青山 勝 院長の独自取材記事
柳津あおやま眼科クリニック
(岐阜市/柳津駅)
最終更新日:2024/05/30

前面ガラス張りのホテルのようなモダンな外観が人目を引く「柳津あおやま眼科クリニック」。青山勝院長は、大学病院や複数の眼科クリニック勤務を経て生まれ育った地元で開業した。一般的な眼科疾患から、小児のオルソケラトロジー、飛蚊症診療、白内障手術、硝子体手術まで対応しており、特に青山院長が得意とする多焦点眼内レンズ挿入手術においては北海道から沖縄県まで遠方から訪れる患者も多い。「培ってきた専門性を生かし、常に知識と技術をアップグレードして、成果を患者さんに還元していきたいと思います」と穏やかに話す青山院長。先進の技術と高い専門性を強みに、患者のライフスタイルに合った治療を常に心がけている。
(取材日2023年11月16日)
多焦点眼内レンズの白内障手術をはじめ飛蚊症にも対応
先生のご経歴についてお聞かせください。

岐阜大学医学部医学科を卒業後、附属病院の眼科に入局、その間、岐阜県総合医療センターや多治見市民病院に勤務しました。5年ほどたった頃、アメリカでレーザー専門の施設がつくられるという話を聞き、ピッツバーグ大学へ。もともと屈折矯正の分野に興味があったのでその分野で進んでいる海外で学びたいという思いが強かったのです。アメリカでは、現在は普及しているOCT(光干渉断層計)の研究開発にも携わりました。帰国後は東京で「品川近視クリニック」はじめ複数のクリニックに勤務していましたが、長男であることも考えて地元に戻ることを決意した次第です。その頃には開業医として患者さんを継続的に診ていきたいという思いも強まっていました。
患者はどのような方々が来られていますか?
地域の方を中心に、お子さんから高齢の方まで幅広く来られています。お子さんは近視の相談も多いのですが、近視は将来的な目の病気に関わってくる問題です。眼軸長が伸びて網膜が薄くなり、神経が弱るなどして、将来的に緑内障や網膜剥離の発症のリスクが高まり、白内障も早期に起きやすくなります。そのためお子さんの近視に早めに対処することは、非常に大事で力を入れたいところです。必要に応じて目薬の処方のほか、オルソケラトロジーという矯正用のナイトコンタクトレンズは多くのお子さんに処方しています。
大人の患者についてはいかがでしょうか?

患者さんは、東海3県はもとより関東や関西、北海道から沖縄までさまざまなエリアから来られています。硝子体の濁りが原因の飛蚊症の方も遠方から来られており、レーザー機器を使用します。治療としては手術もあります。他にレーシックや眼内コンタクトレンズ、白内障手術も多いです。多焦点眼内レンズの種類はニーズに応えられるよう国内外のものを豊富にそろえています。術後に屈折矯正が必要な場合もありますが、当院ではそのために、エキシマレーザーもあります。また白内障手術でレーザーを使用することもできますので、切開手術が難しい患者さんが病院や他の眼科クリニックから紹介で来られることもあります。
新しい機器を積極的に導入、さまざまな治療に生かす
先進の検査機械を取り入れておられると伺いました。

はい、まず緑内障の診断に使用する視野検査の機械があります。片目で約3分と時間が短いので患者さんの負担が軽減されます。また、目のさまざまなデータを測定する機械も新しく入れました。手術機械とリンクしていて、どこを、どの角度で切開するかなどすべてが手術顕微鏡と3Dモニターの画面上に表示されます。瞳孔の中心もわかりますので、手術の精度を高めることにつながります。手術後もデータを学習してフィードバックできるため、次の手術に生かすこともできます。当院ではこれらの検査機械が複数台あり、検査の待ち時間の短縮に役立っていると思います。OCTも2台あり、また散瞳せず網膜撮影ができる超広角眼底カメラもあるので、車で来られる患者さんにも喜んでいただけると思います。
手術の機械についてはいかがですか?
当院では手術顕微鏡も2台あります。お話ししたように検査機械とリンクしているので3Dモニターによりビジュアルですべてのデータを管理しながら手術ができることが特徴です。見たい箇所をより強調することも可能です。こうした仕組みにしたのは、昨今さまざまな分野でロボット支援手術が取り入れられており、いずれは白内障手術でもそうなるのではないかと考えたから。モニターを見ての手術に慣れれば、あとはロボットアームの操作を覚えればいいだけですから。またモニターがあることでスタッフと情報共有でき、手術を円滑に進めることにも役立っています。他に、レーザー白内障手術装置や硝子体手術装置なども備えています。
治療方針についてもお聞かせいただけますか?

