痛みに配慮し、帰宅もサポート
安全性を重視した日帰り白内障手術
平本眼科クリニック
(大阪市平野区/加美駅)
最終更新日:2022/10/31


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物が見えにくくなったり、光をまぶしく感じたり、老視(老眼)などと同じように、加齢に伴って症状が出てくる白内障。治療技術の確立した現代では失明に至る患者は少ないというが、それでも放置すれば重大な事態を招くことも。日本眼科学会眼科専門医の資格を持ち、大学病院などで白内障手術を含む眼底疾患治療の経験を積んだ平本裕盛(ひらもと・ゆうせい)院長の「平本眼科クリニック」では、検査機器や手術機器、手術室など大学病院と同等レベルの環境整備にこだわり、日帰りによる白内障手術を実施している。安全面を最も重視しているという平本院長に、白内障とはどんな病気か、日帰り手術のメリット、痛みへの配慮のほか、治療の流れについて聞いた。
(取材日2022年6月25日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q白内障とはどのような病気ですか?
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A
白内障は目のレンズにあたる水晶体が濁る病気です。カメラのレンズが汚れていると仕上がった写真がかすむなど写りが悪くなってしまうように、目も同じようにかすんだり、光をまぶしく感じたりとさまざまな症状が出てきます。人により症状の出方は異なりますが、加齢とともに進行が止まるはずの近視が年々悪化しているケースでは、白内障の進行も疑われます。手術治療が可能な現代において失明する患者さんはほとんどいませんが、放置し続ければ光を失う可能性があります。手術では濁った水晶体を吸引して摘出し、人工の眼内レンズを挿入します。当院では精密な測定が可能な検査機器や高性能な顕微鏡などを導入し、日帰りでの手術を行っています。
- Q日帰り手術のメリットを教えてください。
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A
患者さんの不安をなるべく取り除き安心していただけることです。白内障の手術は短時間かつ痛みも少ないものですが、大半の患者さんは緊張され、術後も疲労感でいっぱいです。そんな日に安心できる自宅でぐっすりと休むことができるのは、日帰り手術ならではのメリットといえるでしょう。病院への送迎、手術説明や入院手続き、着替えの準備といった、入院を伴う手術の際に発生するさまざまな問題や手間も減るため、ご家族への負担軽減にもなると考えます。また、軽度の認知症が入院により悪化したケースも経験しているので、局所麻酔での手術が可能な軽度認知症の方であれば、むしろ生活環境が変わらない日帰り手術をお勧めしたいですね。
- Q手術の痛みや術後の合併症など不安が尽きません。
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A
当院では、最近の一般的な白内障手術で用いられる点眼麻酔ではなく、古くから使われてきたテノン嚢下麻酔を行っています。しっかりとした麻酔効果が期待できると考えているためです。当院では術中の声かけを行うなどして、痛みや不安にも十分配慮しています。白内障手術で最も怖いのが、術後の合併症である感染症です。手で目を触るなどして眼内炎になると非常に危険なため、術後から翌日の受診時までは眼帯で厳重に保護します。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・検査で手術の要否を確認
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問診では、光がまぶしい・物がかすむ・ゆがんで見えるといった“見えにくさの種類”を確認。「これが見えづらい」「こんなときに困る」など、状況をしっかりと伝えよう。さらに散瞳薬を用いた眼底検査で、白内障だけでなく、緑内障や網膜の病気などほかの眼疾患がないかも併せてチェックしていく。白内障と診断され、手術を希望する人は次のステップへ。同院では手術保留あるいは希望しない患者に無理に勧めることはないという。
- 2手術前検査で全身状態や眼内をチェック
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手術が決まったら、全身状態の確認やB型肝炎・C型肝炎など感染症の有無を調べる血液検査のほか、黒目の膜の細胞の数を調べる角膜内皮細胞検査、黒目のカーブを測る角膜曲率半径測定、目の奥行きと長さを測る眼軸長測定を受ける。角膜曲率半径測定と眼軸長測定は、眼内レンズの度数を決めるものだという。同院では大学病院と同等クラスの検査機器整備にこだわり、精度の高い検査に努めている。リラックスして臨もう。
- 3手術の流れやリスク、費用などについての説明
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目の構造や白内障がどのような病気か、また手術方法や合併症などのリスク、手術費用や手術までの流れについて詳細な説明が行われる。疑問や不安があればここでしっかり聞いておこう。白内障手術は眼内レンズまで含め保険が適用されるが、多焦点眼内レンズを選択した場合はレンズ差額分が別途必要。レンズによって見え方が異なるため、単焦点眼内レンズ、多焦点眼内レンズそれぞれのメリット・デメリットも併せて伝えている。
- 4院内で日帰り手術を受ける
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3日前から目薬をさして手術に備え、前日にも来院し最終的な体調確認が行われる。同院では麻酔をしっかり効かせるように配慮し痛みへの不安をコントロール。平本院長は患者それぞれの緊張度合いを考慮しながら、手術中に声かけするという。信頼する医師の声に不安も和らぐだろう。
- 5術後の流れと通院による経過観察
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術後30分ほど休憩したら帰宅可能。自転車や車の運転は不可のため、同院ではタクシー代を一部補助する制度も。万が一合併症の眼内炎が起きた際、迅速に対応するために翌日の術後診察は朝一番に設定されている。診察を終えたら眼帯から保護眼鏡に変え2日目・3日目も連日受診を。その後は経過に応じて受診頻度は少なくなるが、半年から数年後に発症することもある後発白内障などもあるため、定期通院が推奨される。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズ/26万円~ ※多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は選定療養の対象となり、手術費用の一部が保険適用となります。詳しくはお問い合わせください。