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田中 孝守 院長の独自取材記事

メドタウンたなかファミリークリニック

(一宮市/奥町駅)

最終更新日:2024/01/31

田中孝守院長 メドタウンたなかファミリークリニック main

住宅型有料老人ホーム「メドタウンいちのみや」併設の「メドタウンたなかファミリークリニック」。院長を務める田中孝守先生は、自ら「好奇心旺盛なタイプ」と称するドクター。その言葉のとおり、勤務医時代は市中病院にて救急医療をはじめ、さまざまな疾患の診療に携わり、広く深い経験を積んできた。「困っている人を助けられる医師でありたい」との思いで、同院で働く医師やスタッフと協力しながら、さまざまな患者の健康に関する悩みの解決に力を尽くしている。ニーズの高い在宅医療に関しては、重症患者の診療にも積極的に対応。外来診療、施設入居者の診療、在宅医療の、3本柱を基本とし、クリニック名のとおり「ファミリー」を支えられる存在となるのをめざす田中院長に、診療にかける思いを聞いた。

(取材日2020年3月29日)

適切な医療へ導くかかりつけ医として地域に貢献する

ご経歴と、開業のきっかけについてお聞かせください。

田中孝守院長 メドタウンたなかファミリークリニック1

私の学生時代、研修先の選択肢に挙がるのは大学病院だったのですが、私が選んだのは市民病院。一つの領域を専門的に深めるより、数多くの疾患の治療に応じられる医師になりたいとの思いからでした。研修後も、市民病院で循環器内科を中心に救急や内科全般の診療経験を積みましたが、私自身好奇心が強く、いろいろな患者さんを診られる市中病院での診療は、私にとって刺激にあふれていましたね。病院だけでなく、介護老人保健施設で施設長を務めたこともあります。そこでは、医師という立場の影響力の強さと責任の大きさを実感しました。入居されているご高齢の方の多くは、医師である私の顔を見ると、安心して笑顔を見せてくださって。医師として、多くの方が安心できるお手伝いができたら。そんな思いから、クリニック開業を決めました。

開業にあたり、どのようなクリニックにしたいとお考えになったのですか?

この地域はファミリー世帯を中心に、小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い年代の方が暮らしています。訪れた人が安心できる、温かみの感じられるクリニックにしたいと思い、木目を基調に明るい印象のデザインにまとめました。こうした雰囲気づくりに協力してくれたのは、皮膚科の医師である私の妻です。働く女性であり、子育て中のママでもある妻の視点は、とても貴重なものでした。診療内容も、ここで何でも応えられる、総合的な診療を行える体制を整えています。また当院は住居型有料老人ホーム併設のクリニックですので、私は施設の主治医として、入居者やデイサービス利用者の診療にも対応。通院が難しい患者さんのもとへ出向く、在宅医療にも力を入れています。外来診療にとどまらない診療を実践する「かかりつけ医」となる、というのも開業時に掲げた目標の一つでした。

外来診療や施設での診療に加えて、在宅医療にも応じるとなると、大変そうに感じます。

田中孝守院長 メドタウンたなかファミリークリニック2

開業からしばらくは私が外来診療も在宅医療もやっていましたが、今は複数の医師とチーム体制で診療を行っています。きっかけは、だんだんと在宅医療に関する相談が増えてきたため。当院が在宅医療にも力を入れていることが周知されうれしい反面、私一人では無理が出始めて……。これを受けて、この1年のうちに医師の人数を増やしました。外来診療と在宅医療、それぞれに常勤医師1人と非常勤の医師複数人を配しています。常勤医師の青木先生は泌尿器科が専門で、在宅医療の経験も豊富なので助かっています。さらに訪問診療でお手伝いをできる幅が広がりましたね。私自身はこれまでと変わらず外来と在宅それぞれに応じていますが、例えば私が在宅医療患者さんのもとへ出向いている時は、非常勤医師に外来診療を任せられ心強い体制になりました。

子どもも高齢者もみんなが笑顔でいられるよう尽力する

外来診療ではどのような相談が多いのですか?

