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井上 啓太 院長の独自取材記事

アヴェニューセルクリニック

(港区/表参道駅)

最終更新日:2019/08/28

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地下鉄表参道駅の出口すぐ上という便利な場所にある「アヴェニューセルクリニック」。日本全国でも珍しいリンパ浮腫の治療がメインの個人クリニックである。井上啓太院長は、顕微鏡を使った非常に高度な技術を要するマイクロサージャリー手術、中でもリンパ管と静脈をつなぐリンパ管静脈吻合を得意とし、患者の体や時間などの負担を減らす低侵襲医療を提供している。患者のニーズを第一優先とし、クリニック全体でホスピタリティを大事にしているという井上院長に、治療に対する思いや今後の展望についてなど、詳しく語ってもらった。
(取材日2016年5月19日)

低侵襲のリンパ浮腫治療を行うクリニック

リンパ浮腫の治療をメインにした個人のクリニックは、珍しいですね。

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そうですね。特に、リンパ管静脈吻合の日帰り手術を行う個人のクリニックは、日本全国でも初めてかもしれません。リンパ浮腫というのは、リンパ管からリンパ液が漏れだすことによって生じる“むくみ”のことで、放っておくと皮膚が固くなるなどの症状を引き起こします。乳がんや婦人科のがんなどの手術後の患者さんに起こりやすいのですが、一般的に認知度が低く、正しい治療法にたどり着くのに時間がかかってしまいがちですので、積極的に情報発信したいですね。また、得意とするリンパ管静脈吻合術は最小の傷で最大の効果が得られる手術なので、手術治療に対して不安を抱えている患者さんのお役に立てるのではないかと思います。

では、こちらのクリニックを開院されるまでの経緯について、教えてください。

母校である東京大学の形成外科に入局し、波利井清紀教授、光嶋勲教授のマイクロサージャリーという顕微鏡を使って行う手術を間近で見させていただいて、非常に感銘を受けました。その後は、さらに知識を深めたくて東京大学大学院に進学し、コロンビア大学にも留学しました。帰国後は、静岡がんセンターなどでマイクロサージャリーの経験をたくさん積ませていただきました。やがて、若い医師たちにマイクロサージャリーについて教える立場になったのですが、私自身が手術に携わる機会が減り、後輩たちが頼もしく育っていく中で、できることはやったという思いもあり、一医師として直に患者さんのお役に立ちたいと思うようになりました。そんな折にタイミングよく大学時代の同級生に誘われて、同じ建物内で開院することになりました。

開院されたばかりですが、内装についてこだわったポイントはどのようなところでしょうか。

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患者さんにリラックスしてお過ごしいただけるよう、できるだけ自然の素材を使用しています。ドアを開けて入ってきた時に、木があって石があって緑が見えて……あとは、全体的に落ち着いたトーンにしていますね。手術室については、ライトを落とすことによって、横になって眠くなるような雰囲気づくりを心がけました。手術といっても傷の大きさは2、3センチで小さいですから、部屋全体に電気を煌々と照らしながらする必要はないんですよ。待ち時間から診療、手術に至るまで、気持ちよくお過ごしいただければと思っています。

患者のためを第一優先としたチーム医療を心がける

クリニックの特色について、教えてください。

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主にリンパ浮腫の治療をしており、理学療法やリンパ管静脈吻合を駆使しながら、患者さんにとって一番メリットのある形をご提供できればと考えています。例えば、日帰りで行うマイクロサージャリー手術を行うことで、患者さんを時間的に拘束しないで済みます。また、通っていただきやすいよう、表参道駅という都心の中でもアクセスに便利な位置を選びました。他に、患者さんに対するホスピタリティを大事にしています。先ほどお話しした同級生が開院している系列クリニックでのスタッフに対するホスピタリティ教育が素晴らしいので、当院でもその方針を継承しています。医療には直接かかわらないところですが、患者さんが肌身で感じる安心感というのはそういうところから醸し出されると思っています。

診療は、どのように進めていきますか?

