浦濱 竜馬 院長の独自取材記事
大宮静脈瘤クリニック
(さいたま市大宮区/大宮駅)
最終更新日:2024/08/26

大宮駅西口から徒歩2分ほど。駅から近く通院にも便利な「大宮静脈瘤クリニック」は、下肢静脈瘤の日帰り手術に対応しているクリニックだ。苦痛や不安感を軽減するために鎮静下での治療を得意とする浦濱竜馬院長は、どんな質問にも明るく丁寧に答えてくれる姿がとても頼もしい。一般的に命に関わらない病気といわれる下肢静脈瘤だが、手術を受けることで日々悩まされている脚のむくみやだるさ、見た目の凹凸などの改善が見込めるため「手術を受けるメリットは大きいと思いますので、納得して受けていただけるようにわかりやすい説明に努めています」と、浦濱院長は語ってくれた。患者の負担を減らすため、短時間でより良い治療の提供をめざす浦濱院長に、同院の治療方法や診療への思いなどを聞いた。
(取材日2024年7月23日)
負担の少ない下肢静脈瘤の日帰りカテーテル治療に注力
こちらは静脈瘤の治療を専門としていますが、クリニックの特徴を教えてください。

当院は下肢静脈瘤の治療に特化したクリニックとして2016年に開院しました。下肢静脈瘤の治療は、以前は入院による手術が主流でしたが、カテーテル治療が保険適用となり、それ以降はカテーテル治療を中心に行われています。当院でも保険適用の日帰りカテーテル治療に力を入れ、注射薬を投入する硬化療法にも対応しています。日帰り手術は鎮静剤を注入する静脈麻酔と局所麻酔を併用しながら、うとうとと眠ったような状態でリラックスして受けていただけることが、当院の治療の大きな特徴です。私は、長く消化器外科の医師として胃や大腸の内視鏡検査なども行ってきましたので、鎮静下での治療や検査を得意としています。患者さんの負担が少なくなるように日々努めていますので、まずはご相談や検査だけでも気軽に受けていただきたいです。
下肢静脈瘤とはどんな病気なのでしょうか?
脚の静脈は、重力に逆らって血液を心臓に戻す働きを担い、静脈内部には血液の逆流を防ぐ働きをする逆流防止弁があります。下肢静脈瘤は、この逆流防止弁が必要以上に開いたり、弁が壊れたりした状態となり、正常に機能せず心臓に戻るべき血液が逆流し、逆流した血液が脚の静脈にたまってしまう病気です。脚の血管がぼこぼこと膨れ上がったり、浮き出たりします。夜から朝にかけて脚がつる、脚がだるい、脚が重苦しい、疲れやすいなどといった症状も出てきます。進行すると、こむら返りや、皮膚のかゆみ、色素沈着、皮膚潰瘍などの皮膚のトラブルも起きてきます。また、脚のだるさや重苦しさなどの症状はほとんどないのですが、血管がクモの巣状や網目状にもやもやと広がる場合もあります。下肢静脈瘤は命に関わらないケースがほとんどですが、症状を改善に導くことで日々の暮らしを楽しめるようになるのであれば、治療するメリットは非常に大きいといえます。
患者さんはどういった方が多いですか?

年配の女性に多い病気ですが、大宮は地域柄なのか40~50代くらいの若い方もいらっしゃいます。下肢静脈瘤のリスク要因としては家族に既往歴のある人、妊娠・出産経験のある人、美容師や調理師のようにあまり歩かずに立ち仕事をしている人などが挙げられます。男性は女性と比較すると少ないですが、肥満傾向の人は注意が必要です。特に家族が下肢静脈瘤になったことがある方は罹患するリスクが高いです。「脚がだるい、むくむ、つるなどの症状はあるけどどの診療科を受診していいのかわからない」、「自覚症状はあまりないが脚に血管のこぶのようなものがあり放置して良いかわからない」など悩んでいることがあれば、年齢に関係なくご相談にいらしてください。
聞き慣れない治療の用語も、かみ砕いて丁寧に説明
現在、どのような治療に対応していますか?

