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中性脂肪過多から脂肪肝へ
リスクを知ることで治療へつなげる

天神橋みやたけクリニック

(大阪市北区/南森町駅)

最終更新日:2023/07/10

天神橋みやたけクリニック 中性脂肪過多から脂肪肝へ リスクを知ることで治療へつなげる 天神橋みやたけクリニック 中性脂肪過多から脂肪肝へ リスクを知ることで治療へつなげる
  • 保険診療

生活習慣病は自覚症状がないことがほとんど。中でも中性脂肪は、基準値を超えてもほぼ症状が現れず、健診で指摘されたとしてもなかなか受診に至らない。だが放置しているうちに、脂肪肝に進展してしまうこともあるという。「中性脂肪が高くなると動脈硬化のリスクを上げるばかりか、数値によっては急性膵炎ですぐ入院になることもある」と話す「天神橋みやたけクリニック」の宮竹英希院長。肝臓を専門としてさまざまな治療に取り組んできた宮竹院長は、中性脂肪過多の人や脂肪肝の人は増えているのに、まだまだ情報が行きわたっていないことが心配と話す。そこで今回は、中性脂肪の意外な働きやその正体、数値が高くなる原因、脂肪肝の検査・改善のためのアプローチ方法について詳しく聞いた。

(取材日2023年6月8日)

中性脂肪が蓄積し気づかぬうちに脂肪肝へ。 動脈硬化や急性膵炎になる前に自分の数値を知り、適切な対応を

Q中性脂肪とはどのようなものですか? リスクはありますか?
A
天神橋みやたけクリニック 中性脂肪について話す宮竹院長

▲中性脂肪について話す宮竹院長

中性脂肪は正式にはトリグリセライドといい、体にとってエネルギー源であり、体温を一定に保つために必要な物質です。由来が2つあり、食べた物を小腸から吸収するカイロミクロンと、肝臓で合成されるVLDL(超低密度リポたんぱく質)です。どちらも体の各細胞にエネルギー源を運ぶ乗り物の役目を果たします。中性脂肪は少ないとエネルギー不足になり、多くなると体のどこかにため込まれます。その場所が皮下組織だと肥満、肝臓だと脂肪肝に、血液中にたまると動脈硬化のリスクを高めます。急性膵炎のリスクもあります。中性脂肪はたまっても症状がありませんから自覚しにくく、健診や人間ドックの血液検査で指摘が多いのが特徴です。

Q中性脂肪の数値が高くなる原因について教えてください。
A
天神橋みやたけクリニック 中性脂肪の数値が高くなる原因はさまざまだ

▲中性脂肪の数値が高くなる原因はさまざまだ

肥満、飲酒、過食、運動不足、糖尿病、脂質異常症、腎臓病、甲状腺疾患のほかに、服用薬の影響もあります。中性脂肪の数値が150〜500mg/dLでは、動脈硬化への進展を疑います。500~1000mg/dLを超えると急性膵炎のリスクが上がり、即入院ということも。頻度は低いですが遺伝的疾患の場合もあります。中性脂肪はコレステロール値との関係が深く、脂質異常症としては3つのパターンがあります。中性脂肪とLDLコレステロールの両方が高いケース、中性脂肪が高くHDLコレステロールが低いケース、中性脂肪のみが高いケースがあります。治療する意味は大いにあるでしょう。当院ではグループ分けした治療を行っています。

Q具体的にどのような検査や対応をするのですか?
A
天神橋みやたけクリニック 患者に寄り添った治療を提供している

▲患者に寄り添った治療を提供している

基本的には血液検査です。肝臓、中性脂肪、各コレステロール、腎機能、血糖値を定期的にチェックします。当院では、RLP-C(レムナント様リポたんぱくコレステロール)という動脈硬化のリスクを数値化する検査も導入しています。動脈硬化の評価として年1回頸動脈エコー検査も行っています。具体的な対応策としては、食事や体重の管理、適量の飲酒、有酸素運動のアドバイス、資料を用いた食事メニューの提案などを実施しています。問診で得た生活習慣に関する情報はカルテに記録し、次の来院時に確認します。脂質異常症と診断され、生活習慣の見直しだけで改善が図れない方は、病気の度合いをグループ分けをした上で治療薬を処方しています。

Q脂肪肝とはどんな病気ですか?
A
天神橋みやたけクリニック 合併症のリスクもあるため定期的な検査が重要だ

▲合併症のリスクもあるため定期的な検査が重要だ

肝臓に中性脂肪、糖質が蓄積される病気で、健診や人間ドックの腹部エコーで白く映って発見されるケースが多いです。肝臓機能異常があって腹部エコーを行うと見つかるケースもあります。アルコール過剰摂取によるアルコール性脂肪肝と、それ以外の原因で起こる非アルコール性脂肪肝があるので、「お酒を飲まないから大丈夫」とは言えません。見つかった時点で肥満、糖尿病、高血圧症、中性脂肪過多などを認めることも多いため、経過観察する必要があります。当院では年2~4回の血液検査、年2回の腹部エコーを組み合わせて受けるようにお勧めしています。肝臓がんに進行する場合もあるので定期的に受診するようにしましょう。

Q脂肪肝を改善するための方法はあるのでしょうか?
A
天神橋みやたけクリニック 先進の機器を用いた検査が可能

▲先進の機器を用いた検査が可能

残念ながら、今のところ「脂肪肝」だけの病名で保険適用となる薬はなく、肝臓そのものを目がけて治療することができないのが難しいところですね。糖尿病や脂質異常症などほかの病気を合併している場合は、それに対するお薬を服用していただき、また、食事、運動、体重、飲酒量の管理など生活習慣の見直しをしながら、定期的に血液検査と腹部エコーを行っていくのが、当院の脂肪肝フォローの基本です。当院では先進のエコー機器を導入しており、超音波を用いながら体の状態を検査することが可能です。受診を迷っておられる方は、ぜひ来院していただきたいですね。

ドクターからのメッセージ

宮竹 英希院長

中性脂肪にアプローチする目的の一つは動脈硬化や脂肪肝の進展予防。もう一つは急性膵炎の予防です。中性脂肪過多になっても自覚症状がないため気づきにくく、健診や人間ドックで指摘されても「まだ大丈夫だろう」と放置しがちです。放置すると重篤な病気につながるので、血液検査、頸動脈エコーによる定期的フォローをお勧めします。今は面倒でも将来の安心につながると思います。同様に脂肪肝も自覚症状がないため血液検査や腹部エコーによる定期的フォローが必要です。私は日本肝臓学会肝臓専門医としての経験をもとに皆さんにアドバイスさせていただければうれしく思います。一緒に中性脂肪過多や脂肪肝の改善方法を考えていきましょう。

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