歯科嫌いな子にこそ来てほしい
子どものための歯科診療
あかな歯科クリニック
(大阪市都島区/都島駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
独特なチェアの上で口の中を触られ、歯科特有のにおいや音の中で痛みにおびえるのは、子どもにとって大きなストレスだ。「歯科医院で泣いてしまって治療ができない」、「家でもすぐ動いて仕上げ磨きがうまくいかない」と悩む親は少なくないだろう。「永久歯で虫歯ゼロ」を目標に掲げる「あかな歯科クリニック」の赤名正仁院長は、患者の気持ちを最優先するこまやかな対応で、歯科医院が苦手な子でも治療が受けられるようになる環境を整えている。また、家庭でのケアにもさまざまなコツがあり、無理なく続けられる方法を保護者にアドバイスしているとのこと。そこで今回は「歯科医院が苦手な子にこそ来てほしい」という同院の多彩な取り組みについて、詳しく話を聞いた。
(取材日2019年9月5日)
目次
さまざまなアプローチで歯に関する苦痛を減らし、笑顔の診療で子どもから「虫歯ゼロ」をめざす
- Q子どもの診療に力を入れているそうですね。
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A
僕は、人の笑顔を見るのが好き、そして子どもが昔から大好きでした。だから特にお子さんには、楽しく歯科医院に通ってほしいと思っています。開業前は歯科が苦手な患者さんを診る機会が多く、その方たちのつらい気持ちや虫歯だらけの口の中と向き合ってきました。多くの方は、子どもの頃の経験がもとで歯科医院が嫌いになっているのですね。しかし本当は乳幼児期こそ、正しい歯のケアや食習慣を身につけ、虫歯のない歯を育てるチャンスです。また、子どもの歯のケアに関する情報には、まだ偏りがあると思います。そこで、今までになかったような「歯科医院らしくない歯科医院」にしようと、当院ではさまざまな取り組みを行っています。
- Qどのようにして、治療ができるようにしていくのですか?
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A
話をお聞きする専門のスタッフがいますので、初診時に「歯科での嫌だった経験」などをお子さんや親御さんからじっくり伺います。その内容はスタッフで共有し、絶対に行わないように徹底しています。また、診察室内は明るくやわらかな空気になるように、僕もスタッフも患者さんに頻繁に声をかけますね。そんな中で治療を始めますが、お母さんの抱っこでもいいですし、大きなお子さんなら通院だけを繰り返して、座れるようになるまで待つこともあります。チェアに座れても、嫌がったら絶対に治療はしませんし、押さえつけて治療を行うこともありません。子どもの気持ちを大事にして、治療ができるようになるまでサポートします。
- Q楽しく通院できるような、さまざま取り組みもあるそうですね。
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A
当院では年に2回、お子さん向けのイベントを行っています。待合室や診察室で、ゴムボールすくいや輪投げといった、縁日のようなゲームを楽しんでもらえます。受診していないお子さんでも参加できるので、こういった機会にクリニックを見に来てもらうのもいいですね。受診が始まれば、毎回終わりに何が出るかはお楽しみ、カプセルトイで遊べます。また、当院では虫歯予防としてフッ素を活用しています。12歳までのお子さんを対象に「キッズクラブ」をつくっており、3ヵ月に1回の通院時にはフッ素の塗布に加えて、親御さんには上手な仕上げ磨きの方法や虫歯にならない工夫などをお話しするという取り組みも行っています。
- Q「虫歯ゼロ」のために、家庭で工夫できることはありますか?
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A
日本では、虫歯予防として歯磨きがとても重視されています。もちろん大事なことですが、フッ素を効果的に使うことや飲食のタイミングも大切です。例えばフッ素はご家庭でもフッ素の入った洗口剤やジェルが使えます。また、フッ素入りの歯磨き粉を使っているのなら、歯磨き後のうがいを工夫しましょう。この詳細については直接患者さんにお話しています。食事では「何を食べるか」ではなく、「何度食べるか」がポイント。家庭での日々の心がけで、お子さんの虫歯はかなり防げると思いますので、「キッズクラブ」で詳しくお伝えしています。
- Q歯科医院が苦手な子どもと家族に、アドバイスをお願いします。
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A
子どもは繊細で、わずかな痛みや不快な記憶から歯のケアが嫌いになってしまいます。しかし実は仕上げ磨き一つとってみても、子どもが痛がらないテクニックや、「ここだけ磨いておけば」という年齢に応じた仕上げ磨きのポイントがあります。また、どうしても治療が無理なら、虫歯の進行止めの薬を塗って様子を見ながら、お子さんが歯科医院に慣れるのを待つという選択肢も。さらに当院では、ダイエットやマラソンと同じように治療や仕上げ磨きでもゴールを明らかにし、「ここまでは頑張りましょう」とお伝えします。我慢をさせたり無理強いしたりせず、お子さんの気持ちを大事にしながら「虫歯ゼロ」をめざせることをぜひ知ってほしいと思います。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。