田中孝守院長 メドタウンたなかファミリークリニック3

風邪などの日常生活で起こる体調不良をはじめ、生活習慣病などの相談が多いです。妻が診療に入る水曜日の午前中は、皮膚トラブルはもちろん、美容に関する相談で受診される方もいるそうです。皮膚科に関しては、水曜以外は私が診療に応じています。皮膚科の診療に必要な基礎知識は身につけていますので、例えば内科の診療と併せてお肌の悩みなどもご相談いただければと思います。時間帯によってもカラーが異なって、午前中には近隣の高齢者の方が多く、午後や土曜日の診療は親子で受診するケースも。幅広い年代の方に頼っていただけているのは、うれしい限りです。

在宅医療では、重症患者の対応が難しいとされることもあります。こちらで対応できる範囲を教えてください。

基本的に、どのような患者さんの診療にも応じられる体制を整えています。実際、寝たきり、認知症、神経疾患、まひ、末期がんなど、さまざまな患者さんのもとへ出向いています。重症とされる患者さんに対する在宅医療に積極的に取り組んでいるのは、当院の特徴の一つです。人工呼吸器や点滴の管理、末期がん患者さんに対する疼痛緩和ケア、寝たきりの方に起こりやすい褥瘡(じょくそう)のケア、そして終末期における看取りにも応じています。病態もステージもさまざまな患者さんを診療するというのは、決して簡単なことではありません。ですが、困っている人を医療によって助けられるのなら、「やらない」という選択肢は浮かばないんですよね。できる限りご希望に沿う医療を提供したいと思っていますので、患者さん本人はもちろん、ご家族も、遠慮せずにお考えを話していただきたいと思っています。

診療で心がけていることは?

田中孝守院長 メドタウンたなかファミリークリニック4

自然な会話を意識しています。例えば、日焼けしている方に「何か運動をしてるのですか?」「体格がいいですよね。スポーツしてました?」と聞いたり。話しやすさや親しみやすさを感じてもらえたら、些細な相談や悩みも口にしてもらいやすくなるのでは、とたわいもない会話を私自身が楽しむようにしています。一方で、患者さんの小さな変化も見逃さないよう、目を配ることも忘れません。市民病院で勤務していた頃に救急医療にも携わっていたので、急変時の対応経験も多くありますし、患者さんの容体の変化についても迅速に見通しを立てるようにしています。当院の診療全般でこれまでの経験が生きていると感じます。

末永く寄り添っていくためにも、信頼し合える関係に

在宅医療では、患者さん本人だけでなく、ご家族とのコミュニケーションも重要かと思います。

田中孝守院長 メドタウンたなかファミリークリニック5

もちろんです。ご家族にとって、病気を抱える患者さんを支えるというのは不安が募るものと思います。そういった不安や戸惑いを少しでも減らせるよう、信頼関係を築いていくことを常に心がけています。意識しているのは、見通しを立てること。例えば終末期の患者さんだと、急に容態が悪化することもあります。ですからご家族には、今後どんなことが起こり得るかを見通して、その時が来たらどうしてほしいかを医師の立場からお伝えします。つらいかもしれませんが、何が起こるかがわからないまま突然「その時」を迎えるより、落ち着いて「その時」を迎えられる心構えをしていただくのも、大切なことです。いつか訪れる最期の瞬間を、ご本人はもちろんご家族も、涙に暮れることなく穏やかに迎えられるように、毎日をお過ごしいただく。そのために医療を通じて何ができるかを模索して、実践していくのが僕ら医療者の使命だと思っています。

改めて、診療にかける思いをお聞かせいただけますか?

当院を開業するにあたり「健康面で不安があれば、まず相談しようと思っていただける場所にしたい」という目標を掲げました。特に、地域に根差した診療においては、総合力が今後より求められるのではないかと感じています。糖尿病は内科、皮膚トラブルは皮膚科、というように、お悩みによっていくつもの診療科を受診するというのは、患者さんにとって負担の大きいもの。ご高齢ともなれば、いくつもの持病を抱えているケースも珍しくありません。そんな中でも安心して生き生きと日々を過ごせるよう、これからも尽力していきたいです。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いいたします。

田中孝守院長 メドタウンたなかファミリークリニック6

地域の医療ニーズに応えるため、試行錯誤しながら診療を行ってきました。非常勤の医師が加わるなど、人員が増えたことで「チーム医療」の体制の基礎が整いつつあると感じています。チームなら、一人では難しかったことも実現できる可能性がぐんと高まるでしょう。ありがたいことに、さまざまな形で地域の皆さまに頼っていただけるようになりました。ご期待に応えられるよう励む思いでいますので、何かあれば気軽にご相談ください。

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