十人十色のコミュニケーションで
明るい未来につなげる歯科診療
すずき歯科
(大阪市西淀川区/塚本駅)
最終更新日:2022/02/15
コミュニケーションの幅を広げるためにNLP(神経言語プログラミング)を実践し、患者との対話に生かしているという「すずき歯科」。院長である鈴木聡一先生は、患者の一言一言を大切にしたコミュニケーションを図り、一人ひとりが理解しやすい説明を心がけることで、治療に対するモチベーションを維持できるような診療に努めている。というのも、虫歯や歯周病の治療のための通院、あるいは予防歯科に取り組むための定期検診や日々のブラッシングは、継続が不可欠。特に予防歯科においては、治療と違って明確なゴールがないことから、高いモチベーションを維持するのが難しいためだ。今回は、NLPを活用したコミュニケーションを重視している鈴木院長に、同院の診療について詳しい話を聞いた。
(取材日2021年1月26日)
目次
過去にとらわれるのではなく、未来を見据えた診療を実施
- Q診療において、大切にしていることは何ですか?
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A
患者さんご自身が抱えている問題に気づいてもらうことです。歯科治療においてはモチベーションを保つのは簡単ではありません。「まぁいいや」と思うこともあるでしょう。たまにならいいのですが、気持ちの緩みがずっと続くと虫歯、歯周病になったり、再発したりしてしまいます。しかしその際に、「このままだと虫歯になりますよ」と伝えると、「仕方ないからやろう」という気持ちになりませんか。一方で、「今頑張ればしばらく痛い思いはしませんよ」と伝えることで、「じゃあ頑張ってみよう」と思いませんか。伝え方次第で、患者さんの捉え方とその後の行動は変わるので、明るい未来を想像できるような説明を意識していますね。
- Q具体的にどのようなアプローチをされているのでしょうか?
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A
患者さん発する一言を大切にしてすることと、過去や気持ちを否定しないようにもしています。エックス線写真やお口の中を見るだけで、ある程度の歯科治療歴を把握できます。虫歯治療を何度も経験したり、あるいは歯周病と長く付き合っていたり……。そこから読めるのは皆さんが過去にされた苦労です(笑)。時には「こんなにボロボロですみません」とおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし大切なのは、過去にとらわれず、これからの未来をどう描くかです。一言一言を大切にしていき、患者さんが望んでいるゴールに近づけようとしています。もちろん専門家として持っているゴールにも近づいてもらえたらなおいいと思います。
- Q伝え方を工夫しようと思ったのはなぜですか?
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A
当院の患者さんに限らず、人間の性格は十人十色。だからこそ視線や話し方、表情を読み取って、目の前の患者さんが理解しやすいように伝えることが大切です。診療でも言いたいことの半分も言えていない患者さんは多く、私は患者さんが本当に求めていることを感じ取りたいと思ったのです。それで、コミュニケーションの幅を広げるためNLP(神経言語プログラミング)を学び始めました。それ以降、単に歯科医師としての見解を述べたり、従来の方法でコミュニケーションを取るのではなく、目の前の患者さんの発する一言に応じて説明方法を変えています。そうすることでスムーズにゴールを共有でき、治療に取り組みやすくなったと思っています。
- Q先生が思い描く理想の診療とは?
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A
お口の中で起こっている症状を、「ご自身の問題」と捉えて、解決しようと向き合ってもらうことです。歯科医師は、あくまでも解決のサポートをしているに過ぎません。患者さんが思い描くゴールと歯科医師が考えるゴールは、必ずしも一致するとは限りませんが、だからといってこちらの要望を押しつけたいわけでもないのです。一人ひとりに合った方法でコミュニケーションを図り、患者さんに寄り添いたいと思っています。ゴールが共有できたらそこからはじめて治療を進めていき、ポジティブにセルフケアに取り組めるような安心感を与えていきたいですね。それで、「楽しく通院できる場所」をめざしていきたいと考えています。