金子 建介 院長、金子 佑香 副院長の独自取材記事
新宿内視鏡クリニック
(新宿区/西新宿五丁目駅)
最終更新日:2025/08/12

西新宿五丁目駅から徒歩2分に位置する「新宿内視鏡クリニック」。胃と大腸の内視鏡検査に特化した同院を、2025年4月より引き継いだのは、金子建介院長と金子佑香副院長の夫婦。消化器外科・大腸肛門外科を専門とする建介院長は、これまで消化器がんの治療・検査・研究に従事してきた。その豊富な知識に裏打ちされた論理的な説明で患者と真摯に向き合う。建介院長とタッグを組む佑香副院長は患者をリラックスさせてくれる明るい笑顔に親しみやすい語り口が魅力。消化器内科の医師として、長年、がん治療の専門病院に勤めた経験を生かし、「小さな病変も見逃さない」ことをめざし内視鏡検査に注力する。ともに高い志を持って診療に従事する2人に、同院の特徴や診療への想いを聞いた。
(取材日2025年5月28日)
高度医療機関での経験を生かし、質の高い検査をめざす
まず、院長のご経歴とこちらを引き継いだ経緯を教えてください。

【建介院長】私は消化器外科、大腸肛門外科の医師としてキャリアを積んできたのですが、最初は市中病院で消化器外科の研鑽を積み、その後、東京大学医学部附属病院などで大腸肛門外科を専門として扱うようになりました。その間に東京大学の大学院やアメリカのデューク大学で、がんの研究にも従事していました。そういった中で、内視鏡分野の発展とともに、がんを未然に、早い段階で治療できないかというのが自分の中で大きなテーマになっていきました。同時に開業についても模索するようになっていたときに、前院長の谷口将太郎先生が、こちらを引き継いでくれる人を探しているとお聞きしました。お会いすると診療の進めた方がとても似ていて、「水浸法」という内視鏡検査の方法を含めて理想どおりのことが行われているクリニックであり、めざすクリニック像にも共感したんです。引き継ぐ意思を固め、2025年4月にこちらの院長に就任いたしました。
副院長のこれまでのご経歴も教えてください。
【佑香副院長】私は、がん研有明病院というがんを専門とする病院で、消化器内科の医師として内視鏡の診断と治療に数多く携わり研鑽を積んできました。がんを早期に見つけて治療をして、患者さんも笑顔で帰っていただくことが多かったのですが、その中で、どうしても内視鏡治療だけでは終えられない患者さんもいらっしゃいました。そういう方を診るにつれ、笑顔で帰っていただくためには、楽に検査を受けてもらう必要があると考えるようになりました。今は自分の時間を取りにくい方も多く、忙しくて受診できないせいで、がんの発見が遅くなるというのがすごくもったいないと感じていたんです。医師として勤務を続ける中で積もってきたその想いを解決したい気持ちから夫とともに引き継がせていただきました。
どのようなクリニックをめざしていきますか?

【建介院長】苦痛の少ない内視鏡検査を行うことで患者さんのハードルを下げ、たくさんの方に検査を受けていただきたいと思っています。それによって、未然に病気の進行を防ぐことが私たちのめざすところです。やみくもにハードルを下げるのではなく、提供する検査の精度が高くなければ、それは実現できません。これまで培ってきた先進の技術と知識を還元し、どちらも妥協せずに患者さんに提供していきます。
【佑香副院長】受けやすい検査と見逃さない検査を両立する高水準の内視鏡検査をめざし、プライドを持って検査を行っていきます。また、病院を紹介するとなったときには、これまでの経験から迅速に適切な医療機関を紹介できることも信頼していただきたい部分です。
水浸法や内視鏡的洗浄液注入法で検査時の負担を軽減
内視鏡検査の特徴を教えてください。

