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川畑 知広 院長の独自取材記事

京都三条大橋歯科診療所

(京都市東山区/三条駅)

最終更新日:2022/01/25

川畑知広院長 京都三条大橋歯科診療所 main

京都の繁華街にアクセスしやすい三条大橋やその近辺は、多くの観光客で年中にぎわう。そんな三条大橋の東側にあるのが、「京都三条大橋歯科診療所」だ。幅広い年代や国籍の患者に向けて、虫歯をはじめ各種の補綴治療やインプラントなど、さまざまな治療を提供している。川畑知広院長が中でも力を入れているのが「歯の移植・再植」という治療法。親知らずや歯茎の中に埋まっている歯を、歯がない部分に移し替えて再利用する施術だ。人工物でない自分の歯を使うだけに、多彩なメリットがあるのだそう。「適切なタイミングで治療を受けるためにも、このような方法が治療選択肢の1つとしてあることを、ぜひ知ってほしいですね」と笑顔で語る川畑院長に、詳しく話を聞いた。

(取材日2020年4月30日)

使っていない歯を再利用する「歯の移植」

貴院の特徴や診療内容について、教えてください。

川畑知広院長 京都三条大橋歯科診療所1

当院は2015年に開業し、今年の3月に6年目を迎えました。ご覧のように交通の便が良い場所ですので、近隣の方だけでなく遠方から来られる方も多いですね。当院では虫歯や歯周病の診療に加え歯列矯正や補綴、インプラント、ホワイトニングなど幅広い歯科診療を行っており、どの治療でもなるべく生まれ持った歯を生かし、治療したことがわからないような自然な仕上がりをめざしています。特に歯の移植・再植という施術は、私自身がライフワークとして取り組んでいることもあり、当院の特徴だと思います。

歯の移植や再植とは、どのような治療ですか?

ケガや虫歯で歯を抜いたり大きく欠けたりすると、一般的には入れ歯やブリッジ、インプラントで補うことが多いのですが、これ以外に、自分の歯を移植して使っていく方法があります。患者さんご自身の親知らずや歯茎に埋まっている残根状態の歯など、せっかく口の中にあるのにあまり使われていない歯や歯根を、必要な部分へ植え替えて再利用するのが、歯の移植です。いわば「歯の引っ越し」もしくは、適材適所の配置転換ですね。また、ケガや事故で抜けたり割れたりした歯を工夫して再び同じ場所へ植え直すのが、歯の再植です。きちんと移植・再植できれば、自然な見た目や噛み心地が望め、ケアも普通の歯のお手入れと同じで済みます。自分の歯ですから拒絶反応が少なく、周囲の組織になじむのも早いので治療期間が比較的短いです。このような方法は、知名度はあまり高くないですが以前から行われていて、条件によっては保険適応になることもありますよ。

先生が、歯の移植や再植に取り組んでいるのはなぜですか。

川畑知広院長 京都三条大橋歯科診療所2

私が歯学部を卒業する時、他の領域では再生医療の研究が盛んだったので、歯科領域でも歯の再生が可能になるかもしれないと考えました。その頃、京都大学で再生医療の研究が盛んなことを知り、京大病院の口腔外科に研修医として入局しました。その後、京大の大学院へ進み、さまざまな方法で研究に携わりましたが、実際の臨床で使える歯を再生することには、もう少し年月が必要だと感じました。歯の再生は現在も研究が進行中ですが、日常の診療をしていると、口の中には親知らずや残根など、機能的に使われていない歯が沢山あることに気づきます。まずは、これらを有効に利用すべきだと考え、歯の移植・再植に取り組むようになったわけです。また現在の臨床で移植・再植のノウハウを蓄積しておけば、歯の再生が実用化したときにそのまま転用できる、という展望もあります。

親知らずは貴重な資源

実際に、どのような患者さんが移植や再植をしていますか?

川畑知広院長 京都三条大橋歯科診療所3

スポーツの事故で複数の歯を失ってしまった方が、1年ぐらいかけてインプラント治療を受けるつもりで来られました。しかし、エックス線を撮ってみると親知らずが4本あり、しかもそれぞれ根っこが2つあったので、必要なサイズに分割して移植したことがあります。あるいは、虫歯を放置し続けて噛める場所がほぼなくなった状態のまだ若い方。普通なら総入れ歯になりそうな状態でしたが、歯茎の中に移植すれば使えそうな残根がいくつもあったので、それらを工夫して移植し、ご自身の歯で歯並びを作り直していきました。患者さんにも私にも根気のいる治療でしたが、ご本人が治したいという気持ちで頑張られたので本当に喜んでもらえましたね。また、このような重症例ばかりでなく、1本の残根や欠損で受診しても移植が適応になることも、日常的にありますよ。