リンパ浮腫の患者さんは、ご自身の病状について悩みや不安が大きく、そういった不安を取り除いていきたいと思います。そのために大事なのは、正しい診断ですね。リンパ浮腫は問診や見た目である程度わかるのですが、それ以上に深く診断してさしあげると、患者さんに安心していただけます。アイソトープによるリンパ管撮影(リンパシンチグラフィー)やインドシアニングリーンという薬を使用した蛍光リンパ管造影をしたり、場合によっては超音波を使い、リンパ管の機能がどれくらい残っているか、静脈瘤など静脈系の問題が隠れてないか、浮腫の具合や進行具合などを見極めます。その後、症状や段階に合わせて適切な治療を行います。

診療に際して、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

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この医療はチームワークが必要で、色々な職種が関わっていますから、縦割りではなく横につながっていくことが大事だと思っています。患者さんを中心にチーム全体で診ていくためには、自分の仕事だけやればいいというわけにはいきません。お互いの仕事を理解した上で自分のすべきことを考えるようにすることで、相乗効果が生まれます。お互いに違うことをしているとちぐはぐなことになってしまうので、協調することを心がけるべきですね。そのためにも、時間をかけていくつかの病院とコミュニケーションをとり、たとえ医療機関が違ってもシームレスな診療体系がとれるようにしていきたいと考えています。

リンパ浮腫治療のクリニックとして、成功させたい

医師をめざすようになったきっかけについて、教えてください。

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子どもの頃から細かい作業が好きで、高校生の頃には医師か建築家になりたいと思っていました。人と関わることも好きでしたので、やりがいがありそうな医師の道に進みました。医師になろうと決めた時点で、手先の器用さを生かせる外科医になりたい気持ちが強かったですね。形成外科医の道を選んだのは、なり手が少ないのが一番の理由でした。あまり人がやっていないことをあえてやる性格なのかもしれませんが、やはり適材適所があると思うんです。大学院とアメリカ留学で仕事上の立場を一旦リセットしました。「自由な身分」になり自分のやるべきことについて考える機会になりました。仕事を人から与えられることもありがたいけれど、時には来た道を見直して自分が一番役に立つ場所を自ら見つけていかなければ、自分にとっても世の中にとってももったいないと思うようになりました。私自身は、リンパ浮腫の治療をすることに対してとてもやりがいを感じています。

お忙しい中、休日はどのようにお過ごしでいらっしゃいますか?

自宅の庭のガーデニングも楽しんでいます。何が魅力かというと、例えば、バラは古い枝を切ることによって新しい芽が出てくるのですが、短く切り詰めたときに寒肥(かんごえ:寒い時期に肥料をやること)をすると、春にまた立派な花が咲くんです。つまり、古い枝を切り捨て、辛い時に肥料をあげることによって大きな花が咲くところが人生と同じだなというところに、面白さを感じています。他にオリーブも育てていまして、近くにオリーブを2株、しかも品種の違うものを植えた方が立派に実ります。人間もそうですね。独りぼっちだと育たないし、遺伝子の遠いもの同士の方が強い子孫が誕生しますから。ガーデニングは人生を表しているようで、そう考えると結構深いんですね。

今後のクリニックの展望について、教えてください。

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リンパ浮腫になる可能性のある方には、早い段階から指導を受けられるような環境を整えたいと思っています。また、患者さんのお体の負担が少ないということではマイクロサージャリーは抜きんでていますので、認知度を高めていきたいですね。ゆくゆくは日帰りで行うリンパ管静脈吻合術がリンパ浮腫治療のスタンダードになって、マイクロサージャリー専門のクリニックがたくさん開業されるようになり、患者さんがどこに行けばいいか迷わなくて済むような感じになればうれしいですね。そのためにも、リンパ浮腫の治療を行う個人クリニックのモデルケースとして、なんとしても成功させたいという思いがあります。

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