【建介院長】検査時の苦痛をできる限り軽減した内視鏡検査を行っていることが特徴です。大腸内視鏡では「水浸法」や「内視鏡的洗浄液注入法」といった患者さんにとって楽だと思われる検査方法を採用し、胃・大腸いずれも鎮静剤をきちんと使用することで、苦痛の軽減を図っています。また忙しい方に向け、胃と大腸の同日検査や、当日の検査にも対応しています。
【佑香副院長】女性医師が担当できることも、当院の特徴です。なかなか専門の科を受診しにくい痔の診療も行っていますので、気にある症状がある方は相談にいらしてくださいね。
受ける方の苦痛の軽減を図る水浸法や内視鏡的洗浄液注入法とはどんな検査方法ですか?
【建介院長】水浸法は、大腸の内視鏡検査の際、少量の水を注入しながら腸の内側を観察する方法です。従来の、つぶれている腸を空気を入れてぱんぱんにふくらませる方法では、腸が伸びたり内視鏡のスコープに押されて痛みが出たり、検査後もおなかが張って苦しかったりしていました。一方、水浸法は腸をぱんぱんにせず、水で摩擦抵抗が減り無理なくスコープを進めることができます。また、従来の方法は腸がふくらんだ状態なのでスコープが宙に浮くようになって不安定でしたが、水浸法はそれがないため、ポリープを除去する際も安定性が高いと考えられます。内視鏡的洗浄液注入法は、大腸内視鏡検査の前に胃内視鏡検査を行い、胃に直接下剤を注入する方法です。従来は下剤を口から2リットルも飲まなくてはなりませんでしたので、特に「飲めないから」と検査を諦めていたご高齢の方も受けやすくなるのではないでしょうか。
痔の診療も行っているのですね。

【建介院長】内視鏡検査が主軸ではありますが、肛門鏡を用いた診察と投薬治療をメインとした痔の診療も行っています。今後は、院内での手術も行う予定です。2025年8月より、痔の日帰り手術を開始いたします。
【佑香副院長】痔の症状で肛門外科にかかるのはとてもハードルが高いと思います。当院でしたら、内視鏡クリニックに通うという体裁で肛門の相談もできるので、少し受診しやすいのではないでしょうか。もちろん、院内の他の患者さんにもわからないように相談していただけます。私も出産をきっかけに痔の症状が悪化してしまった一人ですので、共感できる部分が多いんです。
タイプの異なる2人の医師が、ともに早期発見に尽力
設備などでこだわっていることはありますか?

【建介院長】先進の検査機器を導入し、見逃しを防ぐために拡大内視鏡と狭帯域光観察という特殊な光を照射できる機器を併用しています。当日に結果がわかるピロリ菌の検査機器も導入し、できる限り通院回数を減らせるように努めています。おなかや心臓まで確認できる超音波検査機器もあり、すぐにスクリーニングが可能です。
【佑香副院長】内視鏡のスコープは患者さんの体形によって適したものがあるんです。当院では、できるだけ負担をかけずに検査を受けていただけるよう、さまざまな種類のスコープをご用意しています。体格のしっかりした方はもちろん、小柄で華奢な女性に合う、細くてやわらかいタイプも多く取りそろえています。検査は眠っている間に終わるので、スコープの違いに気づかれることはないかもしれません。でも、見えないところだからこそ、体への負担をできるだけ抑えながら、安心して受けていただける検査を大切にしています。
院長、副院長に就任したばかりでお忙しいとは思いますが、休日はどのようにお過ごしでしょうか?
【佑香副院長】院長は息をするように勉強をしています(笑)。いつも本と論文を持ち歩いて、隙間時間に勉強をしているので、知識がすごいんですよ。
【建介院長】本を読んでいることも多いですが、クリニックを引き継いだばかりでなかなか落ち着かず、休日は平日にできない仕事をすることが多いですね。休日らしい過ごし方といえば、最近は家族で水族館に行きました。子どもがまだ小さく初めての水族館でした。そういった家族とのイベントも大事にしています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【建介院長】大腸がんで亡くなる方を減らしたいというのが、一番の願いです。健康診断で一般的な便潜血というのは大腸がんを発見するには有用ですが、引っかかった場合は、進行していて手術が必要となるケースが多いです。その一歩手前のポリープの段階の治療ができれば、治療の負担も少なくて済みます。そのためにも一度は大腸内視鏡検査を受けていただきたいです。
【佑香副院長】当院では女性医師も在籍し、検査のハードルをできる限り下げられる工夫をしています。院長は論理的で説明がうまく、私には男性の先生には伝えにくい相談もしていただけたらと思います。スタッフも良い人ばかりに恵まれ、優しく対応してくれますので、気楽な気持ちでいらしてください。