可能な限り当院で治療を完結できるようにもしたいと思っています。そのために性能の高い機器を備え、非常勤の先生を増やし、幅広い対応ができるよう体制を整えてきました。診療の際には、「自分が受けるならどうしたいか?」「目の前の患者さんが自分の家族ならどうするだろう?」と考えて患者さんに向き合っています。また患者さんがどのような気持ちでここに来られたのかにも思いをはせています。医師にとってはたくさんの患者さんがいらっしゃいますが、患者さんにとってはただ1人の医師。何に一番困っていらっしゃるかをくみ取り、その方にとってベストだと思う治療を提案をしたいと思っていますし、基本的な視力検査や眼圧検査についても結果をきちんと説明したい。ですからどうしても診療に時間がかかってしまうことがあります。
地域の患者のため幅広い医療を提供
非常勤の医師やスタッフさんについても教えてください。

非常勤の先生は、開業時は1人か2人でしたが現在は約10人になりました。外来は3診体制で、白内障や硝子体、眼内コンタクトレンズなどの年間手術件数は開業当時の10倍以上です。ほとんどの先生が私と同世代で、経験も技術も信頼できる方々です。というのも、この地域は田舎で、さまざまな困りごとの患者さんが来られます。ここで治療できないとなると患者さんがとてもがっかりされますので、いろいろな症例に対応できるように優秀な先生方に来てほしくて、給与面でもかなり良い条件で募集したんです(笑)。その結果、当院での診療レベルは全国的に見ても非常に高いものになったと思います。スタッフも増えて、特に視能訓練士は7人です。手術室にも入ってもらい、手術の流れや自分の仕事の役割についてより理解を深めてもらうようにしています。スタッフにもやりがいを持ってスキルアップしてほしく、勉強会などへの参加も奨励しています。
先生が眼科の医師をめざされたのはなぜですか?
子どもの頃はパイロットになりたいと思っていましたが、中学生の時、目が悪くなってしまい、諦めました。そしてその頃から目のことに関心を持つようになったのです。当時、白内障手術で著名な先生が出ているテレビ番組を見る機会があり、治療を受ける患者さんの姿に感動したことを覚えています。人の役に立てる医師という職業に魅力を感じました。医師になるなら、見たり聞いたりする感覚を扱う分野に携わりたいと考え、眼科か耳鼻科かで入局ギリギリまで迷い、最終的に眼科に決めました。私は昔から機械好きで、パソコンも新製品が出たらすぐに購入してしまうこともあったのですが、今も新しい機器は積極的に取り入れていますね。
今後の展望についてお聞かせください。

クリニックというのは開業して10年でピークを迎えると思います。その後はその状態をキープしていくことになるわけです。当院は開業して8年、これまで人材と設備に投資をして、それを患者さんに還元したいとの思いで、今ではひととおりの医療が提供できる体制となりました。白内障手術では難症例にも、術後の屈折矯正にも対応できる専門的かつ総合的な知識と技術があります。開業10年に向けてあと数年は施設としてのキャパシティのマックスまで患者さんを受け入れ、他の先生方とスタッフと力を合わせて医療の質の維持、向上に努めていきたい。そして患者さんのさまざまなお悩みに応えられ、患者さんに満足されるクリニックとして、できる限りの最善の治療をしていきたいですね。地元に根づき、「目のことで困ったらここに来れば大丈夫」「来て良かった」と思っていただけるクリニックでありたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/12万円、多焦点眼内レンズ(片眼:レンズ代)/24万2000円~、飛蚊症へのレーザー施術(片眼)/3万円、レーシック手術(両眼)/12万円、眼内コンタクトレンズ(片眼)/24万円