高橋 卓嗣 院長、高橋 裕子 副院長の独自取材記事
しだみ高橋クリニック
(名古屋市守山区/神領駅)
最終更新日:2026/09/17
名古屋市守山区の住宅地に立つ「しだみ高橋クリニック」は、ブラウンと白を基調とした落ち着いたデザインのクリニック。看板の院名には守山区のシンボルツリーである、どんぐりのロゴマークがちょこんと寄り添っている。エントランスの車寄せは屋根が大きく、雨の日もゆったりと入ることができる。診療は、消化器外科・肛門外科を担当する高橋卓嗣(たくじ)院長と内科・呼吸器内科を担当する高橋裕子副院長の夫婦二人三脚。卓嗣院長は、「それぞれが専門性を生かし、また必要なときには連携しています」と医師2人体制の強みを語る。検査機器の面でも、頭部、腹部、胸部、大腸まで撮影できるCTをはじめに充実させ、適切な診断につなげている。同院の診療内容について2人から話を聞いた。
(取材日2026年6月2日)
消化器外科と呼吸器内科の医師2人体制
医師2人体制だそうですね。それぞれのご専門を教えてください。

【卓嗣院長】私の専門は消化器外科で、胃や大腸の内視鏡検査の他、痔の治療も行っています。勤務医時代は、消化器外科でがんの手術や内視鏡検査を多く行ってきました。内視鏡検査から手術、抗がん剤治療というがん治療の一連の流れがわかりますので、当院でがんの疑いが見つかった患者さんに対しても、この先に待ち受ける治療やどのような選択肢があるかなどを詳しくお伝えしています。がんと告げられた時に患者さんは仕事や家庭のことなど、さまざまなことを考え不安になるのではないでしょうか。そういったときに、少しでも早く今後のことを医師の立場からお伝えし、安心につなげていきたいです。
【裕子副院長】私は呼吸器内科と内科全般を診ています。当院に来られる患者さんは、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)という慢性的な肺疾患の方が多いです。薬物療法が可能になったので、予約制の禁煙の外来も開始しました。
どうしてその診療科を選択したのですか?
【裕子副院長】進路を選ぶ時期に出会った呼吸器内科の先生方が、生き生きと働いていらっしゃったのに惹かれて決めました。診療のためには時間を惜しまず、夜遅くまで議論を交わしながら頑張っておられる姿に刺激されました。内科の疾患は患者さん自身が感じるつらさと、実際の重症度が必ずしも一致するわけではないので、患者さんの話を聞くことが重要です。気になる部分を素直に話してもらえるように心がけています。
【卓嗣院長】私も、熱意のある先生方に影響されたという点では同じです。また外科の場合は手術だけが注目されがちですが、実は患者さんに最期まで寄り添うというのも大事な役目なのです。例えば、がんが進行して腸が詰まり、ごはんが食べられない患者さんに人工肛門を作る処置ができるのは、外科ならではでしょう。そういう手術で治らない患者さんをいかにケアするかという視点も大切にしています。
診療の際にはどのようなことを心がけていますか?

【裕子副院長】長く症状にお悩みの患者さんは経過も長いわけですから、時間が許す限り患者さんに向き合い、じっくりお話を聞くことを大切にしています。また、例えば「検査を受けたい」などのご希望があれば、遠慮せずに表していただければと思います。
【卓嗣院長】まずは、患者さんが何に困っているかを確認します。例えば「仕事上なかなかトイレに行けないのに、トイレに行きたくなるのが困る」など、症状とそれによって困っていることを、細かく確認しています。そうすると、検査や治療の仕方も明確になり、困り事への対処法もアドバイスしやすくなります。
内視鏡、3DCTなど充実の検査機器がそろう
内視鏡やCTなど、検査機器が充実していますね。

