長持ちさせるための土台作りを重視した
インプラント治療
かねこ歯科診療所
(伊丹市/伊丹駅)
最終更新日:2025/01/08


- 自由診療
「手術が怖い」「費用が高額」など、ネガティブなイメージを持つ人もいるインプラント治療。しかし、入れ歯やブリッジにはない人工歯根が、咀嚼の圧力を受け止めることができるため、残った天然歯への負担をかけにくく、結果的に、残った歯の寿命を延ばすことにつながることが期待できるという。歯周病治療に注力してきた「かねこ歯科診療所」の金子潤平院長は、歯茎の性質を適切に捉えたインプラント治療を提供。顎の骨の造成はもちろん、インプラントを守るしっかりとした歯茎・角化歯肉の移植なども行っている。「正しく対応すれば周囲の歯にも負担をかけにくい、とても良い治療」と語る金子院長に、同院のインプラント治療の流れについて聞いた。
(取材日2023年4月14日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療とはどのような治療ですか?
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A
インプラント治療は、顎の骨に人工歯根と呼ばれる歯の根っこを埋め込んで、頭となる義歯をつける「歯を失った人のため」の治療です。歯が欠損した場合の選択肢には「入れ歯」や「ブリッジ」もありますが、どちらも根っこを作るわけではなく、健康な周囲の歯が義歯を支えてくれることで成り立つもの。頼られた両隣の歯への負担が大きいんです。一方でインプラントは人工歯根なので、かぶせ物にかかる力はすべてインプラントが受け止めるため、周囲の歯には負担をかけません。インプラントは失った歯を回復させるのはもちろん、残った天然歯への負担を減らし、その寿命を延ばすことが期待できる点が大きなメリットだと考えます。
- Qインプラント治療を行う上で大切にしていることは何ですか?
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A
すべての歯科治療と同じく、全顎的に診るということです。「歯がないからインプラント」ではなく、その歯がなぜ失われてしまったのか、全体の中で噛み合わせの状態などを診査した上で初めて、ここはインプラントが適している、これならブリッジでも可能などとご提案できると考えています。それに、たとえインプラントを入れても他の歯が駄目になったら意味がありません。長持ちする治療をめざすために何より大切なのはきちんとした土台づくりです。インプラントを希望する方にも、まずは既存の歯を残すための虫歯や歯周病の治療を行っています。口腔内の環境が整えられていればインプラント治療を行った後もメンテナンス可能になります。
- Q歯周病治療のご経験も生かされているそうですね。
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A
歯周病の知見は歯茎の性質の理解にもつながり、インプラント治療においても生かされています。角化歯肉といって硬く分厚い歯茎がない状態でインプラント治療を行うと、インプラント周囲炎が起こるリスクが何倍にも高くなると報告されています。インプラント周囲炎が起きてしまうと歯茎には痛みが生じるため、痛みで歯磨きがおっくうになりブラッシングが行き届きにくくなるため、口腔内に歯周病菌が取り残されてしまいます。そんなことにならないよう、角化歯肉がない患者さんの治療では、歯肉を移植してインプラントの周囲に硬い歯茎を作ります。結果、ブラッシングもしやすくなり、インプラント自体を長持ちさせることにもつながります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・カウンセリング
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問診とカウンセリングで歯を失った原因を探り、この後に行われる各種検査のためのヒアリングが行われる。同院では、問診・カウンセリング・検査の結果を踏まえどのようなインプラント治療が適しているかどうかの判断を行う。歯を失って長期間放置していた場合は、かみ合わせがずれている場合もあるため、先に入れ歯やブリッジで噛み合わせを調整することをめざし、その後インプラントを行うケースもある。
- 2検査や型採りを行い、口腔内の状況を診断
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問診とカウンセリングの後は、エックス線や歯科用CTによる撮影、口腔内写真の撮影、型採りなど、口の中の状態を知るための詳細な検査を行う。同院では「インプラントありき」ではなく、全顎的な診断を通して、どのようにインプラントを使えば最大限に効果が発揮できるかを診断。インプラント周囲炎の予防や長持ちさせることにつながる角化歯肉の厚みもここでチェック。
- 3土台のケアと手術準備
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虫歯や歯周病などがあれば治療して口腔内の環境を整えることを図り、顎の骨が薄い患者は骨造成、歯茎が薄い患者は歯肉の移植なども併用してインプラント手術を行う。また手術前には歯科用CTで撮影し、適切にインプラントを埋入するためのガイドとなるサージカルステントを作製。
- 4インプラント埋入手術
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一般的な手術時間は1本30分ほど。「それぞれの患者さんの状態や治療の手順などの情報をすべてスタッフと共有し、短時間で終わらせることができるよう工夫をしています」と金子院長。手術時間の短縮は良好な予後や痛みの軽減にもつながるという。抜歯を伴う場合、抜歯後骨がすぐに吸収してしまう上前歯であればインプラント手術と同日に行い、奥歯であれば抜歯と埋入手術を別日に分けて行うこともある。
- 5定期メンテナンス
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同院では、術前に口腔内の環境を整えることをめざし、術後はメンテナンスでしっかり維持していくという考えのもと、3ヵ月に1度を基本に定期メンテナンスを推奨。ホームケアとプロフェッショナルケアのどちらも継続は大切だ。インプラント周囲炎にかかってしまうとインプラントが埋入されている顎の骨が溶けてなくなってしまうことも。早期発見・早期対応のために、見た目のトラブルがなくとも1年に1度はエックス線検査を行う。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円~60万円、歯肉移植/1本3万円~、骨造成/3万~10万円、入れ歯/10万円~