三宅 勝俊 理事長、長谷川 千草 院長の独自取材記事
ワハハキッズデンタルみやけ歯科
(大阪市都島区/都島駅)
最終更新日:2021/10/12
「ワハハキッズデンタルみやけ歯科」は、大阪メトロ谷町線・都島駅よりバスで約10分の場所にある小児の予防歯科に特化したクリニック。同院にほど近い場所にある“予防とメタルフリー”をコンセプトにした「みやけ歯科医院」の分院として2017年5月に開業した。三宅勝俊理事長が絶大な信頼を寄せる長谷川千草院長は、4歳と1歳の2児の母でもあり、子育て経験をクリニック運営に生かしている。保育士によるリトミックや管理栄養士による食生活指導など同院独自の取り組み、歯科医院に恐怖心を抱く小児患者への対応方法、今後さらに力を入れたいとする「マイナス1歳から(妊娠中)の虫歯予防」など、三宅理事長と長谷川院長に話を聞いた。
(取材日2018年4月10日)
小児に特化した予防歯科。信頼厚い院長は2児の母
クリニックの特徴を教えてください。
【長谷川院長】当院は、お子さんに虫歯がない人生を過ごしてもらうことを目標に、徹底的な予防教育を施す小児特化の歯科クリニックです。現在は3歳から8歳くらいまでのお子さんがメインですが、門をくぐっていただきたい一番の理想の時期は妊娠中から3歳まで。予防の大切さを伝えるリトミックや予防プログラムなどの提供ほか、また虫歯予防ではなく歯並びなどに関連してくる項目ですが口周りの筋肉を整える「お口の体操」を月1回行っています。もちろん虫歯治療も行っておりますので歯科医院に恐怖心を持つお子さんも来院しますが、保育士が時間をかけて対応するのも特徴の一つ。管理栄養士による指導など、食生活を含めたアドバイスできる環境も整えております。
開業の経緯をお教えください。
【三宅理事長】本院の「みやけ歯科医院」のコンセプトは「予防とメタルフリー」ですが、以前から「予防」の部分をさらに推し進めたいという希望がありました。また、本院でも小児患者が多くなっていたので、子どもさんがもう少し良い環境で診療を受けることができる予防クリニック設立に動きました。そこで自らも小さなお子さんを育てている長谷川先生にお声がけしたのですが、ちょうど第2子の懐妊が判明し、この構想はいったん立ち消えになったんです。出産後に改めて互いの意思を確認し合い、新施設であれば事業所内保育士も数人いるので、分院オープンが正式に決定しました。2016年12月に出産して、翌2017年5月に開業したので、長谷川先生も大変でしたよね。
分院設立の話を聞いた時、長谷川院長はどう思われましたか?
【長谷川院長】正直、最初は戸惑いました。子どもが2人いる中、仕事ができるのか?と思いましたが、小さいわが子を保育士に面倒を見てもらいながら働くことができました。しかし私自身も子どもを2人育てていく中で、虫歯の予防や噛み合わせに関して「どこかで介入したい」という思い、その手助けをすることの大切さを悩みながら感じていました。このお話を良い機会に、もっと患者さんと寄り添っていこうという考え方に変わったんです。今ではとてもやりがいのある仕事に就かせていただいたなと思っております。
【三宅理事長】信頼して任せられる分院長がいなかったら、この施設はなかったですね。長谷川先生という存在がいてくれたからこそできたクリニックです。
個別予防プログラムほかリトミック、食育指導など充実
独自の取り組みについて教えてください。
【長谷川院長】当院の「ワハハクラブ」にご加入いただければ、唾液検査、その結果をもとにした予防プログラムの作成、保育士によるリトミックや絵本の読み聞かせ、管理栄養士による食育教育などをご提供させていただきます。予防プログラムでは、唾液のリスクや口の中の状況、3日間の食生活などの把握はもちろん、指を吸うなどの癖も含めてデータ化し注意点をまとめ、検査1ヵ月後くらいに行うカウンセリングで口の中の現状とそれに対する予防方法などをお伝えしています。その際に、管理栄養士から食生活に関してのアドバイスの時間も取らせていただいてます。リトミックはお遊戯や虫歯に関する絵本を読み聞かせで、虫歯予防の大切さをお子さんにわかりやすくお伝えしています。
歯科医院が嫌いな小児患者にはどのように対応していますか?
