿病の疑いがある方も増えていますが、進行すると重い病気につながりますから放置は厳禁です。また、地域のかかりつけ医として、どんなことでも相談できる、何でも遠慮なく話せるクリニックをめざしています。地域に暮らす皆さんや周辺にお勤めの方も、気になる症状があれば些細なことでも相談にいらしてください。

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