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井上 啓太 院長の独自取材記事

アヴェニューセルクリニック

(港区/表参道駅)

最終更新日:2020/10/28

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地下鉄表参道駅の出口すぐ上という便利な場所にある「アヴェニューセルクリニック」。日本全国でも数少ないリンパ浮腫の治療がメインの個人クリニックである。井上啓太院長は、顕微鏡を使った高度な技術を要するマイクロサージャリー手術、中でもリンパ管と静脈をつなぐリンパ管静脈吻合を得意とし、患者の体や時間などの負担を減らす低侵襲医療を提供している。患者のニーズを第一優先とし、クリニック全体でホスピタリティを大事にしているという井上院長に、治療に対する思いや今後の展望についてなど、詳しく語ってもらった。
(取材日2016年5月19日)

低侵襲のリンパ浮腫治療を行うクリニック

リンパ浮腫の治療をメインにした個人のクリニックは、珍しいですね。

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そうですね。リンパ浮腫はリンパ液がたまることによって生じる“むくみ”のことで、乳がんや婦人科のがんなどの手術後に起こりやすいのですが、認知度が低く、2016年に開院した当時はリンパ浮腫の日帰り手術を専門に行う施設は特に珍しかったでしょう。その後、ここをモデルにしたクリニックはいくつかできましたが、非常勤の先生が週1回程度の手術を担当しているケースが多く、手術の日まで医師に会えないというところも珍しくありません。ここでは、いつでも医師に相談できますので、手術治療に対して不安を抱えている患者さんのお役に立てるのではないかと思います。また、当院は手術から圧迫治療まで含めて総合的に診察できる医師が常駐することが大きな特徴のクリニックです。リンパ浮腫というのは日によって状態の良し悪しがありますが、当院ではタイミングを逃さず対応することが可能です。

では、こちらのクリニックを開院されるまでの経緯について、教えてください。

母校である東京大学の形成外科に入局し、波利井清紀教授、光嶋勲教授のマイクロサージャリーという顕微鏡を使って行う手術を間近で見させていただいて、非常に感銘を受けました。その後は、さらに知識を深めたくて東京大学大学院に進学し、コロンビア大学にも留学しました。帰国後は、静岡がんセンターなどでマイクロサージャリーの経験をたくさん積ませていただきました。やがて、若い医師たちにマイクロサージャリーについて教える立場になったのですが、私自身が手術に携わる機会が減り、後輩たちが頼もしく育っていく中で、できることはやったという思いもあり、一医師として直に患者さんのお役に立ちたいと思うようになりました。そんな折にタイミングよく大学時代の同級生に誘われて、同じ建物内で開院することになりました。

クリニックの設備や内装についてこだわったポイントはどのようなところでしょうか。

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リンパ浮腫の診療に用いる医療機器は高性能のものを揃えています。リンパ管は最小0.2mmと、とても細いので、これを可視化するための超音波診断装置、手術用顕微鏡、また、手術でリンパ管を操作するための器具もこだわって選んだものを使用しています。また、クリニックの内装は、患者さんにリラックスしてお過ごしいただけるよう、できるだけ自然の素材を使用しています。ドアを開けて入ってきた時に、木があって石があって緑が見えて……と、落ち着ける環境にしています。手術室については、ライトを落とすことによって、横になって眠くなるような雰囲気づくりを心がけました。手術といっても傷の大きさは2、3センチで小さいですから、部屋全体に電気を煌々と照らしながらする必要はないんです。待ち時間から治療に至るまで、気持ち良くお過ごしいただければと思っています。

患者のためを第一優先としたチーム医療を心がける

クリニックの特色について、教えてください。

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主にリンパ浮腫の治療をしており、理学療法やリンパ管静脈吻合を駆使しながら、患者さんにとって一番メリットのある形をご提供できればと考えています。例えば、日帰りで手術を行うことで、患者さんを時間的に拘束しないで済みます。また、通っていただきやすいよう、表参道駅という都心の中でもアクセスに便利な位置を選びました。他に、患者さんに対するホスピタリティを大事にしています。治療内容には直接関わらないところですが、患者さんが肌身で感じる安心感というのはそういうところから醸し出されると思っています。

診療は、どのように進めていきますか?