【長谷川院長】初めて来院し泣きわめいて医院に入ることすらできないお子さんがいます。しかし保育士が根気強く待合室で絵本を読んだり、一緒に診察室に入ったり、それを2~3回繰り返すだけで、嘘みたいにできるようになる子が多いんです。お母さんたちも「他の歯科医院で怖がった」「できなかった」というイメージを持たれることが多いですし、以前の私も「前回できなかったから次もできない」と思っていましたが、それは間違い。お子さんは歯の治療や歯科医師への恐怖心ではなく「ここはどこ?」「何をするの?」という場所見知りの恐怖心で頭が混乱しているだけなんです。子どもは練習すればするほど成長することを、開院してから学びましたね。恐怖心をなくすまでのステップにこれだけ時間をかけられる歯科医院はなかなかないと思います。
お子さんなりに状況が理解できれば、スムーズに治療が進むようになるのですね。
【長谷川院長】お子さんは何にでも興味を持つのでチェアに座った時は、自分のコップを置くこと、ライトをつけることを「あなたのお仕事よ」とやってもらうんです。コップを置くと勝手にお水が出るし、手をかざせばライトがつく。遊びながら何があるのか、ここは怖いところじゃないってイメージを持ってもらえます。「ワハハクラブ」入会時には手提げバッグ、専用コップ、ファイルなどのグッズをプレゼントしていますので、それを持って楽しく“歯の学校”に通う感覚ですね。
【三宅理事長】他にもエアが出る機械を活用し、あっという間に風船が膨らむ様子を見せて、「歯医者さんが使う空気はすごく面白いよ」など教えられるデンタルバルーンという有効なコンテンツがあります。治療で使う機械、道具を見せることによって徐々に慣れてもらえるように工夫していますね。
口内の健康切り口に、歯科医院がめざす「子育て支援」
「マイナス1歳からの虫歯予防」について詳しくお聞かせください。
【三宅理事長】授乳の仕方で赤ちゃんの姿勢は変わりますし、口の周りの成長にも影響して虫歯に関わります。ですから「マイナス1歳からの虫歯予防」は、妊娠したらお子さんのためにお母さんが予防を始めましょうということなんです。また、母乳から哺乳瓶に変える際は口周りの使い方が変わるので、哺乳瓶の選び方などの指導もしています。つい最近まで授乳していた長谷川先生だから説得力もありますし、話もスッと入ってきますよね。男の私ではわからないこともあるし、お母さん方も抵抗があるでしょう。
今後の展望についてお教えください。
【長谷川院長】現状、1歳半健診などで虫歯の指摘を受けて来院する患者さんが多いです。甘い飲み物を哺乳瓶で飲ませることが虫歯の原因になることや、夜間の授乳を2歳くらいまで続けていることが虫歯のリスクを上げるということを知らない方も多い。「もっと前に知っておけば」という声をよく聞くので、虫歯になる前、できるなら妊娠中から頭に入れておいていただきたいと思っています。口腔内の健康は知識さえあれば守れるものもあるので、当院で実施している母親セミナーをもっと広めていきたいです。
【三宅理事長】妊婦さんに関しては今後、産婦人科とコラボレーションできたらと考えております。長谷川先生は小さなお子さんがいる女性だからこそわかること、できることがたくさんあります。私の歯科診療への思いを感じてもらいながら、さらに良い方向にこの診療所を進化させてもらいたいと思っています。
読者へのメッセージをお願いたします。
【長谷川院長】口周りの筋肉によって歯並びにかなり影響が出ると思います。例えば指を吸うなどの癖、寝方、抱っこの仕方一つ一つが歯の中に関わってきますので、虫歯予防はもちろん気になることがあればなんでも相談してほしいですね。知識があればトラブルになる前に対処できることなので、お子さんの口周りの環境を整えるため、できることはすべて協力させていただきたいと考えております。
【三宅理事長】悩んでいるお母さんたちに「口内の健康」を切り口にした子育て支援をしたいというのも当院をオープンした目的の一つ。目標である子どもたちの口の健康と全身の健康はもちろん、お母さんやご家族の健康、本院も含め地域の全年齢の患者さんの口腔と全身の健康のサポートをさせていただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは唾液検査/3240円、フッ素塗布/1080円、PMTC/2160円
ただし、ワハハクラブ会員はその限りではない
小児矯正/10万8000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/30万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。