では、移植を受けたいと思ったらどうすればよいのでしょうか。

移植するためには何よりも、親知らずなど、ドナーとして利用できる歯が必要です。今の歯科診療では、親知らずを「いらない歯だから」と抜いてしまうケースがしばしばあるのですが、貴重な資源を捨てているように思えます。スペアタイヤと同じようなもので、今使っているタイヤがパンクしても、スペアがあればすぐに入れ替えられますよね。ですから私は、親知らずが何らかの症状を起こしているのでなければ、なるべくそのままにしておいてほしいと考えています。もし抜くべきか迷うのであれば、当院で移植するしないにかかわらず、評価をさせてもらいます。また、親知らずや埋伏歯などドナーとなる歯を取り出すのと、移植する場所にある歯を抜くのが同時であれば、移植治療が保険適応になります。だからこそ、親知らずや残根を抜く前に一度相談に来てほしいですね。

移植も含め、短期間で自然に仕上がる治療をめざしているそうですね。

川畑知広院長 京都三条大橋歯科診療所4

小さな虫歯を詰め物で詰めただけでも、そこの色が周囲と少し違うと、歯を磨くたびにずっと気になりませんか? 当院では、保険診療であってもなるべく色の違和感がないように、多くの色を用意して注意深く色を合わせています。また、可能な範囲で、金属の使用を控えた治療に取り組んでいるのですが、CAD/CAM冠の保険診療の適応範囲が広がったことはとてもありがたいと思っています。それから、患者さんの生活を考えれば、治療期間はなるべく短く、健康な期間が長いほうがいいだろうと考えています。そのため、治療に関しては1回あたりに処置する部分を増やして、治療期間全体を短くなるようにしています。その後は、患者さんと一緒に丁寧なメンテナンスに力を入れているところです。

歯科診療で人生の満足度を高めたい

いびきや睡眠時無呼吸症候群にも着目されているそうですね。

川畑知広院長 京都三条大橋歯科診療所5

睡眠時無呼吸症候群用の口腔内装置を導入したのは、私自身も年齢を重ね、体調に思い当たるところがあり、マウスピースを実際に使ったことがきっかけです。当院で導入しているマウスピースは上下分離型口腔内装置なので、口の閉じ開きも可能ですし、いびきをかきにくくなることも期待できます。旅行好きな方や出張の多い方から、「他人と外泊をする時のいびきが心配で」とお聞きすることがありますが、そのような方はこちらの口腔内装置を試してみるのもよいかもしれません。また、睡眠時無呼吸症候群と診断された方でCPAPは使用しにくいという方にも気軽で快適に活用いただける方法ですので、ご紹介させていただいています。

患者さんとお話しされる際に、心がけていることはありますか。

口の中は見えにくいですし、埋まっている歯や歯根の話は、なおさらわかりにくい。でも日本人はよくわからなくても「はい」と言ってしまいがちです。だから絵を描いたり、検査画像はなるべく多くお見せしてお話しします。必要があればお口の中を3Dスキャナーで撮影し、3Dのカラー画像を作成して見てもらうこともありますよ。また、仕上がりをできるだけ自然にするために、治療後の写真だけでは治療部分がわかりにくいので、治療前の写真も撮って前後が比較できるようにしています。きれいに治すのは歯科医師の仕事ですが、治した歯をケアして維持するのはある程度患者さんの仕事。治療後の喜びを忘れずメンテナンスに励んでもらうためにも、治療内容をよく知ってもらうことは大事だと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

川畑知広院長 京都三条大橋歯科診療所6

歯は簡単に抜いたり削ったりされがちですが、指だったらどうでしょうか? そんな扱いは嫌だと思うはずです。歯も同じで、できるだけご自分の歯を大事にしてほしいのです。もしケガなどで歯を失ってしまうことがあっても、ご自身の他の歯で治療できるのならうれしいと思う方には、移植・再植という方法もありますので、ぜひご相談ください。また機能的な治療に加え、歯の色調やいびきへの対応など、お口の中に関するさまざまな悩みごとやニーズに、これからも技術と工夫を凝らして応えていきたいと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/一歯 45万円~(【内訳】一時手術:30万円、上部構造::一歯につき15万円)
ホワイトニング/3万円~
歯の移植・再植/10万円~(保険適応にならない場合の1歯当たりの移植費用)
CAD/CAMシステムを用いた治療/5万円~
矯正治療/全顎:60万円~、部分矯正:10万円~
マウスピース型装置を用いた矯正/全顎:24セット60万円~、25~48セット80万円~
睡眠時無呼吸症候群用の口腔内装置/18万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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