リンパ浮腫の患者さんは、ご自身の病状について悩みや不安が大きく、そういった不安を取り除いていきたいと思います。そのために大事なのは、正しい診断ですね。リンパ浮腫は問診や見た目である程度わかるのですが、それ以上に深く診断して差し上げると、患者さんに安心していただけます。インドシアニングリーンという薬を使用した蛍光リンパ管造影を使ってリンパ管の機能がどれくらい残っているか、静脈瘤など静脈系の問題が隠れていないか、浮腫の具合や進行具合などを見極めます。特に超音波診断の進歩は著しく、これまで見ることができなかったリンパ管を可視化できるようになり、症状に合わせてピンポイントの手術をすることが可能になってきています。今では当院のリンパ浮腫の術前診断に欠かせない検査となっています。

診療に際して、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

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この医療はチームワークが必要で、いろいろな職種が関わっていますから、縦割りではなく横につながっていくことが大事だと思っています。患者さんを中心にチーム全体で診ていくためには、自分の仕事だけやればいいというわけにはいきません。お互いの仕事を理解した上で自分のすべきことを考えるようにすることで、相乗効果が生まれます。お互いに違うことをしているとちぐはぐなことになってしまうので、協調することを心がけるべきですね。そのためにも、時間をかけていくつかの病院とコミュニケーションを取り、たとえ医療機関が違ってもシームレスな診療体系がとれるようにしていきたいと考えています。

リンパ浮腫治療のクリニックとして、成功させたい

医師をめざすようになったきっかけについて、教えてください。

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子どもの頃から細かい作業が好きで、高校生の頃には医師か建築家になりたいと思っていました。人と関わることも好きでしたので、やりがいがありそうな医師の道に進みました。医師になろうと決めた時点で、手先の器用さを生かせる外科医になりたい気持ちが強かったですね。形成外科医の道を選んだのは、なり手が少ないのが一番の理由でした。あまり人がやっていないことをあえてやる性格なのかもしれませんが、やはり適材適所があると思うんです。仕事を人から与えられることもありがたいけれど、時には来た道を見直して自分が一番役に立つ場所を自ら見つけていかなければ、自分にとっても世の中にとってももったいないと思うようになりました。私自身は、リンパ浮腫の治療をすることに対してとてもやりがいを感じています。

お忙しい中、休日はどのようにお過ごしでいらっしゃいますか?

自宅の庭のガーデニングも楽しんでいます。何が魅力かというと、例えば、バラは古い枝を切ることによって新しい芽が出てくるのですが、短く切り詰めたときに寒肥(かんごえ:寒い時期に肥料をやること)をすると、春にまた立派な花が咲くんです。つまり、古い枝を切り捨て、つらい時に肥料をあげることによって大きな花が咲くところが人生と同じだなというところに、面白さを感じています。他にオリーブも育てていまして、近くにオリーブを2株、しかも品種の違うものを植えたほうが立派に実ります。人間もそうですね。独りぼっちだと育たないし、遺伝子の遠いもの同士の方が強い子孫が誕生しますから。ガーデニングは人生を表しているようで、そう考えると結構深いんですね。

今後のクリニックの展望について、教えてください。

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リンパ浮腫になる可能性のある方には、早い段階から指導を受けられるような環境を整えたいと思っています。また、患者さんのお体の負担が少ないということではマイクロサージャリーは抜きんでていますので、認知度を高めていきたいですね。ゆくゆくは日帰りで行うリンパ管静脈吻合術がリンパ浮腫治療のスタンダードになって、マイクロサージャリー専門のクリニックがたくさん開業されるようになり、患者さんがどこに行けばいいか迷わなくて済むような感じになればうれしいですね。そのためにも、リンパ浮腫の治療を行う個人クリニックのモデルケースとして、なんとしても成功させたいという思いがあります。

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