全身の健康にもつながる
小児から高齢者までの歯列矯正
南林間ひまわり歯科
(大和市/南林間駅)
最終更新日:2025/10/02
- 自由診療
出っ歯や前歯の凸凹など、歯並びを整えるための歯列矯正。見た目を良くするために受診を検討する人も多いだろう。しかし、そのメリットは審美面だけではないと、「南林間ひまわり歯科」の鴇田拓也院長は強調する。「見た目の改善を図るだけでなく、噛む機能の向上や、姿勢や呼吸への良い影響が期待できるんですよ」と、多様なメリットについて語る。受けるのに年齢制限はなく、同院でも50~70代で矯正を希望する人も多いそうだ。近年はマウスピース型装置を用いた矯正をはじめ選択肢も増え、受けやすい環境が整っているという。一方で、多様なメリットを享受するには、早めに歯科医師に相談してほしいとも。そんな鴇田院長に、歯並びが及ぼす影響や矯正のメリット、さらにはマウスピース型装置を用いた矯正の実際の流れについて解説してもらった。
(取材日2025年3月12日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q歯並びが悪くなる原因と、その影響を教えてください。
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A
幼少期からやわらかいものを中心に食べていると、噛む回数が減り骨への刺激も少なくなります。すると、顎骨が思うように成長せず歯並びに影響が出るのです。縄文時代の人骨には不正咬合がないことからも、噛むことの重要性がわかりますね。また、顎骨が小さいと気道が狭くなりやすいので、気道を広げるために口呼吸や猫背を引き起こしやすいなど、呼吸や姿勢にも影響することがわかっています。加えて、口呼吸により舌の位置が下がると、下顎が上顎よりも後ろに引っ込みやすくなったり、逆に下顎が前に出やすくなったりすることも。さらに、成人後も睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるなど、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
- Q歯並びを良くするにはどうしたらいいのでしょうか?
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A
まずは食事を見直していただきたいですね。食材を細かく切ると噛む回数が減るので、親御さんには「なるべく手を抜いていただく」ことをお勧めします。また、食べ物を流し込まないよう飲み物を一緒に出さない工夫をするだけでも咀嚼回数は増えます。その上で、矯正装置が着けられる年齢になったら、顎の骨を拡大するための装置などを用いたアシストも有用です。ちなみに顎の成長は大人になると止まりますが、近年では装置の進化や技術の向上により、成人でも顎骨にアプローチして歯並びの改善をめざす治療が可能です。その他、最近では選択肢の一つとしてマウスピース型装置を用いた矯正を取り入れる人も増えており、当院でも対応しています。
- Q矯正は何歳くらいから始めるのがいいでしょうか?
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A
子どもの矯正はタイミングが重要です。中には「いつ始めても同じ」とお考えの親御さんもいますが、そうではありません。骨の成長時期は部位によって異なり、上顎骨は10歳で成長が止まります。そのため成長が盛んな6~7歳頃から治療を始め、2~3年かけて正常な骨の成長を取り戻し、余裕を持って10歳を迎えるのが理想だと私は考えています。言い換えれば、治療のスタートが遅れると骨の成長を促すのが難しくなり、難症例化してしまうのです。とはいえ、若くないと矯正ができないわけではありません。先述のように治療が進歩していることに加え、口腔内の状態にも左右されますので、重度の歯周病がなければ何歳からでも可能です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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問診票をもとに、患者の歯並びや口腔内の状況を確認しながら、矯正への希望をヒアリングする。現状と希望を照らし合わせながら、どのような矯正が可能で、どういった経過が予測されるかなど、詳しく説明を受ける。説明には期間や費用などの情報も含まれ、すべてに納得できた場合のみ、矯正を進めることとなる。複数の方法の選択肢がある場合には、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら選択することが可能だ。
- 2精密検査
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矯正計画を立てるために必要となるデータを採ることを目的に、検査や診察を受ける。口腔内スキャナーを使用しての歯型採取、口腔内や顎周りのエックス線撮影、口腔内と顔貌の写真撮影に加え、咬合検査、虫歯・歯周組織の検査などが行われる。この段階で虫歯や歯周病が見つかった場合は、矯正に先駆けてそれらの治療を行うこともある。
- 3計画の立案
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口腔内スキャナーで採った歯列の3Dデータと各種検査結果をもとに、症状に合わせた矯正計画を立案する。改めて具体的な矯正方法や方針、矯正計画、抜歯の有無、詳細な費用などの詳細説明を受け、どのように進めていくかを歯科医師と患者で相談しながら決定する。マウスピース型装置を用いた矯正の場合は、計画が固まり次第業者に発注し、およそ3週間後にオーダーメイドの装置がクリニックに届く流れとなる。
- 4マウスピース型装置の装着
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装置が届いたら、受け取りと装着のため来院する。実際に装置の取りつけと取り外しを練習。自宅で適切に装置を取り扱えるよう、装着や手入れの方法、コツなどを学ぶ。必要に応じてこのタイミングで歯間や歯面の凸凹などを調整するため、微細に歯を削るストリッピングと呼ばれる処置を行うこともある。処置と練習が終われば、次回来院までの装置を受け取って矯正開始だ。
- 5チェックのために定期的に通院
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マウスピース型装置を用いた矯正の場合、歯科医師の指示に従い、1、2週間ごとに装置を交換しながら進める。同時に、1、2ヵ月に1度のペースで来院し、矯正の進み度合いや装置のズレなど口腔内の状態チェックを受け、装置の使用状況なども確認。部分矯正では約半年から、抜歯を伴う全体の矯正では2年半から3年ほどで完了。その後は後戻りを防ぐためリテーナーと呼ばれる装置を用い、3ヵ月に1度程度チェックを受ける。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/55万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/片顎33万円~、上下44万円~、小児の床矯正/1装置8万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