【卓嗣院長】食道、胃、十二指腸の検査には、鼻から挿入する内視鏡を使っています。口から挿入する内視鏡よりも苦しさが少なく、バリウムによる胃透視検査よりも見落としが少ないのが特徴です。最近、精度にこだわって内視鏡を新調したため、ルーペで見なければわからないようなレベルのものまで画像で見られるようになりました。以前は疑いがあれば組織を取って生検を行っていましたが、今は高精細な画像を見て生検の必要性をある程度判断できるので、不要な生検が減りました。また大腸検査にも内視鏡を使います。より負担が少なく大腸を調べる方法として大腸CT検査もあります。当院では3D撮影できるCTを採用していて、臓器を立体的に把握でき、撮影時間も15秒程度で済みます。肝臓、腎臓、膵臓など大腸以外も映るので、他の疾患が見つかりやすいのもメリットです。
なぜ大腸の検査にCTを取り入れようと思われたのですか。
【卓嗣院長】従来の大腸内視鏡検査は事前に下剤を2L程度飲まなければならず、体への負担が大きく嫌がる人もいました。そのため、便に血が混ざるなどの症状があって本来は検査が必要な状態あっても、2、3年放置して悪化してしまうことが多かったのです。痔で受診した場合でも、大腸がんを患っているケースがあります。CTなら飲む下剤の量は少なく、検査中の痛みはほとんどありませんし、短時間で終了します。ただCTは色の判別ができないため、腸のただれや明らかな出血の原因を探るには内視鏡に分があります。一方内視鏡では角度に限界があり、腸のひだの裏側や曲がったところが苦手です。がんや6mm以上のポリープに関しては、CTは内視鏡と同等といわれています。ただしCTで病気が見つかった場合は、治療のために内視鏡が必要です。
【裕子副院長】CTは肺の疾患もわかりやすいので、呼吸器内科に関する病気の診断には非常に有用です。
ピロリ菌の検査も導入されているとのことですね。

【卓嗣院長】ピロリ菌検査には、内視鏡での検査以外にピロリ菌抗体血液検査、尿素呼気検査、便中ピロリ抗原検査の3種類がありますが、当院では、当日に院内で診断できる尿素呼気検査を導入しています。30分ぐらいで結果が出ますので1回の来院で済み、通院の負担が軽減できます。ただし、保険適用が可能なのは、胃の内視鏡検査で所見があった場合に限られます。ピロリ菌は胃がんのリスクを高めますので、内視鏡検査でピロリ菌が見つかれば除菌をします。また、ピロリ菌除菌後の評価も尿素呼気検査で行っています。
経験値から、検査が必要か必要でないかを見極める
院外での地域医療活動についても教えてください。

【卓嗣院長】私が所属している守山区医師会では、現在、災害医療の確保に力を入れていて、地域のクリニックが力を合わせて災害時にも医療を提供できるようネットワークづくりを進めています。救護所も大事ですが、能登の災害を例にとっても、医療を災害前の状態に戻すには、残っている医療機関をうまく回すことが大切です。そのため、地域医療が崩壊しないよう医師会が中心となって体制を構築しています。その他、先進の医学にふれることも大切と考え、公立陶生病院で週に一度、手術を行っています。手術が必要な患者さんを紹介する際にも、日頃からの病院との連携は大切ですね。
患者さんに向けたアドバイスなどはありますか。
【卓嗣院長】健診を受けている人の中には、受けっぱなしになっている人が多いと感じます。当院では、患者さんの健診結果を見せていただき、不足している検査のみを追加するようにしています。不必要な検査はせず、院内の採血が減るなどで効率化できます。また健診結果についても、例えば「経過観察とあるけど、胃にポリープと書いてあるのは放っておいていいのでしょうか?」というようなご相談も引き受けております。受診の際に健診結果を持参していただければ、アドバイスや解釈をお伝えできます。健診結果は画像として取り込み電子カルテ上に残しているので、今までの過去の経過などもわかり、有用なデータになっています。
最後にメッセージをお願いします。

【裕子副院長】少しの咳でも原因となる疾患が隠れていることもあります。薬の使い方次第で落ち着かせることも期待できますので、ぜひ一度相談してほしいですね。
【卓嗣院長】胃内視鏡検査一つにしても、一人ひとりの患者さんに対して、必要か必要でないかをしっかりと見極めていきたいと考えています。最初から胃内視鏡検査を受けたいと受診する患者さんもいらっしゃいますが、「胃の調子が悪いけど胃内視鏡検査を受けたほうがいいのかな」と悩んでいる方も多いです。そのような患者さんに「検査するの? しないの?」と迫るのではなく、患者さんの話をきちんと聞いた上で、私の経験値から必要な場合のみ検査をお勧めしていますので、不安な方も遠慮なくご相談ください。

