石原 久子 院長、梅田 さやか 先生の独自取材記事
表参道皮膚科
(渋谷区/明治神宮前〈原宿〉駅)
最終更新日:2025/01/09

明治神宮前駅からすぐ。神宮前交差点から表参道駅方面に少し進んだ左手のビル4階に「表参道皮膚科」はある。表参道の地で、25年以上診療を続ける歴史あるクリニックだ。石原久子院長は、日本形成外科学会形成外科専門医。皮膚科を専門に、同院で長く診療を続けている梅田さやか先生とともに、皮膚科と形成外科の2本の柱で展開している。「治療により、患者さんにお喜びいただけたら何よりうれしい」と異口同音に語る2人に、クリニックの特徴や強み、今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2024年9月12日)
皮膚科と形成外科の2本柱で、幅広い症状に対応
お2人がこのクリニックに出合われたきっかけは何だったのでしょうか。

【石原院長】私は大学病院で形成外科の経験を積み、大学院で脂肪幹細胞に関する研究で医学博士を取得。夫の研究に伴って渡米し、iPS細胞の研究に協力しました。帰国後は旭川の病院で、全身重症熱傷から熊による外傷の治療までさまざまな手術を経験し、形成外科専門医を取得しました。2021年、義母である理事長を支えたいとの想いから院長に就任し、今に至ります。
【梅田先生】2014年、大学病院に勤務していたところに理事長からお声がけいただき、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合うクリニックの診療に魅力を感じて、当時院長職をお引き受けしました。医院運営は石原先生に引き継ぎましたが、当院での診療は変わらず続けています。
どのような患者さんがいらしていますか。
【梅田先生】表参道で美容もやっている皮膚科・形成外科というと、美容寄りの華やかなものを想像されるかと思いますが、当院ではニキビやアトピー、湿疹など幅広くご相談を受けています。場所柄、若い方は多いですが、赤ちゃんからお年寄りの方も受診されます。美容院が多いエリアなので、手荒れに悩む美容師さんや、クチコミを見て遠方から来る方もいらっしゃいます。
【石原院長】皮膚科全般に加えて、しみやしわ、ほくろの相談や、眼瞼下垂の治療を希望される方も多いです。当院ではほくろや粉瘤、脂肪腫などの除去手術も行っており、他院からの紹介で来院されるケースも少なくありません。美意識の高い方も多く、診療を通して美容ニーズの高さも改めて感じています。
こちらのクリニックの特徴はどんなところでしょう?

【石原院長】皮膚科と形成外科、それぞれを専門とする医師が診療しており、対応範囲が広いのが最大の特徴です。皮膚科は診断が重要な科であり、形成外科は手術が得意な科で、両方の医師が在籍していることは大きな強みと考えています。私含め、大学レベルの診療をしている形成外科専門医の診断や治療が受けられることも特徴の一つです。
【梅田先生】加えて、保険診療から自費診療まで、幅広い選択肢をご用意しているという特徴もあります。例えば、保険診療の中でもニキビ(尋常性ざ瘡)に対しては、塗り薬のほか当院では漢方治療も取り入れています。これまでなかなか良くならなかったという方も、諦めずにご相談いただきたいです。
女性ならではの悩みにも寄り添う
力を入れている治療について、詳しくお聞かせください。

【石原院長】まずは眼瞼下垂です。治療は手術がメインで、治療の際には目の周りに触れるため、患者さんには不安を感じさせないようこまめにお声がけし、痛みもなるべく抑えられるよう心がけています。ほくろや粉瘤の除去にも注力していて、除去後も痕が残らないよう術後のケアも大切にしています。
【梅田先生】ほくろと粉瘤に関しては、最初に良性か悪性かを判断することが重要です。その判断は皮膚科でなければできません。ほくろは新しくできたもので大きさが5ミリ以上ある、あるいはジュクジュクしているなどの場合には皮膚科を受診したほうが良いでしょう。粉瘤についても、放置すると大きさや痛みが増していきますので、気になったら相談するのをお勧めします。
最近では、女性の薄毛に関する相談も多いと聞きました。
【石原院長】女性の場合、加齢によるものだけでなく、産後のホルモンの変化や亜鉛不足によって髪が抜けてしまい、薄毛になることも多いです。かく言う私自身も産後の薄毛で悩まされました。
【梅田先生】実は私も、産後に薄毛で悩まされました。当院では月2回、毛髪の外来を開いていますので、薄毛で悩んでいる方がいたらできるだけ早めにご相談ください。子育て中の方はご自分の時間を作るのが難しいと思いますので、どうぞお子さんと一緒にクリニックにいらしてくださいね。
診療の際に心がけていることを教えてください。