当院で行っている治療方法は主に3つあり、進行具合や患者さんの年齢、生活背景などによって選択しています。まず1つは血管内焼灼術といってカテーテルを血管内に入れて、患部をレーザーや高周波で焼灼して治療する方法です。体に異物が残らず、術後のリスクが少ないとされる方法ですが、1ヵ月ほど脚を圧迫するための弾性ストッキングを履く必要があります。もう1つは2019年より保険適用となったグルー治療です。医療用の瞬間接着剤を静脈瘤になっている血管の中にカテーテルで送り、血管を閉じるための治療法です。こちらは術後に弾性ストッキングを履く必要が原則なく負担の少ない治療ですが、アレルギー体質の方には行えません。3つ目は、静脈がクモの巣状や網目状になっている場合に行う硬化療法です。これは静脈に硬化剤という薬を注入し、下肢静脈瘤そのものをつぶすことを目的とした治療法です。どの治療方法もできる限り短時間で行います。
診療の際に心がけていることを教えてください。
患者さんのライフスタイルを考えながら、より良い治療を短時間で提供することを心がけています。自分の身内を診るような気持ちで向き合っていますので、安心してご相談いただきたいです。もともと専門として経験を積んできた鎮静下の内視鏡検査でも、患者さんがつらくないようにと常に大切にしてきたことで、静脈瘤の治療においてもその考えは変わりません。予定している診療時間より多少時間がかかったとしても丁寧な説明を行い、患者さんに納得して治療を受けていただきたいんです。聞き慣れない用語も多いと思いますので、なるべくわかりやすい言葉で簡潔に伝えることにも努めています。
スタッフさんも明るく、良い雰囲気の院内ですね。

ありがとうございます。看護師も事務スタッフもとても優しく、ご年配の方はエレベーターまで見送るなどさりげない気配りが自然にでき、電話対応も丁寧です。自慢のスタッフたちなんですよ。下肢静脈瘤の手術後には、下肢を圧迫する弾性ストッキングを履いていただくことになるのですが、医師からの説明後、看護師からも着用の仕方などを説明してもらっています。硬くて履きにくいストッキングですが、経験と知識のある看護師が丁寧に説明しますので、気になることがあれば気軽に相談してください。
人の役に立つために、全力を尽くす
先生はどういった経緯で、こちらの院長に就任されたのでしょうか?

さきほどの質問でも少しお話ししましたが、私はもともと消化器外科の医師として大学病院や総合病院などで、胃がんや大腸がんなど消化器がんの手術や、胃や大腸の消化器内視鏡検査を行っていました。そんな中、私には小学生の子どもがいるのですが、家庭の事情で子育てしながら病院勤務をするのが難しくなり、クリニックでの診療に比重を置くことにしたんです。病院で行っていたがんの手術は複雑で技術を要するもので、その経験は当院の下肢静脈瘤の治療にも生かせています。
もともと医師をめざしたきっかけはありましたか?
小さい頃から人の役に立つ仕事に就きたいと考えていました。自分が人生でできることは限られていると思うのですが、せっかく生まれてきたからには自分の力で人のためにできる最大限のことをしたいと思ったんです。人々の役に立つ仕事はたくさんありますが、自分の中ではそれが医師という仕事でした。がん治療に携わっていた時はもちろんのこと、静脈瘤の治療は術後早期から症状の改善が見込めるので、やりがいのある仕事です。私が治療することで感謝の言葉をいただけたなら、幼い頃からの夢がかなった喜びを感じられるでしょうね。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

積極的に勉強会などに参加し、エビデンスに基づいて新しいことは取り入れ、常にアップデートを図っていきたいと思います。下肢静脈瘤は治療を受けると、1、2週間で自覚症状の改善が見込める疾患です。ご年配の方は、命に関わらない病気であることから「もう年だから」と治療を躊躇される方もいるのですが、入院をすることなく日帰りで日々悩まされる脚のだるさやむくみなどからの解放が望めますので、健康寿命を延ばすためにも治療を前向きに考えていただきたいですね。年齢を重ねても元気な毎日を希望される方たちにとって必要とされる治療を、より良く提供していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは弾性ソックス・ストッキング(保存療法の場合)/5720円~