長引く咳は呼吸器を専門に診る外来へ
呼吸器疾患を早期発見に注力
MYメディカルクリニック渋谷
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2024/07/12


- 保険診療
咳はごく一般的な症状と思われがちなだけに、なんとなくやり過ごしてしまうことも多いもの。しかし、数週間長引く咳の症状は、思わぬ疾患のサインかもしれない。ひと口に咳の症状と言っても、原因によって対処法はさまざまだ。「MYメディカルクリニック渋谷」の大原慎院長は、「普段の風邪と違う症状も現れる場合や、3週間以上続く咳があれば、まずは一度受診してほしい」と語る。長引く咳の原因や受診のタイミング、受診から治療に至るプロセスについて、大原院長に話を聞いた。
(取材日2024年7月4日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q長引く咳が心配な時の、受診のタイミングを教えてください。
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A
咳の種類には、発症から3週間までの急性咳嗽(がいそう)、3~8週間までの遷延(せんえん)性咳嗽、8週間以上続く慢性咳嗽とあります。それぞれの期間で咳の主な原因や治療は異なるため、持続期間を意識した診療を心がけます。受診していただく目安としては、3週間以内の咳であればいつもの風邪などとは違う呼吸の苦しさや胸の痛み、咳の激しさなどを感じたら来院してみてください。また、咳が3週間以上続いている場合には、細かな症状にかかわらず、ひとまず一度受診してみるのがよいでしょう。
- Q咳が続く期間次第で、どのような疾患が考えられますか?
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A
3週間以内の急性咳嗽でもっとも多いのは風邪、つまりウイルス感染による上気道炎ですが、気管支炎や肺炎、心不全、肺梗塞などが原因になることもあり、咳以外の症状にも注目して原因を見極める必要があります。3週間以上続く咳の原因としては、喘息・咳喘息が最も多く、他にアトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症と続きます。また、頻度は少ないものの肺結核や非結核性抗酸菌症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺がんなどが原因になっていることもあります。
- Q咳の予防のために日常生活で気をつけることはありますか?
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A
風邪をもらわないことが一番ですので、手洗いやうがい、マスクを心がけましょう。原因別の対処としては、胃酸の逆流によって咳が出る方の場合には食後2~3時間は横にならない、あるいはアレルギーによる咳の場合は該当する原因物質を回避するなどの方法があります。また、喫煙している方の場合は慢性的に気管支に炎症が起きている状態ですから、咳が気になる場合には、まずは禁煙を心がけてみてください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1ウェブもしくは紙の問診票に記入する
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予約時にあらかじめウェブから問診票に入力するか、もしくは直接来院時にウェブか紙の問診票の使用を選択することができる。咳の持続期間、発熱や喉の痛み、胸の苦しさなど咳以外の症状があるか、服用している薬、アレルギーの有無などを記入して医師の診察に備える。
- 2医師による診察と検査
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医師の診察でさらに詳しく問診と聴診を行い、こまやかに症状を把握していく。症状次第で、医師の判断により、胸部エックス線検査、血液検査、呼吸機能検査を行う。同院では今後、呼気NO検査も導入予定だという。
- 3診断と治療法の選択
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診断結果によって治療法を選択する。基本的には内服、吸入薬の処方がメインとなる。また、例えばアレルギーが原因であれば、原因物質を回避するための生活指導を行う。他院でどのような治療をしてきたか、患者のこれまでの履歴も踏まえて治療法を決めていく。
- 4通院しながら経過観察
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以後は通院をしながら経過観察となる。咳の原因によって、数日後に再度来院、1週間後に来院、あるいは症状を見て改善しなかった場合に来院など対応は異なるため、医師の判断を仰ぎながら経過を見る。