【石原院長】「来てよかったと思えるクリニック」がモットーなので、診療後に満足していただけるように、ご納得いただけるまで丁寧な説明を心がけています。各治療法によって見込まれる結果やリスクをお話ししますが、治療の決定権は患者さん本人にあり、納得していただいた上で前に進むことが大切だからです。また、方針に悩む方には「自分や家族だったらどうする?」という視点から助言を差し上げるようにしています。
【梅田先生】私は話をよく聞くことを心がけています。診察時にたくさん質問をさせていただくのですが、これはその答えに治療のヒントが隠されていることもあるからです。以前使った薬への反応や、生理、睡眠、便通などの体に関わる状況、使っている化粧品など、ありとあらゆる情報から症状の原因を探ります。薬の塗り方や生活面など、それぞれに合わせたアドバイスもします。
美容施術のハードルを下げ、相談しやすいクリニックに
お2人が医師を志したきっかけと皮膚科を専攻した理由は何ですか?

【石原院長】高校時代、スポーツトレーナーを通じてスポーツ障害に精通する医師がいるということを知り、医師という職業に憧れました。医学部で学んでいく中で、外科系でも特に傷や変形を治すことを主な目的としながらも、見た目だけでなく機能的にも配慮し、治療が常にオーダーメイドである形成外科を専攻しました。
【梅田先生】幼い頃に入院した経験やミッション系の学校で育ったことで、人助けをできる仕事に就きたいと考え医師をめざしました。皮膚科は一見して診断がつく疾患もあれば、経過を追って初めて診断できる疾患もあり、とても奥が深い診療科です。経験を積むほどに対応も広がる点に魅力を感じました。
スタッフの皆さんも、経験のある方が多いそうですね。
【梅田先生】多くが長く勤めているスタッフで、私たちの診療方針をよく理解し、こちらが何か言う前に動いてくれているのでとても助かっています。時には、こちらがアドバイスをもらうこともあるんですよ。立場に関係なく、お互いが考えを言い合える雰囲気を大切にしています。
【石原院長】土日の診療は杏林大学病院形成外科の先生方にお願いしています。教授になられた尾崎峰先生も、20年以上当院で診療を続けていただいています。白石知大先生は手術が早く精密で、眼瞼下垂のガイドラインも作成されています。そして海暁子先生は、目周りの手術やしみのケアが得意で、情報交換することも多いですね。コメディカルの技術も高く、化粧品の相談から抗がん剤治療中の脱毛や産後の薄毛、乳房再建後の乳輪乳頭再建に関する相談にまで対応しています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【石原院長】現在、美容医療にも力を入れています。レーザー機器もそろえていますが、当院で美容施術が受けられることを認識していない方も多いようなので、そういった方にも喜んでいただけるようハードルを下げていきたいです。見た目やエイジングの悩みは人それぞれ、生活習慣やニーズに合ったケアを提案し、少しでも喜んでいただけたらうれしいです。
【梅田先生】お肌の健康に関しては、食事と睡眠など基本的な生活習慣を整えるのが大事だと思っています。その上で、お肌に関して少しでも気になることがあれば、放置せず気軽にご相談ください。この辺りはいろいろなお店も多いので、買い物と合わせて立ち寄っていただきやすいと思います。患者さんのお肌の悩みやご要望に応えられるよう、頑張っていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは医療脱毛/両脇:7700円、肘下(肘含む、手指まで):2万2000円、膝下(膝含む、足指まで):3万6720円、VIO:1万1000円~1万4960円
しみのケア/3300円~、しわのケア/1ヵ所3万3000円