歯茎が痩せた、歯が長く見えるは受診の合図
正しく知る歯茎の移植
かねこ歯科診療所
(伊丹市/伊丹駅)
最終更新日:2025/01/09
- 保険診療
「最近、歯が長くなった気がする」「歯の長さはそろっているのに、歯茎の高さが全然違う」「冷たいものは歯がしみる」など、見た目や知覚過敏のような症状に悩まされている人はいないだろうか。多くの人は放置してしまいがちな症状だが、放っておけば歯を支える歯茎が痩せ、歯を失う原因にもなりかねない。こうした症状に対し、歯茎の移植・再生を提案しているのが「かねこ歯科診療所」の金子潤平院長。自身では気づきにくい「歯茎が痩せる」症状について、根面被覆術という歯茎の回復を図る手術について教えてもらった。
(取材日2023年4月14日)
目次
「歯が長くなった」「歯茎が痩せた」は受診の合図。早期の歯茎の移植・再生で大切な歯を守り抜こう
- Q歯茎が下がり歯が長く見えます。歯がしみることもあります。
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A
歯茎が痩せ、これまで隠れていた歯根部が露出したことで起こっている症状です。この原因は、もともと歯茎や骨が薄い、歯ブラシでのブラッシングの力が強すぎる、歯ぎしりをしている、加齢により歯茎が痩せたなど人それぞれ異なり、中には複数の原因が重なって症状が出ているという方もいらっしゃいます。本来歯茎の中にあった歯根が露出してしまっている状態のため、冷たい物がしみるといった知覚過敏の症状で受診される方が多いですね。このほか歯茎が下がり茶色っぽい歯根が露出するため白い歯冠部と色の差がある、歯の長さはそろっているのに歯茎の高さが異なっているなど、見た目が気になってご来院される方もいます。
- Q元に戻すことはできますか?
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A
露出した部分に樹脂を詰める、移植により歯茎の再生を図るなどの方法が考えられます。ただし樹脂を詰める方法は、歯がしみるという症状の改善は図れても、歯茎が痩せた根本の原因を解消しているわけではないので、さらに歯茎が下がってしまう恐れもあります。優しいブラッシングをしていても歯茎が痩せてしまう方は、生まれつき歯茎が薄いのかもしれません。そういった方には歯茎に移植し分厚くするための根面被覆術(こんめんひふくじゅつ)をご提案しています。下がってしまった歯茎の回復を図るだけでなく、再び歯茎が痩せてしまうリスクを抑えることにもつながります。
- Q先生は根面被覆術の経験も豊富だと伺いました。
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A
最近では特に根面被覆術に関するご相談を多く受けています。歯茎が下がって歯が長くなってしまっている状態を「こういうものだから仕方がない」と諦めてしまっている方は多いと感じています。歯周病によって歯茎が下がったのか、歯茎そのものの問題なのかなど原因によっても異なりますが、歯茎の移植をうまく適用できれば改善が見込めます。歯茎の痩せは40代・50代くらいから増え始めますが、20代、30代からも見られます。
- Q歯茎の治療はどのような流れで行いますか?
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A
診察とカウンセリングの後、場合によっては歯科用CTを撮って歯肉と骨の厚みを測ります。その後、模型の歯型を採り、手術の詳細を設定をしていきます。手術後は、出血があることもありますのでお食事のとり方に注意は必要ですが、術後よりほぼ通常通りの生活を過ごしていただけます。術後は、1週間後に一度来院いただきながら、経過観察を行っていきます。
- Q手術や処置を行う上で工夫されていることはありますか。
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A
詳細までしっかり知りたいという方にはさらに詳しくご説明し、「詳細までは言わないで」とおっしゃる方にはなるべくサラリとお話するなど、患者さんの個性に合わせた対応で、できるだけ不安のない状態でオペに入っていただくように努めています。またスタッフとは事前に打ち合わせをし、スムーズなオペで可能な限り時間を短縮できるようにしています。また患者さんに了承を得た上で記録写真を撮らせていただき、後日ご希望があればご覧いただいております。「何をされたかわからないのは不安」という患者さんご安心をご提供できるように努めています。