首や肩、手足の諸症状に対する
薬物治療とリハビリテーション
しみず整形外科リハビリクリニック
(羽島郡岐南町/岐阜駅)
最終更新日:2024/11/05
- 保険診療
首が痛い、四十肩や五十肩で肩が上がらない、手や足がしびれるなど、生活の質にも影響する諸症状。これら運動器に起こるトラブルの原因を探り、適切な治療を提供する整形外科の診療において、特徴的といえるのが、薬物療法や生活指導に加えリハビリテーションを重視している点だ。「しみず整形外科リハビリクリニック」の清水孝志院長は「薬に頼ることなく良い状態に整え維持するのがリハビリの大きな目的」と話す。また、指のしびれの原因が首にあるなど、症状がある部位と症状の原因が潜む部位が異なるケースも珍しくなく、清水院長は「原因を見極めるためにも専門家に相談を」と呼びかける。清水院長に代表的な整形外科疾患や、治療とリハビリを継続する重要性などについて話を聞いた。
(取材日2024年10月8日)
目次
専門家による適切な診断と早期の治療、リハビリが改善・予防の近道に。症状を我慢せず、まずは相談を
- Q整形外科の代表的な疾患や症状、リスクについて教えてください。
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A
整形外科が対象とするのは筋肉や骨、関節、神経など幅広く、トラブルの背景にある原因も非常にさまざまです。例えば中高年に多い変形性膝関節症は加齢のほか、スポーツによる故障もリスクとなります。女性の場合、閉経に伴い骨粗しょう症リスクが上がります。他にも、指に痛みやしびれが生じる手根管症候群は、妊娠・出産期や更年期に生じやすいといわれています。性別や年齢にかかわらず、運動習慣がない、柔軟性が低い、姿勢が悪いのもトラブルを招く要因に。また、例えば頸椎症性神経根症のように首の骨が神経に影響し手や肩などに症状が現れるといったように、症状のある部位とは異なる場所に原因があることも珍しくありません。
- Q頸椎症性神経根症とはどのような病気ですか?
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A
首を支える頸椎を含め、頭の付け根から骨盤まで連なる背骨には多くの神経が通っています。頸椎の骨と骨の間にある椎間板が変性してつぶれたり、骨にとげが生じたりすると、神経の通り道が狭くなり、これにより首からつながる神経の先の運動器、例えば肩甲骨や腕、手や指にしびれや痛み、動かしにくいといった症状が現れるのが頸椎症性神経根症です。年齢を重ねると変性が起きやすいため、若い人には少なく50歳前後から増える傾向にあるのも特徴です。頸椎症性神経根症に限らず、症状のある場所と原因が潜む場所が異なることは整形外科では珍しくなく、適切に治療するためにも正確な診断が欠かせません。
- Q整形外科の受診の目安を教えてください。
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A
症状だけで病態を見極めるのはとても難しいですし、症状が進むと回復するまでにも時間を要することになります。我慢はせず、痛みやしびれ、動かしにくいなどの症状が2〜3週間続いていて、市販薬を使っても改善しない場合は一度整形外科を受診することをお勧めします。整形外科疾患の原因はさまざまではあるものの、加齢との関連が深い疾患も多いですから、40代、50代以降はリスクが高くなるということは忘れずに。特に女性の場合は、骨粗しょう症を防ぐためにも閉経前から骨密度に意識を向けておきましょう。当院でも骨密度検査装置を備えていますので、40代後半に差しかかったら検査を受けて骨密度を把握されると良いかと思います。
- Q診断から治療、リハビリの流れを教えてください。
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A
問診でお悩みの症状についてお聞きし、身体所見を取ってから必要に応じてエックス線画像撮影などに進みます。診察で得た情報をもとに診断し、具体的な治療計画を立てます。疾患や症状の度合いにもよりますが、当院では薬物療法とリハビリ、姿勢の改善など日常生活に関する指導を治療の基本とし、改善をめざしていきます。特に重視するのがリハビリです。薬物療法は困っている症状を抑えるために有用な手段ですが、だからといってお薬を飲み続けるわけにはいきません。リハビリによって筋肉の柔軟性を高めたり正しい姿勢を身につけたりして原因を摘み取ることが症状の改善、ひいてはお薬を卒業し治療を終えるためにとても重要となります。
- Qリハビリの通院頻度はどのくらいですか?
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A
リハビリに通う頻度はだいたい週1回程度が基本となります。忙しい中で定期的にリハビリに通うのは大変でしょうが、リハビリは常に一進一退。期間が空いてしまうと治療までの期間がどんどん長くなってしまいます。できるだけ早く完治をめざしたいのであれば、定められたスパンで通うことが何よりの近道です。リハビリ内容は私が大枠を決め、具体的なメニューは担当の理学療法士が調整します。リハビリがつらかったり、気になる症状がある場合は、リハビリ中でも結構ですので気軽に理学療法士に相談してください。理学療法士と常にこまやかに連携していますし、当院の理学療法士は知識も経験も豊富なので、私も頼もしく感じています。